今、はまっている百田尚樹の時代小説です。
百田尚樹のすごいところはジャンルの幅が広い!
百田尚樹は100人いるんじゃないかと言われているそうですが、
確かにそういううわさが流れるのも納得できてしまうぐらい。
さてこの影法師、今まで読んだ時代小説とは違います。
登場人物のキャラクターなのか、百田尚樹のストーリー作りのうまさなのか、
時代は違えど共感できる部分が多くて、いつの間にか小説の中に入り込んでいる
自分がいます。
そんなわけで、時代小説をあまり読んでいない人にも読んでいる人にもお勧め。
登場人物は、頭脳明晰で剣の達人、将来を嘱望されたが不遇の死を遂げる彦四朗と、
下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一との男の友情物語。
彦四朗の生き方は、「そこまでしなくても…」という、彼なりの美学を追求した生き方
なのですが、その自己犠牲は涙ものです。
そんな自己犠牲を完璧にやり抜くだけの技術と能力を持ち合わせてしまったが故の
悲劇なのですが、彦四朗、かっこよすぎです。
文庫本の巻末の袋とじ部分は、「あーやっぱり」のシナリオ。
日本人の孤高な精神は美しいですね~。