ブルックナー
交響曲第5番
指揮…アイヒホルン
演奏…リンツ・ブルックナー管
好み度…5(5点満点)
このコンビでのブルックナーは8番も聴いたが、私には断然こちらのほうが感銘深い。
アイヒホルンにはバイエルン放送響との同曲の録音もあるが、どちらも十分な厚みや情のある響きの美しさ、嫌味のない大きさを持ち、演奏としての完成度はバイエルン盤、滋味というかブルックナーへの情みたいなものがより感じられるのはこちら、といったところだろうか。
金管の重なりは、大げさなものではないのだが、幾層にも重なる中で聴かせるべき音を知り尽くしているかのように大きく美しく重なって、弦の響きも素朴ながら情も込もって美しい。
第2楽章の弦の敬虔な響きは情深く美しく、フィナーレの圧倒的で情に満ちた大きさは数ある同曲の盤中筆頭と言ってもよいかと。
ゆっくりめのテンポは、ただおそいということではなく、重ねられる響きに一音一音への素朴な慈しみが感じられるようでもある。
このコンビの、ブルクナーへの、指揮者とオケのお互いへの、情愛がよい形で感じられるような、名盤でしょうね。
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