仕事柄、派遣会社や人材紹介会社の担当者と仕事をすることが多いのだが、2社から全く異なる話を聞いた。
まずは、誰もが知っている大手派遣会社A社の担当者の話。
リーマンショック以来の長引く不況、採用凍結の影響は派遣業界にも及び、企業は派遣契約を切り、オーダー数も激減し、果ては派遣会社の社員もリストラされ、お先真っ暗状態。その上民主党の派遣改正案が通ってしまうと、職種によっては企業の直接雇用に切り替えなければいけないので、ますます厳しい状態になるとのこと。
「僕もどうしようかなぁ、と思っちゃいますよ」、と担当者が言うので、「だったらうちの会社で営業やる?」なんて、冗談とも言えない様な会話をしたのがつい数週間前。
ところがである。
今週会った、外資系の人材紹介会社は真逆の戦略をとっていたのである。
以前は人材紹介、ヘッドハンティングだけをやっていた会社だったのだが、数年前から派遣業も始めたらしく、担当者が営業活動にやってきた。
「ところでなぜ派遣のビジネスを始めたのですか?最近外資系の人材紹介会社さんで、派遣業をやっているところが増えてきたように感じるのですが、何か理由があるのでしょうか?」
「はい、当社は今年(2010年)は派遣社員が増えると読んでいるので、派遣に力を入れる事になったのです」
「えっ……。でもそれって民主党がやろうとしている方向性と逆行しているように感じますけど…」
「はい。でも今は正社員で仕事が決まる人は少なくなっているので、派遣でもいいと言う人が増えているのです」
「……」
どうやら民主党がやろうとしていることと、世の中の動きは全く正反対になっているようである。正社員の仕事が少なくなれば、派遣でもという人が増えてくるのは当然の現象。企業側にしてみれば、優秀な人材が派遣で採用できることになる。
日本の大手派遣会社は、派遣業に未来はないと嘆き、外資系人材会社は、派遣業にチャンスがあると読んでいる。
どっちが正解なんだろう…。
世の中の動きを読むのは本当に難しい時代。
メディアの一辺倒の情報に流されないように、常に「本当かな」と疑いの目を持っていないと、間違った方向に行ってしまうことを、身近に感じてしまった。
物事には必ず二面性があると言うけど、本質を見る目を養わないと、簡単に騙されちゃいます。人相悪くなりそうだけど、それぐらい疑って見たほうがいいのかもしれないですよね、この時代。
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