山中康裕氏の自閉症児との治療について書いたものを読んでいると、相手の攻撃性をかなりの部分、
自身の体で受け止めておられて、顔を叩かれて眼鏡が飛んだり、噛まれて歯型がついたりと、
何かと大変そうです。しかしそこは、攻撃する自分と攻撃される他者が現れてくるところのようで、
治療上の大きなポイントのようです。
しかしながら療育対象の体が大きくなる思春期以降だと、力も強くなるので治療者も何かと
相手に不安や恐怖を感じ、そのようなところを避けがちになり、治療の進展にマイナスになりそうです。
そのあたりはいろいろと難しいところのように思えます。
最近は社会的に暴力を忌避する傾向が強いので、直接的な対立や対決を避けがちになっているでしょうから、
そのことも療育にマイナスに影響していそうに思います。