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チェンマイ県メーアイ郡のワット・ソムスク古代遺跡

2022-03-25 07:58:29 | 古代の北タイ

過日、ChiangmaiNewsをみていると、チェンマイ県最東北部のメーアイ郡にスコータイ文化の影響を受けた、ワット・ソムスクなる古代遺跡(実際は中世の遺跡)が紹介されていた。ソースはタイ芸術局第7支所である。以下、記事の抜粋である。

プラテップ・ペンタコ氏は、チェンマイ芸術局第7支所が発掘調査の結果を報告したことを明らかにした。ワット・ソムスクの古代遺跡、それはチェンマイ県メーアイ郡マリカ地区でその平野で最大の古代遺跡と見なされている。スコータイ文化の影響は600年以上前に古代ランナーの土地に広がったが、その証拠がみつかった。2021年度のワット・ソムスクの古代遺跡を発掘するプロジェクトは、2015年の第1段階から継続している。(タイ文字の黄色ピンがその位置である。)

メインのチェディはベル型で、ベースを象が囲んでいる。大きな寺院と他の約10の大小の建物の改修の痕跡を3回見つけることができた。

カオカムスクリプトの碑文は、アンスリウムレンガのスラブにも記されていた。長方形のレンガ1〜2文字とテキストの両方で刻まれている。ワット・ソムスクはタイで最も碑文が刻まれた寺院であると言うことができる。当初、考古学者は、見つかったレンガの碑文を2つのグループに分類した。ほとんどは人の名前を示しており、おそらくレンガの提供者を指している。 1〜2文字で書かれたグループで、主にアンスリウムのレンガに見られ、建物の柱を構成している。

すべての碑文はまだ古代言語の専門家によって研究されており、公式の研究報告は後で最終決定され予定である。2021会計年度に、タイ芸術局は考古学的発掘と研究を完了するために110万バーツの追加予算を承認した。より完全な歴史的および考古学的研究の結果を拡大するこれにより、将来的には地元コミュニティの文化観光の観点から、メーアイ郡の人々のさらなる経済的価値の創造につながることが期待される。

古代ランナーの地域は、ランナー様式の文化一色ではなく、スコータイ文化の影響を受けていた証拠が発掘されたことになる。とすれば、スコータイにランナー文化の影響が及んでいたであろうか。

メーアイ郡は、スコータイからの直線距離で350kmほどである。中世の人々は、今日のような交通機関はなかったものの、交易や往来が存在していた。話しは飛ぶが義経を匿った奥州藤原氏は、結果として滅亡したが、その奥州に京文化が移植された。双方には直線距離で700kmの開きがある。古代や中世の人々にとって、距離はものとしなかったのである。

<了>