マチンガのノート

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ユング派心理療法 河合俊雄編著

2016-08-24 06:49:13 | 日記
事例1「言葉の遅れを主訴とする軽度自閉傾向の幼児期男児とのプレイセラピー」
大久保もえ子
3才6ヶ月の男児とのプレイセラピーについてだが、
大きなボールをぶつけてくると、治療者がそれに合わせて倒れてみたり、
スリッパを差し出されると、それを両手で履いて、四ツ足で歩いたり、
ボーリングのピンを横一列に縦方向に並べると、その子どもと同じように
横になって眺めてみたりと、同じ視点で関わることから始めている。
象徴や言語の成立につまづいている相手には、身体的、感覚的に
同期することから始める事が必要なのだろう。
そのことが、鏡像的関係の基となり、心的活動へ繋がっていくのだろう。
プレイセラピーを無効としていた多くの治療者は、距離をとって
理論や象徴などの視点から見ていたため、それ以前の世界に
関われなかったのだろう。
体を使った遊びや、絵を描くなどは言語以前の世界に関わり、
主体や言語の基を育てる事ができる方法なのだろう。

最近は発達につまづいている子供が多くなっていると言われているが
体を使った遊びや絵を描く遊びなどが減って、ゲームをしている事が多いのも
その一因だろう。

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