小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

子どもを叱るときの攻略法 1

2009-09-09 06:32:27 | 学級生活の攻略法

自分の経験からすると,教師駆け出しのころはよく子どもを叱っていました。

声を張り上げて,教師としての熱意と愛情を込めて・・・

そして,経験を重ねるごとに,叱る回数は減ってきたように思います。

やはり,子どもを叱ることはつらいことだし,もちろん叱られる方が一番つらいですから,叱らずに越したことはないですよね。

この「子どもの叱り方」にも,やはり教師としての腕というか,センスが見えます。

単にキレているだけの叱り方

一貫性や公平性に欠ける叱り方

愛情のない叱り方

こんな叱り方を続けていては,子どもたちの心も離れてしまいます。

必要なときは「叱る役目」をしっかり果たさなくてはならない教師です。

感情に任せて我流で叱るのではなく,子どものためになる叱り方をしてあげましょう。

では,どんな叱り方をするとよいでしょうか。

まずはこれです。

先生はどんなときに本気で叱るかを,子どもたちに示しておく!

です。

これを,年度初めのうちにでも,学級全体に向けて示しておくことが必要です。

「きみたちの担任の先生は,今から言うことがあった場合は,本気で叱ります。」と,所信表明をするのです。

例えば,

●いじめをしたとき  ●親を悲しませることをしたとき

●学ぶことをあきらめたとき  ●クラスの和を乱すようなことをしたとき

●命を危険にさらしたとき  ●○年生らしくない行動をしたとき

など,先生なりに考えてみましょう。

「これだけは許せない」というものが,いくつか浮かぶでしょう。

それを明確にして,子どもたちと約束事として共有しておくことです。

この約束を決めるときは,もちろん先生の意思一つで決めます。子どもたちと話し合ったりする必要はありません。

そしてこれを示したら,年間を通して絶対に一貫性をもつことです。

そうすることで,もしクラスで本当にそんな場面が起きてしまい,先生が本気で子どもを叱ったとしても,子どもたちは納得してくれます。

また,こうすることで,先生が自分としても子どもを指導する際の目安が一つできます。

「こんな子どもに育てたい」という目標に関して,一つの柱になると思います。

すると,教師としての姿勢がブレにくくなります。それは子どもたちからの信頼へとつながります。

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指導案をみるときの攻略法

2009-09-08 06:42:32 | 教師力UPの攻略法

だれかの研究授業があるたびに,学習指導案を目にすることになりますね。

この指導案にはオーソドックスな書き方がありますが,最近ではいろいろな形を変えて書くパターンもあるようです。

この書き方はどうであれ,その中身については,大事なことは一貫しているはずです。

今回は,その指導案をみる際に,何をみればいいのかを考えてみましょう。

さて,校内研修で同僚先生が研究授業をするとなると,その日の朝,もしくは少し前の日に指導案が配られます。

「単元について」から「本時」までびっしりと書かれていて「○○先生,ごくろうさまですねぇ」と思います。

ここから先,この指導案のみかた,教師によって違います。

一番ひどい先生は,まずこの指導案を読まない。研究授業本番まで,残念なことにこの指導案の中身を見ない人もいます。(見たいけど,見る時間をつくれない)

次の先生は,指導案をみるけど,ただ見ている。力不足でポイントを押さえられていないのです。

では,力のある先生,研修を効果的に活用できる先生は,何をみているのでしょうか。

いくつかポイントはあると思います。

指導案をみるときの攻略法は,これです!

1 研修の中におけるこの授業のねらいをとらえる!

2 この授業で一番身につけさせたい学力を明らかにする!

3 その学力を身につけさせるための学習指導の工夫を吟味する!

4 その学習指導の工夫が子どもの実態に合っているかを検討する!

という4つのポイントです。

この4つのポイントをもって,学習指導案をみましょう。すると,研究授業にのぞむ意識もぐっと高くなるし,授業がおもしろくなります。

少し解説すると,

1 まずは研究授業のねらいです。「単元(本時)の目標」ではありません。この研究授業は,研修活動の中においてどのような位置づけをされているかです。すぐれた研修活動であれば,それが明確になっているはずです。これが分かっていないと,授業後の研究会でも,話の視点がズレてしまいます。

2 この授業の一番の山場はどこにあるのかということです。この授業を終えたとき,子どもたちにはどんな学力が身についていてほしいのか。その学力の高まりが見える授業なら,いい授業だということでしょう。

3 学習指導の工夫です。「~な学力をつけたいから,~という工夫をする」と,2の学力のねらいと必ず連動しているはずです。ここが一番の見どころとなるでしょう。

4 子どもの実態は無視することはできません。3の学習指導の工夫が実を結ぶかは,この子どもの実態を正しくとらえているかにもよります。担任の先生だからこそなせる技です。

つまりは,たくさん書いてある中身をすべてじっくりよむのではなく,その中から上手にこれらのポイントに当たるところを見つけるのです。

いろいろたくさん書かれている指導案も,結局はこの4つのポイントがあるはずで,逆にこの4つのポイントが明確になっている指導案は,いい指導案と言えると思います。

そして4つのポイントを見つけたら,さっと4色の蛍光ペンででも線を引いておくといいですね。

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子どもへの話し方の攻略法 1

2009-09-07 06:41:02 | 「教師-子ども」関係の攻略法

言葉は教師の最大の商売道具です。

アナウンサーや俳優が,自分のセリフについて専門家に習ったり,何度も練習したりしますが,教師にもできればそんな機会がほしいくらいです。

でも,自分の子どもへの話し方というのを意識できている教師がどれほどいるでしょうか。

そこまで考えて普段から話し方を工夫できている教師は,仕事に対するセンスがあると思います。

しかし,それができていない教師も少なからずいますよね。

子どもにとって,聴きづらく,心まで届きにくい話し方をする教師もいます。

それは,単純に主述が整った文章が言えないということから,ゴモゴモと聴き取りにくいまで,幅広くいます。

こういった教師が話すことは,子どものみならず,職員会議などの席において,他の教師からも聴きづらい。

教師としては致命的です。

一方で,話し方が上手な教師もいます。

その教師が話せば,なぜか説得力がある。

子どもたちも自然と聴く姿勢がよくなり,言われることがスッと耳に入る。心に響く。

話し方の工夫の差でしょうね。

この工夫とはいくつかあると思いますが,1つずつ考えてみましょう。

まず,今回の攻略法はこれです!

語尾を使い分ける!

ですね。

話す言葉の最後の印象を,その話の内容によって使い分けるだけで,ずいぶんと話のクオリティーが変わってきます。

使い分けるといっても,単純です。語尾が強いか,弱いかだけです。

以下のように使い分けるといいでしょう。

~語尾を強くするとき~

・ほめるとき ・叱るとき ・勇気づけたいとき ・教師の意思を語るとき

・基本として,クラス全体に話をするとき

~語尾を弱くするとき~

・語る(諭す)とき ・なぐさめるとき ・あいずちをうつとき

・基本として,子どもと一対一で話をするとき

このように使い分けます。

「語尾を強くする」とは,言葉の最後に力を込める感じです。少し声も大きくなると同時に,そこに教師の意気込みを入れる感じです。

「語尾を弱くする」とは,言葉の最後をまろやかにする感じです。少しだけ声を小さくすると同時に,スピードもゆっくりとし,教師の優しさを込めます。

これだけで,ずいぶんと話し方が変わってくるものです。

はじめのうちはわざとらしくならないように,少し練習して自然な感じを出すことも必要かもしれません。

慣れれば意識しなくても使い分けられるようになるでしょう。

※どんな話をするときにも,どうもこの語尾が弱い,というか語尾に自信がなく話が尻切れトンボになる教師が多いように思います。

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出題するときの攻略法

2009-09-05 09:38:39 | 授業中の攻略法

授業の中で,教師が子どもに問題を与えます。

問題が易しい,難しいに関係なく,子どもたちが分かりやすい,答えやすい出題の仕方というのがありますね。

一番分かりにくいのが以下のような出題の仕方でしょう。

出題「3.4mのリボンがあります。5人で分けると,一人分は何mになるでしょうか。」

教師「これは何算の問題かな。」

子ども「わり算かな。」

教師「そうですね。式はどうなるかな。」

子ども「5÷3.4かな

教師「え?本当にそうかな。どうしてそうなるの?」

子ども「だって,3.4mのリボンを5人で分けるから…」

教師「じゃあ,5÷3.4で計算してみてごらん。」

子ども「 ・・・・・えぇーっと,うーんっと・・・」

教師「もう,先生がしますね。だいたい1.47くらいになりますね。5人も分けるのに一人分が1.47mももらえるかな?それはおかしいと思います。」

子ども「???」

教師「この場合は,3.4÷5なりますね。なぜかと言うと・・・」

うーん,本当に分かりづらい。だんだん教室がザワザワとなっていく様子が目に浮かぶようです。

こんなときの攻略法は,これです!

出題するときは,「例題」と「問題」を区別する!

ということです。

上の例では,この出題に際して,子どもに解き方を考えさせたいのか,教師が解き方を教えたいのかが分かりません。ゴッチャになっています。

子どもに分かりやすくするために,授業にメリハリをつけるために,出題の仕方にこだわりましょう。

教師が解き方を教える場合は「例題」

子どもに解き方を考えさせる場合は「問題」

と区別することです。

まず「例題」を与えるときは,子どもにはしっかりと聴かせましょう。

手には何ももたず,先生の説明をだまって最後まで聴かせます。

その時の先生の説明は,ダラダラとせず,言葉を精選してできるかぎり分かりやすい説明をしましょう。

次に「問題」を与えるときは,子どもの自由な思考の時間と場を設けましょう。

環境を整えてあげたら,たっぷりと考える活動に浸らせたいものです。

先生は,必要なアドバイスや,その後の発表のコーディネーターの役になります。

こうすることで,出題の意図が明確になり,子どもたちも活動しやすくなりますね。

また授業の流れにもメリハリができ,クラスがまとまります。

基本的には,まず「例題」を示してから,正しい解法を身につけさせ,その後「問題」を与えて,その解法を活用する場面をつくるのが授業の流れでしょう。

しかし問題の内容や,子どもの実態によっては,例題をいくつか与える必要がある場合もあるし,いきなり問題を与えることがおもしろい場合もあるでしょう。

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子どもへの指導の手ごたえを感じないときの攻略法

2009-09-04 07:04:55 | 「教師-子ども」関係の攻略法

「子どもへの指導に手ごたえを感じないとき」とは,いかにも残念なときです。

残念なことではあるけど,そんな感触も繰り返し感じながら,子どもと付き合っていくものですよね。

そして逆に「手ごたえを感じたとき」は,うれしいものです。

教師という仕事に幸せを感じるときってもいいでしょう。

精一杯の指導をしたのに,子どもに変容が見られない場合,教師はどうするでしょうか。

まずは,自分の指導の仕方に問題がないかを省みるでしょう。

それを一生懸命する先生は,とてもいい先生だと思います。

そしてそこに反省点があり,改善したのち指導したらうまくいったというなら,なによりです。

もう一つは,子どもの側にある原因を考えるでしょう。

「あの子には何を言ってもだめだ」なんて言い方する先生は,力のない先生のように感じます。

子どもにある可能性はいつも信じてあげたい・・・

というのが教師の思いですが,今回は,その部分に関するちょっと視点を変えた攻略法を考えてみました。

これです。

その子にとって本当に必要な指導か考え,言ってもしかたのないことは言わない

ということです。

少し冷たいような気がする言葉ですが。

例えば学習指導。

「たけるくんは5年生だから,起承転結を考えた,全体構造の整った文章を書けるようになってほしい」という教師の思い。

でも,たけるくんは作文活動にこれまで全く意欲がなく,その書き方なども全く身についていない。何度も指導するけど,うまくいかない。

さて,たけるくんに,本当にそこまで今,指導が必要でしょうか。

例えば生活指導。

「ちなみさんは,6年生なのにまだ人前に出る経験をしてないから,今度の運動会では開会式の言葉をさせてみたい」という教師の思い。

でも,ちなみさんは性格的にとてもおとなしく恥ずかしがり屋さん。いろんな言葉で勧めてみるけど,やりがたらない。

さて,いきなり運動会の言葉をさせることが,彼女のためになるでしょうか。

つまり,ここで強調したいことは,子どもの実態は様々であるということ。

「○年生として,ここまで成長してほしい」「私のクラスは,全員~ができるようにしたい」という教師の思いは立派なものですが,その目標と子どもの実態がかけはなれすぎている場合もあるということです。

「言ってもしかたないことは言わない」とは,指導をあきらめるというわけではなく,それを十分に考えてあげた優しい指導をしてあげるという意味です。

もっと目標をスモールステップにして,簡単なことからさせてあげましょう。簡単なことなら,言ってもしかたないことにはなりません。

たけるくんには,まずちょこっとでも書けることを目標にして

ちなみさんには,グループ内で発表ができたらほめてあげて

指導に手ごたえを感じないときは,このように,「それは本当に必要な指導か」を考えてあげることも必要でしょう。

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