ハイテクに勝るタリバン勢力

「勝てないアメリカ」の続き、正規戦で負けることのない米国がイラクやアフガニスタンで直面した不正規戦は冷戦崩壊後1990年代に推し進めた「軍事革命」がもたらしたもので、この対テロ戦争は非対称化の二極分化である。小さな敵ほど一掃するには時間と労力がかかり、オバマ大統領がいう「戦争は始めるより終わらせる方が難しい」と。

人類史上の戦争には、凶青銅器、弓矢・投石、騎馬戦、火器の活用、装甲車・航空機、核兵器の7つ、現在はNBC(核・生物・化学兵器)に対抗する精密誘導型の情報技術だと。

1960年に始まったベトナム戦争が1975年に終わり、旧ソ連がアフガニスタンに1979年に侵攻、米国・パキスタン支援の反共ゲリラから1989年に撤退、その後の空白に各派の権力争いで1996年タリバン（神の求道者達）がアフガニスタン国土の９割を支配した。が、旧ソ連対抗の聖戦ビン・ラディンと結束してアフガン戦争が勃発した。

DJからの放送でも米国キャンプ近郊だけ、長老との対話でも空回り、米国の推し進める民主化には、汚職ナンバー1のソマリアに次ぐ、カルザイ政権の汚職が蔓延で程遠いもの。道路も未舗装、警察もいない長老支配の僻地には民主化は浸透せず、言葉の通じるタリバンに傾くのが現状であると。