若葉が広がり始めたモミジバフウの細い枝に、クスサンの古そうな繭殻が残っていました。クスサンの繭は、楕円形で網目状に隙間があるので、「透かし俵」(スカシダワラ)と呼ばれていたそうです。この繭はきわめてじょうぶで、手では引き裂けません。
ウェブサイト『蚕学研究室/テグスをつくろう』によると、昔は絹糸昆虫の幼虫の絹糸腺から釣り糸の「テグス」(天蚕糸)がつくられており、樟蚕の絹糸腺を用いると2~3mのテグスを作ることができ、樟蚕はテグス蚕とも呼ばれたそうです(ただ、この樟蚕がクスサンかどうかは、よくわかりませんが‥)。
いずれにしても、繭からではなく幼虫の体内の絹糸腺を取り出してテグスを作るというのは、驚きです。
《モミジバフウの小枝に残っていたクスサンの繭殻 2024/04/25》
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