大学でボランティア論を教える友人からゲストスピーカーを頼まれました。
ボランタリーやエコな社会は欧米の専売特許ではないと考えている某は江戸をテーマにするのですが、和本リテラシーが十分ではないので、「熈代勝覧(きだいしょうらん)」という絵巻物から見える世界の話をします。
熈代勝覧は、1999年にドイツで偶然に発見された化政時代の爛熟した大江戸の日本橋通りを描いた長大な絵巻で、現在はベルリン国立アジア美術館に所蔵されていますが、東京メトロ三越前駅地下コンコースに複製が設置されています。
作者も制作意図も不明ですが、神田今川橋からはじまり日本橋までの大通りの問屋街と行き交う人々を克明に描いた「日本橋繁盛記」ともいえる素晴らしい絵巻物です。
目を凝らすと、町火消や寺子屋などのボランタリーな活動、反故紙買い(紙の再生利用)や雪駄直し(履物の修理)、たがや(樽の再利用)などのエコな生活ぶりが見えてくるのです。
たまには江戸の町へのタイムスリップするのも楽しいものですよ(^^♪