きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ディアナ・ヴィシニョーワ -華麗なる世界-」Aプロ

2013年08月17日 | バレエ・ダンス
オープニングは全員集合。
バランシンっぽく、ゴメスはこういう繊細な作品を作るのかと
意外に思った。
(なんとなくパワフル系かと予想していた)

第一部
「オテロ」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:アルヴォ・ペルト
エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン


ノイマイヤーらしい純白な世界。
ゆったりとした動きだけど、
オセロとデズデモーナの関係が徐々に変わっていく。
ドラマチックだった。


「コッペリア」
振付:ミハイル・バリシニコフ 音楽:レオ・ドリーブ
メラニー・ユレル、マチアス・エイマン


地味すぎて辛い。
せめてもっとほのぼのカップル的な雰囲気があれば。
それなりに高い技術を見せているんだけど
全く魅力的に見えない。


「失われた時を求めて」より "モレルとサン・ルー"
振付:ローラン・プティ 音楽:ガブリエル・フォーレ
マルセロ・ゴメス、デヴィッド・ホールバーグ


素晴らしい!の一言。
惹かれ合い、同調し、反発し、でも引き合う。
物語としての「モレルとサン・ルー」としてもいいし、
(といっても私は粗筋しか知りませんが)
単純に旬のダンサー二人の並びも良い。
蠱惑的で肉感的なのに、ピュアでもある。
不思議な熱量の世界だった。
モレルがゴメスで
ホールバーグがサン・ルーなんだっけ?
逆の方がしっくりするよなー、
と思ったけど
このパターンだと・・・、と、
自分の中で膨らませていくのも面白いな。


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アシュレイ・ボーダー、ホアキン・デ・ルース


力任せ過ぎなのがいっそ清々しい。
技を見せることに終始し、バランシン要素皆無だけど、もうOK!
2人ともNYCB本場のダンサーだけど
今はこの芸風でバランシン作品はOKなんだね。
私が思うバランシンって、映像ではスザンナ・ファレル、
ナマで見たのはダーシー・キスラーで
音楽がキラキラ輝いて身体から零れてくるイメージなんだけど
そういうタイプはもういないのか、
私のイメージがそもそも間違っているのか。

ボーダーに比べてデ・ルースが小さくて、
見てて痛々しかった。
彼より小柄な人はそんなにいないだろうけど。


第2部
「ダイアローグ」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フェデリコ・モンポウ(「ショパンの主題による変奏曲」)
ディアナ・ヴィシニョーワ、ティアゴ・ボァディン
ピアノ演奏:アレクセイ・ゴリボル


恋人同士の日常の風景なんだろうけど、
私の頭の中には入って来なかった。
ヴィシとボァディンの並びは存外に良く、
ヴィシはルジとも合ってたし、
意外と誰とでも合うのかな、
マラーホフは結局ワシリエワが一番合ってたな、
と思いながら寝た。
ごめん。


第3部
「フーケアーズ」
振付:ジョージ・バランシーン 音楽:ジョージ・ガーシュイン
アシュレイ・ボーダー


開演前に
「ホアキン・デ・ルースが、かねてより痛めておりました
 膝の状態が悪化したために、アシュレイ・ボーダーによる、
 バランシン振付の「フーケアーズ」に変更させていただきます。」
とのアナウンスが入り、演目変更。

ボーダーは歯切れの良い踊りだった。
音楽性も高く、見ていて気持ちが良い。
衣装も音楽も用意済みだったのは
演目変更は想定内だったのかな。


「マンフレッド」
振付:ルドルフ・ヌレエフ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
マチアス・エイマン


内容はわからないけど、いかにもヌレエフっぽい、
香気漂う作品で、エイマンは美しく踊っていた。
ソロの方が断然輝いている。


「ジュエルズ」より "ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
エレーヌ・ブシェ、デヴィッド・ホールバーグ


実に素晴らしかった!!
ABT出身で、ボリショイのプリンシパルというホールバーグは、
バランシン振付のロシア・バレエへのオマージュというこの作品の
まさに具現化だ。
作品に相応しい気品や品格はあるけど、
「眠り」のような、どこか甘やかなパ・ド・ドゥだった。
硬い鉱石の威厳や圧倒的な威圧感は無いけど、
こういう雰囲気でもいいんじゃないかな。
そして、ブシェのチュチュはレア!
ありがたい!!


「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス


ゴメスに髭がない。大減点。
二人とも失ってしまった青春の苦さは皆無で、
現役感漂う、情熱的かつ官能的な踊りだった。
長年に渡る不倫の清算にしか見えない。
それはそれで美味しいけど。

フィナーレもゴメス振付で、タンゴチック。
悪くないけど、衣装チェンジを待つ時間が
ちょいイライラした。


◆上演時間◆
第1部 15:00 - 15:50
休憩 15分
第2部 16:05 - 16:35
休憩 15分
第3部 16:50 - 17:40
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「エンド・オブ・ウォッチ」

2013年08月17日 | 映画
ロス市警の日常が淡々と描かれる。
毎日どこかで事件がおこり、
警官は犯人を追い詰め、手柄をたてたり、
逆にFBIに全てを持っていかれたりする。

職務を遂行するだけでも、悪人に命を狙われる。

家族より相棒を愛してるんだな、
と思わせるけど、
そうじゃないとあの仕事は無理だな。

大きい筋があるわけではなく、
ぬるーーーくひとつの伏線があるようなないような、なので
痛快アクションではないので
それを期待すると肩すかしを食らうかも。

高潔な正義感ではなく
ごく普通で普遍的な正義感を持つ警官が
日常業務として街を守ってくれるので
市民の平和が保たれるんだなあ、
と実感できる映画でした。

ただ、「警官が自分たちの日常を撮影している」体裁は
上手く作用しているのかどうか。
普通に作ってくれる方がわかりやすいけど、
そうすると山場とオチが必要な普通のアクション映画になっちゃうのかな。
山場もオチも無い日常が主題だろうからなあ。


ジェイク・ギレンホールは良い役者だわ!


私が見た映画が偏っているだけかもしれないんだけど。
米映画は、かつては、一定人数以上の黒人を出さねばならず、
2000年頃からはアジア人枠もできたように思ったけど
最近はヒスパニック枠もできたのかな?
興行の配慮って大変だね。
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