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パンとサーカス 島田雅彦  感想

2022-12-28 00:22:04 | 日記

歴史と現代社会を扱った小説

2020年7月から2021年8月に東京新聞などで連載されていた小説で、22年3月に刊行されたものです。

「日米合同委員会」「日米地位協定」「横田空域」も取り上げている政治エンタメ小説となっています。

小説内では主人公たちが日本の米国への隷属状態をなんとかしようと奮闘しますが、

現実社会では米国と距離を取ろうとすると、外交政策や安全保障を根本から考え直さなくてはならないため、

何かと大変なので政治家や官僚は何もしようとしないのでしょう。

さらに現在の仕組みで利益や地位を得ている人たちが邪魔しにかかったり、現在の状況から利益を得ている

米国もいろいろと邪魔するでしょうから、大きな困難が伴う事が明らかなことも現状を変えようとしない

大きな要因だと思います。

さらに連載後にウクライナで戦争が始まったことにより、国内の中国に対する不安が高まったことで、

防衛予算の大幅増が支持されている現状を見ると、米国から距離を取ることの難しさが解ります。

現状を変えることの困難さが増す中で、これからどうすればいいのかを考えさせる内容でした。

それでも次期主力戦闘機の開発がイギリスやイタリアとの共同でされることに決まったというのは、

政府の様々な部署で現状を変えようとしている動きがあるからだろうと思いました。

 

小説『パンとサーカス』に込められた日本の現状への危機感(島田雅彦小説家・法政大学国際文化学部教授) -マル激

小説『パンとサーカス』に込められた日本の現状への危機感(島田雅彦小説家・法政大学国際文化学部教授) -マル激

カテゴリー「安倍政権」「日米関係」  『パンとサーカス』は作家・島田雅彦氏が2020年7月から21年8月にかけて東京新聞朝刊に連載していた小説で、それを一冊にまとめた単行...

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