マチンガのノート

読書、映画の感想など  

怪物 監督 是枝裕和 出演 安藤サクラ 永山瑛太 田中裕子 感想

2024-01-08 00:06:37 | 日記

タイトルから少年犯罪の映画と思ってみましたが、全く違いました。

【あらすじ】

シングルマザーの早織(安藤サクラ)は湊(黒川想矢)と二人で暮らしていますが、湊に不可解な言動や行動があり、

さらに湊が怪我をしているのを見つけたので、何があったのかを聞くと、担任の教師の保利道敏先生(永山瑛太)に

暴言や暴力を振るわれていると聞かされたので、学校に話し合いに行きます。

しかし校長(田中裕子)や周囲の教師も誠意のない対応をするので、不信感をつのらせたため、

学校側との関係が悪くなってきます。

その後は保利先生の視点や湊の視点で何が起こったのかが描かれていき、実際に何が起こったのかが、

解ってくるのでした。

【感想】

母親や教師、子供の視点で物語が描かれていきますが、それぞれの視点から見るとそれぞれ出来事が違う点は、

「羅生門」を思い起こさせました。

思春期の同性愛的な関係と、それに戸惑う湊がうまく描かれていました。

子役のキャスティングがよいこともあり、思春期の子供の揺れ動く心が上手く描かれていました。

最後に伏線が上手く回収されているので、カンヌ映画祭で脚本賞を取ったのも納得の内容でした。

映画『怪物』予告映像

 


映画 イチケイのカラス 出演 竹野内豊 黒木華 向井理 感想

2024-01-07 00:46:03 | 日記

テレビドラマの映画版ということであまり期待して見ませんでしたがいい映画でした。

【あらすじ】

岡山県瀬戸内の裁判所に異動した入間みちお(竹野内豊)ですが、防衛大臣への傷害事件を担当することに

なりますが、事件の原因となったイージス艦の航海記録を取り寄せようとしたところ、圧力が掛かり、

担当を外されます。元同僚の坂間千鶴(黒木華)は裁判官の他職経験制度により、弁護士として働き始めます。

そして地元の大手企業の秘密に迫っていくことになるのでした。

【感想】

最初の方の演出の軽さで、内容には期待していませんでしたが、結構深い内容なのが意外でした。

傷害事件のことを調べようとすると上層部から防衛機密を守るために左遷されたり、

環境汚染を調べようとすると地元の人から妨害されたりしますが、それぞれが理由があることが描かれていて、

単なる勧善懲悪になっていない所が良かったです。

国民の多くが防衛問題に関心を持つようになったり、地方で大手企業の工場が閉鎖されると、

多くの人の生活に関わることが知られるようになったことが、この映画の内容に反映されていました。

黒木華さんの役柄が単なる綺麗な女優さんというものではないところと、竹野内豊さんの

飄々とした演技でバランスが取れ、内容が深刻になりすぎず、いい映画になっていました。

 

【予告】映画『イチケイのカラス』


ウイング・アンド・プレイヤー 監督 ショーン・マクナマラ 出演 デニス・クエイド ヘザー・グラハム 感想

2024-01-02 21:32:05 | 日記

 

実話を元にした映画ですが、普通の人が突然意外な困難に出会う事がうまく描かれていました。

デニス・クエイドさんを映画で見たのは久しぶりですが、普通の人の役を上手く演じていました。

内容的には、いかにもアメリカらしい映画だと思います。

【あらすじ】

薬剤師のダグ(デニス・クエイド)は、兄とセスナ機で遊覧飛行したり、家族とバーベキュー大会に出たりして過ごす、

アメリカの地方に住む男性ですが、ある時、家族と双発の小型機に乗った際に、パイロットである機長が急死します。

他に操縦できる人はおらず、なんとか無線で飛行場と連絡を取り、暴風雨が迫ってきているなか、

管制官に操縦の仕方を聞きながら、飛行場を目指すのでした。

【感想】

ダグは冒頭、遊覧飛行の際に少し操縦桿を握らせてもらいますが、それもふらついていて、とても免許など

取れそうにもないことが描かれていて、普通の人であることが解ります。

家族とバーベキュー大会に参加したのち、ホームレスの人達に焼いたものを配っているところなどは、

いかにも気のいいアメリカの地方の人という感じでした。

このようなところは、豊かな国であった期間が長いからなのでしょうか。

管制官たちですが、すぐに協力して対応して、自分の知り合いでダグたちの乗っているものと同型の飛行機に

詳しい人に連絡を取るところなどは、シンプルで気のいい人たちを上手く描いていました。

海の上で飛行機を操縦していると、どちらに向けて飛んでいるのかが分からなくなるなどは、

それなりに知識のある人しか解らないことなのでしょう。

シンプルな映画ですが、あれこれ詰め込まずに描いたところが上手いと思いました。


ロスト・フライト  監督 ジャン=フランソワ・リシェ 出演 ジェラルド・バトラー マイケル・コルター 感想

2024-01-01 21:33:31 | 日記

最近いろいろ出ているジェラルド・バトラーさんですが、こちらも戦う映画でした。

これまでアラブや南米を舞台にした同様の映画はいろいろ作られていますが、こちらはフィリピンの島が

舞台となっているところがこれまでとの違いでしょう。

【あらすじ】

元英空軍のパイロットだったブロディ・トーランス機長は、悪天候の中シンガポールを東京に向け飛び立ちますが、

途中、落雷により電子機器が故障します。そのため着陸する所を探しますが、見知らぬ島しかありません。

なんとかそこに不時着しますが、そこは分離主義者が支配する、フィリピン軍でも入ってこられない

島なのでした。

一方、飛行機が行方不明になったため航空会社の重役たちは、メディア対策をするとともに、

救出部隊を派遣することも検討するのでした。

【感想】

かなり緩く作られた映画になっていて、旅客機に乗る移送中の犯罪者が刑務所に入るのを免れるためにフランス外国人部隊に

入っていた人物だったり、それなりの数のいるゲリラたちが、どんどん救出部隊に倒されるところは、

気軽に見られる作り方でした。

 

劇中出てくる救出部隊は、民間警備会社の元軍人のチームという事なのか、サプレッサーをつけた小口径ライフルなどの

装備を使っていて、現代戦の映画では定番の格好をしていました。

チームで動きながらどんどん敵を倒していって、さらにバレット・ライフルも活躍するので、ミリタリー好きには

受けそうな演出でした。

ユーチューブなどでは、米兵がイラクでセミオートでバレット・ライフルを撃ちまくる映像がありますが、

こちらでは手動で装填して撃っていました。

気軽に見られる飛行機遭難・救出アクション映画でした。

【予告】『ロスト・フライト』