小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

声を荒げず「それはいけない」と強く伝える攻略法

2009-09-14 21:04:40 | 「教師-子ども」関係の攻略法

↑この今回のタイトルは,これまでになく具体的なものになりました。

こういうとき,ありますよね。

子どもが絶対にしてはいけないことをしてしまっているのを目撃したけども,その場で声を荒げてとがめるのはまずいときです。

例えば,テストで子どもがカンニングしている・・・

給食で食べられない野菜をこっそり床に落とそうとしている・・・

持ってきてはいけないマンガを引き出しに入れようとしている・・・

こんな,子どものこっそりとした悪さを目撃したときのことです。

普通ならばその場で声をかけて,というより怒るために大きな声を出して指導するところでしょう。

しかし,そうしないほうがいいような場面,というか空気がありませんか。

その悪さをている子がとても気の弱い子だった場合

女子のリーダー的存在の子だった場合

いじめられがちな立場の子だった場合

登校が安定しない子だった場合

または,クラスがとても状態がよくて,声を荒げることでガタっと崩れてしまいそうな場合

こういった場合は,声を荒げると空気がまずくなることが直観的に分かります。(センスのある先生なら感じると思います)

こんなときは,声を荒げることはできないけど,見過ごすこともできません。

その上で「絶対にダメだぞ。先生は許さんぞ」ということを伝えたいです。

そんなときは,こうするしかありません。

無言でにらむ!

ということです。

そばに行って小さな声で叱るよりも,

あとから呼び出して「あのときは・・・」と説教するよりも,

その場でガンとしてにらむことが効果的です。

その目線に「先生は見てるよ。それは許さないよ」のメッセージを込めるのです。

このにらみ方にも繊細な心遣いは必要です。

相手の子どもに応じて,どれほど力強くにらむのか,どれくらい長くにらみ続けるのかが変わってくると思います。

弱気な子の場合だと,ちらっと目と目が合うくらいの程度で十分なことが多いです。あまり強くにらみ過ぎると,それだけでその子は立ち直れなくなってしまいがちです。そんな子は,悪いことをしている時点で,罪悪感がいっぱいなのですから。

強気な子の場合は,じっくりとにらんでみましょう。大人が子どもを圧倒するくらいのつもりでいいと思います。「次やったら,みんなの前で叱るよ」というメッセージを込めます。

場合によっては,この「無言のにらみ」の方が,声を荒げるより子どもにとって脅威に感じることもあります。

それはどんな場合というよりも,教師としての経験からそんな空気を読み取ることができるようになりたいものです。

そして,にらむ目に力のある教師になりたいものです。

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家庭で指導すべきことを押し付けてくる保護者への攻略法

2009-09-14 06:43:58 | 保護者への攻略法

今までに,「ん?」と思うようなことを保護者の方に頼まれたことがあります。

「うちの子,野菜が全然食べないんですよ。給食のとき,先生のほうから言ってください。厳しくして構いませんから。」

「うちの子,ゲームのしすぎで最近視力が落ちてきてて。遠くの山を見ると視力が回復するって聞いたので,毎朝2分間山を見させてあげてください。」

そういった頼みごとの最後に,いつも保護者の方がつける言葉が

「先生の言うことなら聞きますから,お願いします。」

この「先生の言うことなら聞きます」に逃げ道を奪われるようにして,私も「分かりました。」と,引き受けることも多かったです。

しかし,毎朝その子に山を見つめさせ,時計で2分間計りながら,「やっぱりおかしい」と気付きました。(笑)

これらは基本的には「家庭で指導すべきこと」なんですね。

先生の言うことなら聞くからって,何でも押し付けてるようなのは間違っていますよね。

先生にはすべき仕事がたくさんありますし,できることにも限界があります。

だから,そこのところはきちっと区別したい。

しかし「それは家庭で指導してください。私の仕事ではありません」なんて冷たい返しもしたくないです。

保護者の方も困ってて相談にきているのは確かです。

こんなときは,こうしたらいかがでしょうか?

まずは家庭で指導することを約束し,その方針に学校も従って指導することを伝える!

要するに「それはご家庭ですべき指導です。指導に当たっては保護者の方がリーダーになってください。もし,その指導にお手伝いが必要であれば,学校でもご家庭のやり方でお手伝いしますよ。」

ということです。

特に子どもの生活習慣に関することで,家庭で全く指導もしていないことを,学校で指導してくださいというのは,保護者としてやはり無責任とも言えます。

まずは,その指導に力を注ぐことを,ご家庭に約束させましょう。

それを受けて,学校も協力するという姿勢は見せましょう。

こうする方が,指導の効果も上がることは目に見えています。

子どもに伝えたいことが,家庭と学校とで一貫しているならば,子どもも聞くようになるでしょう。

「うちの子,野菜が全然食べないんですよ。給食のとき,先生のほうから言ってください。厳しくして構いませんから。先生の言うことなら聞きますから。」

「そうですか。野菜は食べられるようになりたいですよね。では,まずはおうちでの約束ごとを決めてはいかがですか。必ず一口は食べる,ご飯の最初に食べる,とか。それは徹底してやってあげてください。食の基本は家庭にありますから。

そしたら,学校でもご家庭と同じように指導していきます。」

といった具合に,角の立たないように,協力の姿勢を見せる返答をしましょう。

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教師の持ち物に触らせないための攻略法

2009-09-12 10:41:05 | 教師の仕事術の攻略法

子どもは先生の持ち物に興味津々です。

先生が持っている文房具,洋服,腕時計,そしてパソコン。

教師が何も言わなければ,まだ良識のない子どもたちならどんどんそれらのものに手を伸ばしてきます。

「先生のコンパスかっこいいね~!」

「先生のズボンこんなところにチャックがあるよ!」

「先生の腕時計いくらした?100円?」

「ぼくパソコン知ってるよ。ここ押したら音楽流れるでしょ!」

とても愛らしく,かわいいものです。

本心としてはそのまま放っておいて,遊ばせてもいいほどですが,そうもいきませんね。

一つは,あまりに度が過ぎると先生が仕事をしづらくなります。

もう一つは,トラブルの元になりがちです。

「さとるくんがパソコンさわったら壊れたよ!」なんてことになったら,先生もですがさとるくんもかわいそうです。

だから,やはり基本的には先生の持ち物には勝手にさわらないようにさせましょう。

効かないのは,触ってくる子一人一人に対して「触ったらダメよ!壊れるよ!」とイチイチ注意することです。

逆に,いやがる先生とのやりとりを楽しもうと引かない手強い子どももいますし,30人いたら30回注意しなくてはなりません。大変です。

こんなときの話をするのにも,やはり効果的なものがあります。

これです!

「触ったがために大変なことになったエピソード」を全体に向けて話し,ビビらせる!

これが一番効果的かと。

まず,こんな注意ごと,約束ごとは一人一人にではなく全体に話すことが鉄則です。集団の決まりとなれば,破りにくいものですから。

エピソードの例

「3年前に,大変なことが起きたんです。Aくんという子が,いつも先生の持ち物に触っていたんです。注意されても聞かなくてね。ある日,先生のパソコンを触ってたら,いけない操作をして壊れてしまったんです。パソコンとは何十万円もする高価なものです。当然Aくんのお父さんとお母さんが来て謝って,弁償することになってしまいました。」

「Bさんは,いつも先生の机の周りにいていろいろと手を出す子だったんです。ある日,先生が机の上に置いていたデジタルカメラがなくなったんです。とても慌てて,みんなで探しました。するとある子がこう言いました。「Bさんが持ってるかもよ。だっていつも先生の持ち物に触ってるもん」Bさんはみんなから疑われてしまったのです。」

こんな感じですね。

こんな話には,子どもはビビります。絶対そんな事件には巻き込まれたくないと思うでしょう。

「だから,先生の持ち物には勝手に触らないでくださいね。約束ですよ。」

これらのエピソードは本当の話でもいいし,作り話でも構わないと思います。なにより子どもに悲しいトラブルを起こさせないためのものです。

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子どもを叱るときの攻略法 3

2009-09-11 18:14:18 | 「教師-子ども」関係の攻略法

避けたい叱り方は

・クドクドと時間が長い  ・同じ言葉を繰り返す

・前のことを持ち出す  ・汚い言葉で叱る

・その子の人格自体を否定する

と前回の「叱り方攻略法」の中でも紹介しました。

そして短い時間でスパッと叱り,必要なことだけを伝えることの大切さを紹介しました。

今回は,叱ったあとに目を向けてみたいと思います。

叱られて,もちろん子どもは落ち込んでいます。

落ち込むならまだかわいいほうで,中には先生に向って反感を抱いてしまっている子もいるかもしれません。(叱り方にもよるでしょうが)

いずれにしろ,叱ったあとの先生と子どもの関係を修復するのは絶対に必要なことです。

そして,叱られた子どものプライドを立て直し,再度先生への信頼をもたせることが必要です。

一番いけないのは,叱ったあとも先生が根に持っていることでしょう。

いつまでもその子に冷徹な視線を向けたり,何をするにしても言葉が厳しくなってしまったり・・・

ちょっとそんな先生は人間がちっちゃい。

そうではなく,大事なことは,もちろんこれです!

叱ったあとのフォローを,全体の前で必ずしてあげる!

ですね。

叱られて,反省して,それを取り戻そうと努力している姿や表情が見られたときは,すぐにほめてあげましょう。これがフォローです。

しかも,そのフォローは,その子個人に伝えるのではなく,学級全体の前でしてあげましょう。

そうすることで,その子のプライドは保たれ,先生との関係も修復されます。

それだけでなく,クラス全体がうれしくなるはずです。落ち込んでいた友だちががんばってほめられたんですもの。

そう考えれば,叱られることだって,子どもやクラスの成長にとって,一つのいいステップですね。やはり。

大人社会でこうすると,あまりにも分かりやすい「アメとムチ」で,むずがゆくなりそうですが,子どもにはこの分かりやすい「アメとムチ」が効きます。

そのゆさぶりを繰り返すうちに,子どもは先生の手の中に入ってきます。

ちなみに,このフォローがないと,どんなに適した叱り方をしたとしても,子どもの心が離れていってしまいますので,絶対に忘れないようにしたいものです。

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子どもを叱るときの攻略法 2

2009-09-10 06:36:53 | 「教師-子ども」関係の攻略法

前回は,「こんなことをしたときは叱ります。」を子どもに示しておくことを紹介しました。

そして話は続きます。

いざ,クラスで「こんなこと」が起きてしまったとしましょう。

先生は厳しく叱ります。それが役目です。

約束をしていたのだから,先生が怒ってるという姿を見ても,学級の子どもたちはみな納得するでしょう。

今度はその,叱り方です。

いざ叱るとなると,先生も人間です。感情が噴き出してくることもあります。

そこで感情任せに叱ってしまうと,よくない叱り方になることが多いです。

まず避けたい叱り方は

・クドクドと時間が長い  ・同じ言葉を繰り返す   ・前にあったことを持ち出す

・その子の人格自体を否定する  ・汚い言葉で叱る

といったことでしょうか。(もちろん暴力はありえません)

こんな叱り方をされたときは,子どもは悲しむでしょう。自分がしたことを反省してではなく,先生のひどい態度が悲しいです。

子どもを叱るときに心掛けたいことはいくつかありそうです。

まずは

短い時間でスパッと叱る!

ことでしょう。

子どもと一対一で叱る場合も,学級全体の前で叱る場合もあるでしょう。

いずれにしても,叱られる時間が長いほどうんざりすることはありません。

叱る時間がダラダラと長い先生は,子どもにとって必要だから時間をかけているのではなく,自分の感情が落ち着くまで叱っていると思ったほうがいいでしょう。

「叱る」が「説教」に変わっていくようです。

ひどい場合は,授業時間を大幅に削ることになります。叱られていない他の子もうんざりです。

そうではなく,必要なことだけはっきりと伝えたらスパッと終えましょう。

必要なこととは,悪いことをした事実を明らかにする,それは絶対にしてはいけないことだと伝える,反省させこれからのことを考えさせる といったことです。

それだけなのです。それだけを先生の全力をもってその子に伝えたらおしまいです。

時間が短くても,そこに先生の熱意と,そこで発する言葉に知性があれば,子どもには痛いくらい伝わるはずです。

そして叱り終えたら「はい,おしまい!」と,先生自身もテンションを切り替えましょう。

叱る時間は短いに越したことはありません。

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