前半 名前はこんがらがるし人物は特定できないし
訳わからなかったが
だんだん すごいよ
群像としてそれぞれの人間が それこそめちゃくちゃになりながら
ありえない展開で
それで
まあ いろいろ考えさせる映画だった
共産主義政権が 権力として支配力を持っていることと
それにすり寄って自分の欲望を満たそうというのを動機とする
はちゃめちゃなはなしが軸だが
反共 反戦映画だったなあ と言ったが
反共という思想ではなく反権力だろうと・・言われてみりゃそうだ
根っこは人類愛とか平和への希求だとか
ま 最初はゲシュタポとの戦いから始まるし
人間性を支配するものへのアンチテーゼなのだが
それにまつわる人間が
それぞれ 欲望そのまま はちゃめちゃ
そういう点でとてもリアルな映画だった
筋立ては むしろ幻想的というかカリカチュアというか アレゴリーというか
面白い表現だけれど
またまた 今読んでいるものと関連付ける悪い癖だが
ジェルミナールの群像の表現と 共通するものがある
どこか お偉いさんになりたい欲望 そういうものが
さまざまな行動のモチヴェーションの源だったりするところ
ジェルミナールの 主人公がそういう風な描かれ方だった
その他の群像も
実際人間て そういう さまざまな欲望なしに語れる存在じゃないし
だから 戦争も起きるのだし・・・
権力志向というのはいつだってつまるところ 人間疎外へまっしぐらな坂道につながるし
と考えると
現代に繰り返される話でもあるし
ともかく見ごたえがあった