世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

いつまで続くKLの中国正月?

2015-02-28 17:02:14 | クアラルンプール
 春節は2月19日であった。ショツピングモールのデコはまだ撤去される様子はない。滞在しているSomerset Ampangは、本日(2月28日)中国式の獅子舞で新年を祝うというインビテーションが部屋に届いた、ロビーで開催するという。獅子舞の後、簡単なティーパーティーとのこと。2月19日以降10日も経過している。日本人と云うか、当該ブロガーには彼らの時間感覚が計り知れない。





 上の5番目の写真を見ていただきたい。獅子に一つだけ角が生えている。獅子と云えば、日本では狛犬である。
 平安時代以降、獅子を左、狛犬を右に置き、獅子は色黄にして口を開き、狛犬は色白く口を閉じ一角ありとされた。写真の獅子舞の獅子頭も一角である。
 一角獣の分布をみると、多くの古代文明がこの存在しない、聖獣と関係しており、中国大陸のみならず、インド・中東とヨーロツパにも登場する。ヨーロッパのユニコーンはインドに由来するとされている。中国の麒麟、獅子の一角獣とどのような関係があるのか、明らかではない。
 何やら聖なるものは一角のようであり、目出度さの象徴である獅子舞の獅子頭も一角であろうと、勝手に想像した次第である。


時効か?ナーン窯・鉄絵象文盤

2015-02-26 11:02:53 | 北タイ陶磁
 このような時効があるのか、ないのか? 数年前、インターネット・オークションにナーン窯の鉄絵象文盤が出品されていた。


 一見して後絵の盤と思われ、器胎はサンカンペーンの所謂<犬の餌鉢>である。これに象文様の後絵を施したものと思われる。
 出品者のコメントを記載しておく。少々長文だがお許し願いたい。「この作品はオムコイ出土のサンカンペーンの作品として、長年コレクションして来ましたが機会があり、再度譲り受けたコレクターに聞くと当時は、オムコイ出土としてお譲りしたが、実はナーンの高貴な寺院から発見されたもので高台に朱が塗られて、作品は王宮向けであり、王宮から寺院に奉納されたものであろうとの見解でした。
 私もこの話を聞き再度ナーン窯を調査しました。35年前には窯址は整備されておらず、村長さんが破片が散乱する窯址を案内頂き破片も採取してきました。
 今ではバン・ボスアック村に窯址博物館が国立と個人で2つの博物館ができており、この写真を見せて鑑定頂くと、この作品はこの窯で13-14世紀に焼成されたランナー・アートの作品であるとの鑑定でした。そして市内にあるナーン博物館の意見を聞くと象図はナーンの象徴であり、世界で唯一の黒象牙が、この博物館に展示されており、写真で鑑定頂くと同じ破片があり、高台に赤い朱が施された作品の類似の作品がある事で、ここではナーン窯として出品させて頂きますが、タイ北部窯はランナータイ以前にも古い窯址も発見されており幻の窯として今後の研究を待ちたい」
・・・とのコメントである。
 1.個人の品、しかも写真で国立博物館の職員が鑑定するなどあり得ない
 2.ナーンの高貴な寺院のコレクションが個人に譲られることなどあり得ない
 
 出品の写真を見ると、貫入が見られない。土銹痕もない。伝世品なら土銹痕がないのは理解できるが、500-600年の時代錆はみられず、昨日焼きあがった姿である。また鉄絵の象がリアルすぎて本当?との印象である。また象の印花文は見るが、鉄絵文様はタイ北部窯の盤で見た覚えがない。
 このような?の品を出品するのは、如何なものであろうか。出品後数年が経過したので、そろそろ時効であろうか?時が経過したので記事にしてみた。

半端ない春節デコ

2015-02-25 10:01:22 | クアラルンプール
 KLはブキビンタンのPavilion Shopping Complex、ここの中国正月デコは半端ではない。中華系マレー人の当地での経済力は相当なものである。そのパビリオンのメイン・テナントは百盛(Parkson)で、全国展開し、最近は近隣諸国に進出している。それもあってか、ド派手な演出である。先ず今年のデコを御覧願いたい。



 たまたまであるが、昨年も当地に3カ月滞在していたが、その時のデコも写真に写していた、それを下に掲載する。



 派手さにかけては、どちらもド派手そのものであるが、毎年毎年意匠は当然ながら異なるようだ。しかし紅色と金色で色彩は変わり映えしない。中国とマレーシアは異なる国であるので、もう少しマレーシアらしい配色にできないものであろうか。

 

バンコク国立博物館 #2

2015-02-24 08:48:09 | 博物館・タイ
 サンカンペーン陶磁3点を紹介したい。何れも完品ではなく、欠けたり断片である。それらを含めてもサンカンペーン陶磁の展示数は少なく、もう少し充実させて欲しいものである。


 上掲2点の鉄絵魚文盤は、よく見かける文様であるが、1番上の文様を写した後絵の盤が多々存在しているので、出会った時には注意が必要である。

 鉢の見込み中央の草花文の筆致と文様は稀にしか見ない。絵心のない素人による絵付けと考えられる。尚、破断面に見える土味はサンカンペーンそのものである。


バンコク国立博物館 #1

2015-02-23 10:05:39 | 博物館・タイ
 バンコク滞在中に国立博物館を見学した。場所は王宮、エメラルド寺院が立ち並ぶ一角で、タマサート大学の隣である。

 正門を入って左側がチケット売り場、入館料は外国人で200B、タイ人は半額。この2重価格は随分少なくなったが、ここではまだ健在である。
 順路に従って、先ずあらわれたのが、ラームカムヘーン王の碑文である。スコータイではなく、ここバンコク国博に展示してある。推測だが多分タイ王国の国宝1号であろう。


 はっきり云って国博のタイ陶磁の展示は貧弱に見える。先に紹介したバンコク保険会社博物館、Southeast Asian Ceramics Museum等の私設博物館の展示に優品が多く、かつ充実しているからである。下の写真は所謂MON陶で、白化粧が乾燥しないうちに、文様を掻き落とししたものである。よく見かける文様である。

 次はカロンの盤である。見込みには4弁の花文様でカベットには花弁が取りまいている。注目すべきは、見込みに厚くかかった釉薬で、きれいな透明感の強い青磁釉である。これほど透明感のある青磁釉は、シーサッチャナラーイの盤でもあまり見ない。

 あまり紹介する陶磁はないが、次回はサンカンペーン陶磁を紹介する。