飄(つむじ風)

純粋な理知をブログに注ぐ。

官僚・警察腐敗!勘違いが支える日本

2014-11-13 10:32:16 | 竹原信一元市長

国家非常事態対策委員会 2014 1023 ベンジャミン&竹原元市長
の続きである・・・。
これほど赤裸々に語られる官僚・警察腐敗は珍しい!
およそ想像はしていたとは言え、
それを絶する腐敗ぶりである!
ほとんど警察というより、
犯罪組織、あるいは犯罪支援組織である!

 

にも関わらず、市民に対しては、防犯指導をするが、あれは別の顔か?

あるいは、

昨今、暴対法(暴力団対策法)についての対応が喧しいいが、

警察庁の表向きの顔で、現場は逆の動きをしているということか?

暴対法の適用最近辺は警察そのものということになる。

 

警察腐敗は、ずっと前から想像していたが、

その域を大きく超えている・・・。

嘆かわしい!


 

その中で、本来の刑事魂を貫き通した一人が、

飛松五男元警部補であろう。

生の体験に基づく告発が、

読み手を捉えて離さない。



 

【転載開始】前阿久根市長・竹原信一×兵庫県警元警部補・飛松五男

 政治・行政・社会などあらゆる面で日本がおかしくなっている。前阿久根市長の竹原信一氏と、兵庫県警元警部補で警察組織 の腐敗と闘い、事件捜査・犯人逮捕に命を賭けてきた飛松五男氏が対談し、日本社会の現状と官僚・警察組織の腐敗をテーマに語り合った。2人は阿久根市出身 の同郷。市長、警察官それぞれの立場で、あらゆる抵抗に立ち向かって、「住民のために仕事をする」組織への変革を追求したケンカ魂が共鳴した。

(司会・文・構成:山本 弘之)

第4回 姫路バラバラ事件

<一般家出人は捜査しない>

兵庫県警元警部補 飛松 五男 氏 飛松  僕が現職の時から、警察の腐敗を告発してきたのは、本来の警察のあり方に立ち戻ってほしいと願うからなんです。警察組織に集中している情報のすごさという のは、総理大臣なんかすぐ首にできる。そのくらいの情報が集まるんです。そういう情報を集中させるシステムにしたのが、カミソリ後藤田さん。日本の警察 を、ええか悪いか別として確立したのが、後藤田正晴さんで、官房長官、副総理を歴任後、不祥事続きの混乱のとき、5人の委員の顧問として、実質的に緊急提 言の9項目をつくった。後藤田さん自身が現在、生きていて、警察組織に手を入れていたら、このような自堕落な警察にはならなかった。もっと悪いようになっ とったかもしれないが、強い警察が維持できた。今は政治家として警察官がようけ入っているが、その人らは、中途で警察を辞めた人やから警察の実際のところ を知らない。捜査の現場をキャリアは知らんでもいいんやけど、警察のなんたるかを知らない。後藤田さんの場合は、本人が全部やったんじゃないけど、いろん なことを全部集中させて、指揮をとっていたから、いろんなことができ、強い警察をつくった。

 竹原 いちばん危険な警察にしてしまったのが後藤田?

 飛松 というか、後藤田さんでなければ、できんかった。しかし、後藤田イズムをそのままい こうとするから、盗聴法や特定秘密保護法をつくり、権力だけを強め、危険だし、アンポンタンなんです。とにかく、警察が捜査を真剣にやって、情報を捜査に 使うて調べたらすぐ分かるのに、捜査らしい捜査をしなかったのが、姫路のバラバラ事件や。僕が辞める直前で、まだ現職でした。管轄外だったけど、相談を受 けた。姫路市の夫婦の長女のM子さん(当時23歳)が行方不明になったが、警察が捜査してくれへんので、相談に乗ってくれと、僕の知人を通じて頼まれたん です。警察は一般家出人というのは捜査しないんです。捜査しないのが当然です。受けたら書類に書くだけ、「はいはいはい」と、名前はだれそれと書いて、そ れで「写真ちょうだい」と、写真をパチンと貼ったらおしまい。写真を貼らん時もある、のりをつけたら手が汚れるじゃないですか。

 竹原 手が汚れるから、ですか?

 飛松 そのくらいなんですよ。生活安全の人は。写真も裏にのりがついたのならパッと貼れるから、「のりがついたのを持ってこい」と言うのもおる。その程度だから国民のためにならないんです。

<姫路バラバラ事件の闇>

 飛松 姫路のバラバラ殺人事件は、そんな奴らが受理したんです。 当時は、特異家出人と言うていて、今は、特異行方不明人ですが、特異家出人というのは、本部長まで報告がいき、本部長指揮となる。ところが、まったく捜査 をしていなかったのに、県警は「特異家出人に指定した」と嘘を言ってる。本部長は県議会警察常任委員会で「指定されたのは知らなかった」と答弁しているか ら、嘘なのははっきりしている。捜査の怠慢を隠すためや。
 僕は、家出人を発見するのは兵庫県一の実績だから、人を通じて僕に捜してほしいと頼まれた。遺族の人は、もともとは僕に直接捜してほしいというのではな く、僕が警察におるから上司にごますって自分の娘だけを探してくれと言った。それは筋違いだから、わしはそんなことはせいへん、帰れと。ところがいっしょ に来た知人が「いや違うんや。飛松さんしかできんから、飛松さんのやり方でやってください」と言うから、僕は遺族に言った。暴力団使うな、裏の手を使う な、僕の言うことは、警察を信じなあかんけど、わしの言うことを聞けと、2つが条件で、探した。相談を受けた時に僕は、駅前で拉致されてどこかに押し込ま れているか、殺されているか2つに1つやと思った。押し込まれている分については傷つくなどしていても、命は助かるやないですか。捜査の途中で、これは殺 られているなと思うたら、案の定、殺られていた。

 竹原 なんでそんなことに?

 飛松 警察に言うても、警察は一向に捜さないし、担当者が両親にいろんなことを言うてまし たわ。「こんなのは1年間に1,200件、2,000件もくるんや、こんなもん受けられるか、書く欄がのうなったわ」とか。のりといっしょですよ、「手が 汚れるからそんなの貼れるかい」と、ホチキスで写真を止めたり、そんな人やったんです。ひどい話。今の警察は。
 それで、僕がいろいろ捜した結果、M子さんの「友人」だという「上田」と名乗った人物が高柳和也だと突き止めて、自宅を見つけた。早朝から周辺の聞き込 みをして、死に物狂いで捜査して、そこには複数の男と複数の女がおる、何人も女を家に入れているという情報を僕は得た。その前の12月25日には、その近 くでは強姦事件があった、それもこいつやと。それで、1月28日、明くる日の朝に乗り込んで追及しようと一晩中張り込んで、M子さんを救出しようと父親を 待っていた。そしたら、M子さんの父親が来て、「飛松さん、警察に頼んだから、もうええわ。ご苦労さん、飛松さんもう終わり」と言うから、僕は帰った。 「いっしょにやってくれませんか」というなら別やけど、「それやったら、二度と言うて来るな」と言いましたよ。それでも気になるから、「おったらおった で、連絡だけせいよ」と、近くの喫茶店で待っていた。

前阿久根市長の竹原信一氏 竹原 それで、警察官が見つけたんですか。

 飛松 ところが、待てど暮らせど父親から連絡がない。そこで僕が連絡したら、「いやあ、も う警察の人は帰ってしまいましたわ」と。「ええ?娘はおったんかい?」と言うと、「違う子がおったけど、娘はおりませんわ」。でも父親はもう頼まれへんか ら、僕は帰った。そんな状態でした。僕は絶対そいつが犯人だと思うとるからね。
 現場に行ったのは高井利男警部補ら2名の警察官だ。本人の確認もせんと、手錠をかけられて監禁されている未成年の女の子もおるんですよ。なんで助けよう とせんのか。あとから調べたら、警察官が来る前に、いわゆる覚醒剤注射して、乱暴された後やった。覚醒剤打たれてすぐだから、もうろうとしとった。室内に は覚醒剤やMDAやら山ほどある。覚醒剤のいわゆるポンプ、注射器もある。階段には、引きずったような血痕、壁にも血痕が飛び散っとる。それでも、最初、 警察官は何もせず帰ってしもうた。実際は2人の警察官は怖かったんですよ。
 そしたら奥さんが、何回となく頼みに来た。僕は怒っていましたが、僕を紹介した人が「飛松さん、頼むわ、頼むわ」と言うから、仕方なく僕があらためて 行って捕まえた。覚醒剤やっているかどうか、見たらわかるから。結果は、覚醒剤クロやった。女も覚醒剤されとった、「いまされた、助けて」と言う。助け て、一緒に警察に連れて行った。僕は、覚醒剤打たれた女の子は強姦監禁の被害者やと思ったから、「被害者届とってくれ」と言ったけど、逆に尿検査して後か ら通常逮捕してしまった。被害者なのに違うやろ。
 高柳和也を逮捕してからも姫路警察署・相生警察署は、M子や友達の2人の殺人事件は全然捜査せず、「2人は生きている」「リョウという名前で風俗で働い ている」と言うので、調べるとまったくの別人だった。僕と知人で2カ月間、2人と自動車を見つけるため、地元の兵庫県内はもとより、中国・四国・大阪・和 歌山・京都・愛知・東京と、毎日のように捜索した。色々な情報が入り、2人は高柳和也に殺されていることがわかっても、警察は僕に対し、「しょうもないこ とをするとクビにするぞ」「無事に定年退職させへんぞ」と脅迫し、さらには自宅の郵便物を1カ月盗み続けた警察の捜査ミス、捜査怠慢は警察史上最悪です。
 不祥事を起こした被害者対策の捜査一課の捜査員は警部補やったんだけど、捜査ミスをして、事実を隠蔽し捜査を歪曲した、その功労で警部になって、所轄の 刑事課長になって、警察庁に出向して、その後兵庫県に帰ってきて、角田美代子の事件の主任だ。来年4月は警視になりますよ。

 竹原 見事ですね。

(つづく)
【山本 弘之】

第5回 弱気をくじき、強気にへつらう

<住民に目向けず、ドブ掃除にも出ない>

 飛松 警察官というのは、実際の常識を知らない。住民に目を向けていない。それに、いろんな会社関係、外郭団体行っても、1つも話ができないんです。そういう人が署長になるんです。警察内部の丸暗記のことは知っておったかもしれないが、世の中で全然値打ちがないんです。

 竹原 どんな感じなんですか。

 飛松 僕が知っている公務員、とくに警察官ですが、いわゆる地域で溝掃除があるじゃないですか。1つも参加しない。

 竹原 警察官が?

 飛松 というのは、うちらの近くね、警察村というくらい警察官がようけおるんですよ。署長 はじめいろいろな警察官がいるが、地域の行事には1人も出てこん。「溝掃除にご主人出てください」という慣例、良い習わしがあるやないですか。ずっとは出 んでもいいけど、1回も出ない。家におるんやから、普通行くやないですか。僕は一応、巡査部長という警察組織の末端でしたけど、あちこち住民から相談があ るし忙しいんです。でも僕は寝る時間を割いたら、なんぼでも時間があるやないですか。僕は結婚した当初からそこにおりますから、ずっと参加している。

<警察官が犯罪の現場を怖がる>

police 飛松  そういう常識を知らない警察官が、一般人に対してはすごくえらそうにしていますよ。そやから僕にしてみたら、一般人には優しくせい、悪い奴には厳しくせい と。僕は常に言うとるんですよ、警察官はみんないろいろ言うけど、実際に現場に行ったら怖いんですよ。僕ももちろん怖いときありますよ。でも、警察官やか ら、その怖さを乗り越えてやらなアカンときがあるんですよ。姫路のバラバラ事件で、最初に高柳の家に行った高井利男警部補ら2名の警察官が何もせんで帰っ たのは、怖かったんですよ。卑怯者です。

 竹原 怖いんですか。そんな腰抜けなんですか。

 飛松 そんな腰抜けなんです。警察官というのは、弱きをくじき、強きにへつらう奴。

 竹原 なるほど。

<誤認逮捕したら、ハラ切る覚悟>

 飛松 これが今の警察官の姿なんです。僕が刑事になった当時は、 命懸けで仕事する、人命を救出し、盗まれた物を被害者に返す。組織のために働くんじゃなしに、被害者の側に立って、犯人を捕まえる。被害者と遺族の無念を 晴らすんやというのが当たり前やった。そういう先輩の姿から学んだんです。だから、100万人検挙しても、1件でも誤認逮捕したら、ハラ切って死ぬ、例え ではなく、ホンマに死ぬ覚悟やった。

 竹原 それは、鬼気迫りますね。

 飛松 僕は、切腹用の刀も用意して、いつでも腹を切れるぞと。それが刑事魂や。結婚してか ら毎年正月に、僕は家族あての遺書と、所属長に退職願いを書いて、いつでも死ねるようにしとったんです。そのくらいの気持ちでせな、仕事は、とくに警察の 仕事は駄目だと思うんです。僕は、令状請求することと、逮捕することは違う。令状請求しても、こいつはホシと違うと思ったら逮捕状を執行しなかった。それ と、勾留するのも別行動、勾留したら検察庁の身柄になる。警察は48時間だけ、勾留した場合は本来ならば拘置所に入れる。警察の留置所に入れたらアカンの ですよ。代用監獄法とかいろんな法律によって、警察の留置所に入れとるんだけど、そこらへんを原則通りしたら冤罪もなくなる。僕自身は、別件逮捕は別とし て、本件では誤認逮捕は一切ないし、すべて自供させました。自供させただけやないで、本人が「すみません」と言っても、すべて裏を取って、違う奴はすべて 白にしました。

<やってなくても自供する>

 竹原 自供しても本当は犯人ではないケースがある?

 飛松 そうです。自供したらその日に裏をとる。たとえば、殺人事件で、別件で逮捕するやないですか。その頃は、僕らの時代は別件逮捕がものすごく多かった。別件で調べて、殺人を調べると、自供するんですよ。

 竹原 してないのに?

 飛松 してないのに、涙流して、鼻水流して、「やりました。すみません、すみません」と言うんですよ。それくらい厳しいし、いろんなことを駆使した取り調べの技術があるんですよ。

 竹原 ちょっとやってみます?

 飛松 市長は無理かもしれんね。これは、1週間あればきっちりいけますよ。

 竹原 どんな人間でも?

 飛松 どんな人間でも全部。

 竹原 やっていないことでも?

 飛松 やっていないことでも全部自供しますよ。サンズイの汚職事件の人は、やっていないこ とでも本当に見事に自供します。上司がやった役割を見事にしゃべる。係長はここまでの役割、課長はここまでの役割、部長は部長の役割あるじゃないですか。 警察は、局長や市長までいきたいやないですか。そういう目標でいくんですよ。係長、課長の奴やったら、部長、局長、市長までいかれへんから困るんです。そ こらあたりを「ご苦労さん、ご苦労さん」「お前はここまでやろ」と、うまいこととりなして、聞くんですよ。密室やと言われてるんですけど、それくらい刑事 というたらプライドも高いし、調べの技術もすごかったんです。

 竹原 けっこう裏金とか悪いことをしていてもプライドが高いんですか?

 飛松 そういう厳しい刑事は裏金なんかないんです。そやから上にも上がれない。きっちり仕 事をしている人の割合が昔は多かった。「俺は署長にならんでも刑事になっていればいい」と。市民のみなさんも、刑事として評価してくれた。住民の人が「あ の家は刑事さんや」と、家族も含めて、巡査であっても刑事だからみんなの評価は高かった。給料もそんなに変わらへんし。仕事をしたら、捕まえたら捕まえた だけ実績にスライドして手当もつくやないですか。だから、刑事をしていればよかったんです。警察は階級社会で縦社会、ピラミッド型です。最近なぜか階級の 乱造でドーナッツ型になっています。ごますり野郎が蔓延しています。

(つづく)
【山本 弘之】

第6回 裏金づくりを告発、報告

<裏金作りの手口>

 竹原 飛松さんがこれまで告発してきた裏金づくり、それでも警察は認めないんですか。

 飛松 僕は現職中も、警察の内部でも組織を通じて言うし、いろいろなところでも言うてきた けど、結果として、黙殺された。たとえば、民間人の協力で犯人逮捕や盗品発見に導いた場合、「捜査報償費」が出る。ところが、報償費が5,000円出た ら、相手には半分の2,500円しか渡さん。残りの2,500円は裏金に回る。交通費やガソリン代といってウソの伝票を書く。会計には全署員の印鑑がある から、偽造なんか簡単や。経理上は交通費の実費が警察官に支給されたようになっているが、実際には裏金にする。こういうこともあった。市外に出ると、いわ ゆる旅費の2,500円が出た。運転免許課は、明石市と神戸市の間にあるんです。たとえば、出勤して制服に着替える更衣室は明石、働くところは神戸、逆で もいいんですよ、同じですから。たとえば年末の取り締まりで、市をまたいで行ったら、いわゆる旅費2,500円が支給される。僕は、パトカーで行くから、 旅費としてくれるのはおかしいと返したんですよ。会計が困ってしまい、「飛松さんもらってくれ」と。僕だって欲しいけど、理由のないものをもらうから裏金 と言われるんや。こういう裏金のない組織にしないといかんと返した。これは、本当は県の予算からは5,000円出とる。本人にはちゃんと5,000円渡し たことになっていて、差額の2,500円は裏金や。

 竹原 泥棒ですね。

 飛松 泥棒ですよ。そういうのを税金泥棒というんですよ。だから、警察は腐っとる。それか ら、兵庫県の場合は、運転免許課と、自動車試験場が一緒にあった。そこは広いから、職員の通勤用の駐車場をこさえておった。これ、OBの安全協会もある し、試験場も免許課もあるし、200台の駐車スペースがあった。1台月500円ずつ職員からもらっていた。それを全部、試験場長と免許課長がポッコに入れ ておった。転勤すると、何百万円と持っていった。県の土地を駐車場にする場合、届け出ないといけないが、それもしていない。

 竹原 やりたい放題じゃないですか。

<安全協会は天下りポスト>

対談する(左から)竹原信一、飛松五男の両氏 飛松  僕は、課長に、2課出身の課長やから、「お前横領やないか」と言った。いわゆる詐欺横領やないですか。それをした事務職員は、ものすごくどんどんと出世し た。僕は講習係をしたけど、講師で試験場に来るのは各所属長をした奴、刑事とか警備とか公安とかした奴が来る。安全協会は天下りに一番甘いところだから。 安全協会専務理事に天下りに来た北口というのは、グリコ森永事件を未解決にしたばか野郎ですよ。兵庫県だけですよ、警察庁広域重要指定された大きな指定事 件を未解決にしているのは。グリコ森永事件と、朝日新聞の赤報隊の事件。北口というのは、それをやった担当者ですよ。その後、西宮署長になった。安全協会 では、朝おはようと言って、歯を1日3回磨いただけで、月60万円もろうたんです。年60万とちゃいまっせ、月ですよ。安全協会の講習係にはほかにも飾磨 警察署長をした奴で警察署内で免許証を2回連続紛失した警備出身のアンポンタンのほか、悪さした奴がいっぱいいましたよ。そういうことをなくしたらいい。 交通の悲惨な現場を取り扱った人を、講習の指導員として再就職させたらいいんです。署長なんかは必要ない、その人は交通の現場なんか知らんのだから。

 竹原 ドロドロですね。

<パチンコ屋にタカる警察官>

 飛松 安全協会の専務理事、自家用車協会の専務理事、なになに協 会の専務理事というたら、そんなのです。天下りのポストなんです。それが本当に警察を悪くしている。良い警察官もいるけど、アンポンタンの人の割合が多く なるから危惧しているんです。子どもの教育にも良くないですわ。兵庫県の場合は、90%近くが現職中パチンコしていましたよ。今はコンピュータだからどう かわかりませんけど、昔は、警察官がパチンコ台をドンと叩いたら、パチンコ屋の店員が「あー」と言って、ダーッと玉が止めどもなく出てくる。それは、20 年前30年前の、プリペイドカードになる前ね。プリペイドカードにしたのも天下りのためにしたんで、警察庁の生活安全局の指示やった。キャリアが、ノン キャリアはパチンコ行って、ノンキャリアばっかりとってけしからんと。カード会社には警察が天下っとる。僕は、パチンコしないし、そういう人は嫌われるん です。

 竹原 警察組織から?

 飛松 そうですわ。交通指導課のとき、パチンコしない警察官は、僕のほか2人だけだった、 約150人いて。それと競馬、僕が当直中、「競馬買うて来い、買うて来い」ばかり言われた。競馬は日本国が認めているあれだけど、ほどほどにしないとアカ ン。芸能人が、競馬したりボートしたりして、さもええように言うけど、それはちょっと違うんちゃうと、僕は言いたい。やっぱり健全な娯楽とは言えない。そ うでないと子どもが育たないですよ、夢がないですよ。「今日10万持って、一発賭けて」と、そういう夢はあるかもしれへんけど、それをずっと続けていた ら、子どもの夢が育たん。

(つづく)
【山本 弘之】

第7回 「集金、集金」暴力団からみかじめ料

<暴力団との癒着、「集金集金」>

 飛松 パチンコ屋の話なんかかわいいもんや。暴力団との癒着は日常茶飯事や。署長なんか、庭の庭木なんか暴力団からもろうています。

 竹原 暴力団からですか?

police2 飛松  きれいな庭木を暴力団からもろうてますよ。署長が自宅に正月3日にはみんな警察職員を集めると、そこに暴力団がおったりした。僕も行っとって見たからね。 僕が姫路署の刑事2課暴力係(現在の暴力対策係)におったとき、担当の係の者はほとんど全員暴力団と癒着があった。暴力団の事務所で、僕の目の前で金をも らうんですから。

 竹原 暴力団の事務所で?

 飛松 僕が暴力団の事務所に行ってるじゃないですか、そこに、「集金、集金」と来て、組の頭から1回5万円もらっていく。頭が「また来やがった、あいつは」と言うとりました。

 竹原 どっちがヤクザかわからない。警察がみかじめ料を取りに来る。

 飛松 それが実態なんですよ。兵庫県のことは、癒着していた警察官の名前を知っとるやない ですか、名前を出したいくらい、その名前はわかるんです。僕は、福岡県警のことは知らんから確実なことは言えんけど、そちらに事件取材で行った時に、そう いう話は聞きますから、どこの誰ということは言えんけど、これは日本全国一緒。

 竹原 同じシステムですからね。

 飛松 どこの県だけが癒着がないなんて、ありえない。ヤクザの取り締まりなんて、警察庁か ら言ってきて、どこでも一緒なんですから。福岡県警は今、工藤会やらいろんなところとやってますが、兵庫県はまだひどい。姫路市のなかに4代目の竹中組が あって、その直若が5人おった。山口組の若衆といって100人おるんですよ。当時120人くらいおって、今95人かな。直若というのは、山口組の司組長の 下に、若頭がいて、舎弟頭・舎弟・若頭補佐・若中と、これが山口組の直接の若衆、つまり直若。それが1次団体、その下が2次団体というんですよ。それが、 姫路に4人も5人もおった。

 竹原 すごいな。

<ゼネコンからの集金システム>

 飛松 とにかく、街のお偉方、会社の社長がみんな、ヤクザの客に なる。ゼネコンのシステムと同じで、姫路のどこそこで大きな建設の仕事があれば、直若が、ゼネコンの一流企業ならナンボ、地場大手ならナンボ、どこそこの 社長が来たら5億、取締常務が来たら2億、支店長が来たら1億、とか暴力団に渡す相場が決まっとたですよ。それがヤクザと企業の関係。警察との関係は、暴 力団と会社の仲介役に県警OBが入って、それに必ず比例して、ヤクザからもらう。個人個人は飲みに行ったり接待を受けるとともに、2次団体3次団体のヤク ザの場合は、必ず封筒に、30万、10万、5万、3万、1万と入れたのを持っている。そしたら、汚職警察官が集金に来るやないですか。その人を見て、「こ の人はこのくらい警察で仕事して警察の情報をくれるか、もみ消しをしてくれるか」を判断して、お金の入った封筒を渡す。これは階級に関係ない。そういう仕 組みが確立していた。今も確立してますよ。

 竹原 警察はむしろ悪事を守る側になっている感じですよね。

 飛松 悪事をフォローしている。そして、している。悪事の芽を育てておる。僕は仕事で、暴 力団の事務所には行っとったし、協力者もおったけど、直接もろうたことは1回もない。協力者でも罪を犯せばきっちり逮捕する。けじめをつけとった。実際、 兄弟でも交通違反の切符切ったからね。それが本当の警察官です。

(つづく)
【山本 弘之】