マチンガのノート

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「飢餓陣営49 2019夏号」

2019-09-20 00:14:27 | 日記

松本俊彦氏を囲んで■薬物依存症の治療に大事な事 :概略

違法薬物を使った人で、依存症になるのは、オーストラリアの研究では、

ヘロインでは35%、覚せい剤では15%程とのことである。

依存症治療を受けている人の特徴としては、うつ病やPTSDなどの合併症があり、

孤立している人が多いとのこと。

何らかの心理的な苦痛を抱えている人の方が、依存症になり易く、治りにくいとのこと。

米国の精神科医のエドワード・カンティアン氏の仮説では、依存症の主因は快感ではなく、

苦痛の緩和であるとのこと。

いくら美味しいものを食べても、毎日は食べる気は起らないが、何らかの慢性の疼痛などの

痛み止めを切らすと、耐えがたいことからもその仮説は理解できる。

依存症の治療では、依存の対象をやめる事よりも、その人の苦しみに焦点を当てるほうが

治療が継続し、効果的との事である。

そのため、成育歴や生活上で、このようなことで困っているという事に、

焦点を当てるほうが有効との事である。

多くの通院患者さんの場合、治療している期間に、薬物を使うと、自責の念から

通院をやめることが多いので、薬物を使用してしまっても、

通院し続けられるような関係を作れるように社会が緩くなるほうが治療的だとのこと。

依存症の本質は、他人に依存できず、薬物などにしか依存できないことだとのこと。

そのため生活に余裕があり、楽しみで薬物やアルコールを使用している人は、

それを継続し続けることが何らかの害になりそうになると、他の物に移ることが出来るので、

依存症になりにくいとの事である。

薬物使用への厳罰化は効果が低いが、米国などでは政治家が薬物を厳しく罰する態度を

採るほうが、選挙の時に支持されるので、厳罰化の態度を取り続けているとの事である。

 

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TBSラジオ「セッション22」

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