世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

MLCCを攻める村田製作所

2023-12-28 08:48:46 | 村田製作所とTDK

話が古くて恐縮ですが、過日村田製作所のHPをみていると、北陸新幹線越前駅前に用地を買収して研究センターを建てると云う。投資額は350億円とのことココ参照

村田製作所HPより転載

退職したのは、15年前とは云え当時の内情を全て記載することはできないが、過去の話を記してみる。

MLCCの商品開発は、村田製作所本社部門というより福井村田製作所が担っていた。生産技術は本社生産技術部門と福井村田製作所生産技術部門、出雲村田製作所生産技術部門で行い、テリトリーは厳然としていたわけではなかったが、本社は主要工程の設備群開発と量産、福井村田製作所は工法開発と試作機開発 、出雲村田製作所は補助工程の設備関連 、Hi Voltage MLCCの工法開発と試作機開発であった。但し現在はどうなっているか知る由もないが。

その福井村田製作所に研究センターを建設するとのこと。いよいよ商品開発と工法・設備開発に本腰を入れるものと考えたい。福井県人はアイデアをものにするのに長けており、その成果に期待している。今後を見据えれば、少子化で生産性向上が不可欠である。生産性向上の画期的な工法開発が進むことを期待している。

現在の世界シェアは42-43%程度と思われるが、それを盤石なものにして欲しい。

今年も認証取得の為のデータ不正改竄 、出荷検査データ捏造事件が続いた。世界の先端を走る電子部品業界で、このようなことが発生すれば、日本沈没に拍車がかかる。業界関係者、特に経営者層の自覚を求めたい。

<了>


最近見たオークション出品の東南アジア古陶磁・#47

2023-12-25 08:33:05 | 東南アジア陶磁

久しぶりに、最近見たオークション出品の東南アジア古陶磁について記事にする。相も変わらずコピーのオンパレードであるが、これはと思う2点である。

先ずは、ミャンマーの褐釉牛頭人身戦士像塼である。背面の写真が掲載されていないのでコピーか本歌か、もう一つ判断できないが、本歌のように見えなくもないが、どうであろうか。最低落札価格が6万円台であったので、手をだすにはやや抵抗がある品物だ。背面の写真も掲載しいものだものだ。本歌であれば13世紀ころの塼と思われる。

2点目はサンカンペーン陶磁・褐釉印花双魚盤である。ありふれているが本歌で、この手は大量に焼成されたようである。近年数多く出品されているので、2万円以下が妥当か。

それにしても、コピーのオンパレードである。<写し>とでも記載されていれば良いが、14世紀とか15世紀とか記されている。悪く云えばサギそのもだが、押しつけでも何でもないので、結局落札者が泣き寝入りするしかない。くれぐれも慎重に。

<了>

 


八女市岩戸山文化交流館・1

2023-12-21 09:52:35 | 博物館・福岡県

岩戸山古墳と云えば筑紫君磐井で、男大迹王とともに6世紀前半の歴史上の立役者である。これらのことについては古墳を紹介するなかで触れたいと考えている。まずは交流館の展示物を紹介する。

今できの石像が出迎えてくれる。

縄文時代からの遺物が展示されていたが、それは省略して弥生時代の遺物を掻い摘んで紹介する。

先にも記したように、遺物の紹介は省略する。

北部九州と同じように甕棺が用いられていた。次回から古墳時代の展示物を紹介する。

<続く>


広川町古墳公園資料館(4)・弘化谷古墳

2023-12-18 08:55:30 | 博物館・福岡県

弘化谷古墳は装飾古墳として名高い。築造は6世紀中頃とされ墳丘径39mの円墳で、周濠・周堤を含めると約55mの大型墳となる。

古墳発見時、石室の三分の一は破壊されていたと云う。石室の奥壁には、同心円文・鋸歯文・靫(ユギ)・双脚輪状文が赤と緑で描かれている。双脚輪状文と云えば、天理市荒牧古墳出土の双脚輪状文埴輪が著名で、絵画・埴輪ともにその出土例は極めて少ない。その一つが和歌山・大谷古墳出土の双脚輪状文埴輪(ココ参照)で、それは人物埴輪の頭部に被せられていた。その様子から悪霊が侵入するのを防止するための癖邪文と考えている。装飾古墳の壁画では、王塚古墳の双脚輪状文(ココ参照)が著名である。そこにも多くの癖邪文と共に描かれており、当該弘化谷古の双脚輪状文も同様な意味を持つものと考えられる。

出土品は、耳環・管玉・鉄鏃・土器等で、墳丘の規模などから被葬者は筑紫君磐井を支えた有力者と考えられ、内部施設が肥後系であることから、被葬者は肥後とのつながりが想定される。それにしても壁面を覆い尽くすように描いたものだ。想像ではあるが石室を築いた後に描いたものと考えられるが、明かりはどうしたであろうか・・・・等々空想するのも面白い。

<了>

 


広川町古墳公園資料館(3)・石人山古墳

2023-12-14 08:25:12 | 博物館・福岡県

<続き>

今回は、古墳公園資料館の石人山古墳出土品と石人山古墳について紹介する。

石人山古墳は、石棺が浮彫りで装飾されていることから装飾古墳と云われている。装飾古墳については、不定期連載として過去10回分を記事にした(ココ参照)、参考にして頂ければ幸いである。

石人山古墳の墳長は116m。早くに盗掘を受け、後円部中央に半壊状態の横穴式石室がある。武装石人は、後円部と前方部の境付近に設けられた石人堂に収められている。横穴式石室と内部に構築された阿蘇凝灰岩製横口式石棺、そこに浮彫りにされた装飾が名高い。

石人山古墳

石人山古墳は、採集された埴輪や初期須恵器から5世紀前半の築造である。この時期の古墳としては、北部九州最大規模で南筑後の盟主であったと考えられ、筑紫君磐井の祖父の墓であろうと云われている。

<続く>