マチンガのノート

読書、映画の感想など  

中動態の世界 意志と責任の考古学 國分功一郎

2017-05-08 06:17:10 | 日記
 様々な実際の行為というのは強制か自発かで割り切れるものではなく、
「昼食にはラーメンを食べたいが、友達がソバにしようと言うので、仕方なくソバにする」
「子供が泣きわめくので仕方なくお菓子を買ってやる」
「給料がほしいので仕方なく働く」
「銃身を突きつけられたので仕方なく便所掃除をする」
などがあるとのこと。
強制はないが自発的でもなく、自発的でもないが同意している、
という自体は日常にあふれている。
それが見えにくいのは、能動か受動かという対立で物事を眺めているからだとのこと。
疑問を感じているのに同意するという非自発的同意を行為の一類型として認めなければ、
何事も「あなたが進んで結んだ同意」とされ、様々なハラスメントに繋がる。
受動と能動を対立させる言語は様々な要素からなる出来事を
「この行為は誰のものか?」と問う。
言語に中動態が失われ、能動態と受動態に別れたことにより、行為者を確定するだけでなく、
行為を行為者に帰属させる方向に向かったとのこと。
行為の帰属を問う言語が、その帰属先として要求するのが意志とのこと。
 子供の時から好き嫌いを尋ねられる、選択の幅を与えれれる、などがないと、
本人の自己感や主体と言うものは生成されず、自らの意志と言うものも
持ち得ないのだろう。

ガーディアン紙の記事

2017-05-03 07:28:10 | 日記

クルド人部隊にいる人達

ラッカは人間の盾と仕掛け爆弾だらけだとのこと。

シリアのクルド人民兵の国際旅団には100人位の欧米のボランティア兵がいて、

雑多な左寄りの人たちだとのこと。

シリア北部の警察関係者によると、ISの1500人の外国人戦闘員がラッカに退却していて、

その何ダースかはイギリス人で、シリアで戦うために旅した850人のイギリス国民の一部だろうとのこと。

写真のキンバリー・テイラーさん(28)は、2015年の夏にイラクに行くことを決め、

難民の生活を見て、2016年3月に国際旅団に参加したとのこと。

敵のIS側にもイギリス人がいることは「不思議なこと」(weired)だとのこと。


露出せよ、と現代文明は言う: 「心の闇」の喪失と精神分析 立木 康介

2017-05-03 04:57:29 | 日記
現代の、明るく、健康で若く、快活でコミュニケーション能力が高ければいい、
と言うのは、負の側面を含む歴史や個人の闇、トラウマや欠損、障害などを
価値がないものとする極めて表層的なものだろう。
解らない事はネットで検索すればすぐに出てくる、という考えが大きく
影響しているのだろう。
松本卓也氏の言う社会のアスペルガー化というところだろう。
畑中千紘氏の言う、ドラえもんのストーリー、つまり困ったことがあれば、
それを解決する道具を使って解決すればいい、とのきわめて表層的なところでしか、
考えないというのもそうであろう。
 このようなことの前段階として考えられるのは、団塊の世代のニューエイジ思想
などの、マズローの考えや洗脳テクニックなどから来る様々なセラピーの、
葛藤や個人史の満たされなかったところを何らかのテクニックを用いて
解決して健康になる、高みを目指すなどのものがあるのだろう。
個人を歴史や社会から切り離して考えることの影響だろう。