世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

滋賀県埋蔵文化財センター(3)

2022-11-23 08:14:38 | 博物館・滋賀県

<続き>

今回は”古墳時代の逸品たち”とのテーマで展示されていた品々を紹介する。

金銅製単龍環頭太刀柄頭 古墳時代後期後葉 北牧野2号墳

人物埴輪 近江八幡・供養塚古墳 顔には刺青がある所謂鯨面である

鳥形埴輪 高島市・妙見山C-1号墳 尾羽の形から水鳥ではなく鶏であろう

獣帯鏡 長浜市・北山古墳 朱雀・玄武・青龍・白虎の四神をみる

北陸産の石材とのこと、北陸産それとも石材を入手して長浜で加工したか?

ビールジョッキのように把手付の碗である。水飲み用か濁り酒用か。

土師器 大津市・皇子山古墳

装飾付壺(須恵器) 近江八幡・岡山城遺跡

ミニチュア炊飯具 大津市・嶽古墳 オリジナルは朝鮮半島渡来

木製の鐙で馬具の一つである。煌びやかさはないので持ち主の身分は中ぐらいか?

以上で古墳時代の展示品紹介を終える。尚、歴史時代の出土品も展示されていたが、個人的にはあまり興味がないので、これにて終了する。

<了>

 


滋賀県埋蔵文化財センター(2)

2022-11-21 08:50:30 | 博物館・滋賀県

<続き>

今回は、50年の間に発掘された弥生時代の展示品を紹介する。

この手焙形土器は、その形から手焙りと名づけられているが、未だに用途不明とされており、近江のみならず全国の弥生遺跡より出土する。やはり手焙りであった可能性も残されている。冬の竪穴式住居では囲炉裏の焚火が欠かせなかったが、炭を入れ暖をとっていたであろうか。

近江は民俗学の宝庫である。野洲の湯ノ部遺跡からは、写真の出土した木偶には男根が表現されている。野洲にほど近い栗東の上砥山には”オッタイ・メッタイ”と呼ぶ山ノ神の木偶(ココ参照)が存在する。土俗信仰以外の何物でもないが、その源流は当該弥生期の木偶の祀り(まつり)であろう。

この小さな銅鐸は、銅鐸の模造品の可能性が指摘されており、やはり祭祀に用いられたと考えられる。

以上で弥生時代の発掘品の紹介を終える。

<続く>

 


滋賀県埋蔵文化財センター(1)

2022-11-20 08:45:04 | 博物館・滋賀県

過日、滋賀県埋蔵文化財センターに行くと、発掘50年史として”滋賀をてらした珠玉の逸品たち”として、50年記念の展示会が開催されていた。その展示品を縄文時代の遺物から時代順に紹介する。従って発掘年はバラバラである。

旧石器時代の出土品が1点展示されていたので、それを先ず掲載する。

(関津遺跡出土)

以下、縄文時代の遺物である。時代は現在から15000年~2500年前の品々である。

う~ん。親指サイズとは恐れ入った。身に着けて護符にでもしたであろうか。

琵琶湖周辺の遺跡から30艘の丸木舟が発見されているという。

近江八幡市 竜ケ崎A遺跡出土

玦状耳飾り 近江八幡市 弁天島遺跡出土

逸品4 土偶 大津市粟津湖底遺跡

逸品5 鯨面土偶 守山市赤野井浜遺跡

逸品の番号と紹介順が順不同であることをお断りする。

<続く>

 


高島歴史民俗資料館(3)

2022-09-05 08:31:29 | 博物館・滋賀県

<続き>

西近江・高島の地は、継体大王に繋がる処であり、古墳時代に花開いたと思いがちだが、縄文時代から連綿と人々の営みが続いた先進地であったと思われる。その縄文時代の出土遺物である。

砂岩製石冠は何ぞや。キャップションによると、縄文晩期の石器で、上部に尖頭を持つことから、冠を連想して命名されたとのこと。日常の生活用具ではなく、呪術や儀礼用具と考えられるという。出土地は東日本で特に岐阜県に多いとのこと。彼の地との交易を思わせる。いずれにしても、縄文時代の石冠は初見である。

<続く>