「PRESIDENT 2021-2025 完全予測」は、なかなか読み応えがありますね。
?と思う記事もありますが、某が最も惹かれたのは、ジャック・アタリの「『命の経済』とは何か」という寄稿です。
ジャック・アタリは、ミッテラン大統領の顧問や欧州復興開発銀行の初代代表総裁などを歴任、ソ連の崩壊や金融危機、トランプ大統領の勝利、コロナの危機など数々の予測を的中させた叡智であり、寄稿の内容はコロナ後の世界の見通しを語ったものです。
(以下は、記事の要約です)
パンデミックが終息したとしても、社会を元通りに戻すことは絶対にやってはいけない。「われわれは今回の危機を教訓とすべきであり、この教訓を活かせないないのなら、人類は当然の報いを受けることになる。」
歴史の法則として情報を操作するものが世界を制する。世界を制覇するのはアメリカでも中国でもないGAFAMだ。市民は巨大IT企業に対して、情報の独占を解消する改革を断行しなければならない。
「命の経済」を理解するものがコロナ後の勝者になれる。「命の経済」と呼ぶ部門は、健康を守る部門、清潔を保つ部門、食料部門、教育部門、デジタル部門、研究部門、カーボンフリーなエネルギー部門、治安維持、ジャーナリズム、報道の自由、芸術・文化・保険・金融など・・・
われわれは未来に備え、利他主義の精神に準じて将来世代にも資する「ポジティブな社会」を構築する必要がある。「ポジティブな社会」では、「命の経済」と「戦う民主主義」が両輪になる。「戦う民主主義」を掲げる5つの原則は、①代議員制であること ②国民の命を守ること ③謙虚であること ④公平であること ⑤将来世代の利益を民主的に考慮すること
今回のパンデミックによって、自宅に閉じ込められるようなことがあっても精神的に閉じ込められるようなことがあってはならない。自由闊達な精神を養いながら「命の経済」と「戦う民主主義」を両輪に社会を再構築すれば、今後、新たな地球規模の危機に遭遇しても、われわれは明るい未来を築くことができるはずだ。