黒鉄重工

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東南project ~God’s Blessing on This Wonderful Singapore! その18【2018/2/9~13】

2020-10-12 21:22:04 | 海外旅行記
またF-15SGです。シンガポール空軍のF-15は全て戦闘爆撃機のSG型です。



関係ない話ですけど、F-15E系列の中ではF-15Kが一番かっこいい説を推します。


ヘロン1型というイスラエルのIAI製UAVです。偵察用ドローンですね。イスラエルはUAV開発をよくやっているなぁくらいの印象でしたが、当然輸出にも力を入れているよね。


UAVとしては中くらいなのかしら。UAVはよく知らないのでなんとも。
無人機といっても担当の操縦士は決まっているらしく、機首には操縦士の名前が書かれています。地上で遠隔操縦することもありますしね。


謎センサー。


動力はレシプロエンジン単発のプロペラ機です。
双ブーム式胴体が今にも受け継がれているとは思わなんだ。設計者はきっと英国面だ。


後ろから。胴体形状はステルスが考慮されているんですね。垂直尾翼も胴体中心線に向かって傾いているんですねぇ。


尾翼とか。


攻撃ヘリのAH-64Dアパッチ・ロングボウです。アパッチという名前は実はP-51の急降下爆撃型A-36アパッチとして既に使われているのですが、地味なので誰も覚えておらず、これが初代ですという顔をしています。


回転翼の軸上に付いている風船みたいなのが、AN/APG-78ロングボウという火器管制レーダーです。


攻撃ヘリなので武装しています。中心側にあるのが対戦車ミサイルのヘルファイア、からし蓮根が青くなったみたいなのは何かしらのロケットランチャーでしょうね(手抜き)


攻撃ヘリの割に前面面積が広くない?という気がしなくもないです。でもゴテゴテしているのは好きですよ。


ゴジラには通用しなかった機関砲。





シコルスキーS-70B対潜ヘリコプター。要はこれ海上自衛隊のSH-60と同型ですよね。
シンガポールは金持ちだからか、自衛隊とほとんど同じ装備を持っていて代わり映えがない・・・。もっと貧乏空軍の装備を見てみたいとか思いました。


照明とカメラですね。


対潜ヘリなので魚雷も装備して潜水艦絶対殺すマンと化しています。


尾部。
S-70Bは普段は海軍のフォーミダブル級フリゲートに1機ずつ搭載していて、同級の弱点である対潜性能を補っています。



AS332Mスーパーピューマという汎用ヘリコプター。これは見たことのないやつですね。


良くは知らないヘリなので、ふーんとしか言えないですが。


シンガポール空軍の装備はアメリカ由来のものばかりですが、これはヨーロッパ製です。アメリカ製で揃えた方がいいと思うんですけど、何かしら政治的な理由がありそうななさそうな。


というところで今日はここまで。


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東南project ~God’s Blessing on This Wonderful Singapore! その17【2018/2/9~13】

2020-10-11 23:58:40 | 海外旅行記
シンガポールエアショーの地上展示の続きです。これもF-15SGで、さらにシンガポール空軍設立50周年を記念した青色の特別塗装機になっています。


レドームだけは通常のママ。
この特別塗装機は複数存在する模様。


特別塗装のデザインはかなり秀逸だと思います。ここからだと背中が見えないんですが、これは後ほど飛行展示で見れますので。


垂直尾翼は50周年を図案化したものと、シンガポール空軍のこれまでの国籍章3つが描かれています。


F-15のエンジン部は金属地むき出しになってるんですよね。


シンガポールの国籍章今昔。最初は紅白のラウンデルで、ここらへんはやはり元イギリス植民地という感じ。2番目はなぜか太極図です。そして現行の国籍性はマーライオンを図案化しています。一発でシンガポールと認識できるので、秀逸だと思います。カナダやオーストラリアと似たセンスを感じます。


真横から。
これのプラモデルは出ていないんですよね。そもそもF-15SGのプラモデルをハセガワしか出していないので、そこがダメだともう望み無しなんですよ。


斜め前から。


輸送機のロッキード・マーティンC-130Hハーキュリーズです。どこにでもおりますC-130でございます。


プロペラです。この形状のプロペラはあんまり好きではなかったり。逆に最近生産されているJ型のプロペラはとても好き。


東南アジアっぽいというかベトナムっぽい迷彩ですよ。


機首ですね。


シンガポールの国籍章。


貨物室です。


ガルフストリームG550-AEWという早期警戒機。初めて見たやつですね。
同社のビジネスジェットG550にレーダーを追加搭載したものです。G550に元々そういう発展性はないので機外に無理やり載せたような感じで、ゲテモノ臭が匂います。


機首レーダー。なんだか膨らんでますね。これのためのレーダー、EL/W-2085 です。前後左右に分散配置されていて、前後にはSバンドレーダーがあるんだそうな。


無茶だろという付け方をした側面レーダー。左右にはLバンドレーダーが配置されているんだそうな。
なおこの中にパイロット2名のほかにレーダー要員6名が乗り込みます。


主翼。ここらへんはビジネスジェットのままでウィングレットが付いているのもそのまま・・・かと思ったら主翼下面にもセンサーみたいなのが付いているんですね。
エンジンはロールスロイスBR710-C4-11型。


尾部にもSバンドレーダーがあるんですな。


横から。

というところで今日はここまで。


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静岡航空資料館に行ってきた話 その2【2018/3/7】

2020-10-09 23:37:21 | バス・航空機撮影記
牧之原市にある静岡航空資料館の続きです。前回に続きエンジン展示です。
これはライトR-3350サイクロン18です。2,200馬力、空冷星型18気筒です。これの搭載機としては御存知B-29が有名です。戦後も様々な機種に搭載されていたんですが、製造銘板によればこれのサブタイプは-57型で、この型はB-29Aに搭載されていたんだそうな。



レシプロエンジンの最高峰ですがその分気難しいエンジンで、B-29の搭載エンジンはよく燃えたんだそうな。
これもカットモデルにされています。


エンジンプラグに高圧電気を送り込む配電器、横文字でいうところのディストリビューターです。


エンジンシリンダー。後で見る日本製エンジンと比べて放熱フィンがきれいで、ここらへんの工業の基礎はさすがアメリカだなと。交換も割と楽だったようです。
シリンダーへの吸気口と排気口が分かりやすくなっているのも素晴らしいです。


あれ、スーパーチャージャーが付いているんですか。てっきりターボチャージャーだけだと思っていたので、これは知らなかった。ただ、主圧縮機はやはりターボチャージャーなのか、スーパーチャージャーは1段2速に留まっています。この頃だと本気出せば2段2速だって出来たでしょうからね。


ここは主制御器だそうな。


ようやく日本のエンジンが出てきました。中島ハ45型です。ハ45というのは陸軍での呼称で、海軍で言うところの誉エンジン。もうネジ1本まで同じ名称は使いたくなかったんだろうな。
陸軍の疾風や海軍の紫電改で採用されたエンジンで、日本では数少ない2,000馬力エンジンでありますが、離昇出力でめいいっぱいぶん回して2,000馬力なので、限りなくなんちゃって2,000馬力エンジンに近いものです。
ただ、ちゃんと設計通りに生産されて問題なく作動したとしても高性能の過給器と高オクタン価ガソリンを日本は持ち合わせていなかったのでこれでアメリカ軍の機体と渡り合えたとも思えず、どの道詰んでたと思います。


放熱フィンはアメリカのと比べるとちょっと雑な感じ。ただしこのエンジンは中島の飛行場に埋め捨てられていたのを掘り起こしたやつなのでその時の劣化は多少あるでしょう。


第二次世界大戦後の時代になりました。これはコンチネンタルO-470-11型です。空冷水平対向6気筒、210馬力です。
セスナ機みたいな軽飛行機によく載っているエンジンです。これは自衛隊のL-19連絡機用に使っていたそうな。
これは1958年に富士自動車がライセンス生産した第1号で、長年耐久試験に供されていたそうです。
この富士自動車、水平対向エンジンのことだからスバルのことだろうとずっと思っていたんですが、今回改めて調べるとぜんぜん違う会社なのでした。ややこしい・・・。
どこの会社だと思ったら、例のフジキャビンを生産していた会社でした。当然現在は消滅した会社で、最終的にコマツに吸収されたそうです。


ライカミングTIO-540-R2AD型です。ターボ付き空冷水平対向6気筒、340馬力です。搭載機種は多すぎるんで割愛しますが、富士重工が先祖返りしてアメリカのロックウェルと共同開発したモデル700(ロックウェルではFA-300)が搭載したエンジンもこれです。

このエンジンからプロペラも展示されていて、これはハーツエルHC-B3TN-5です。プロペラについては何も分からないので名前だけ書いて終わりにします。


ターボチャージャーは後部にあります。


少し下から。ベルトで繋がっているのはなんかしらの発電器でしょうかね?


エアリサーチTPE331-1-151A型。製造初年1963年のターボプロップエンジンで、ようやくガスタービンエンジンの時代へ。
タービン軸の回転を減速機を介してプロペラ軸の回転に回しています。なので、タービン軸とプロペラ軸は同軸上ではない場合が多いです。これもそう。
ジェットエンジンの仲間に入るので、だったらジェット噴流で飛べよとなるんですが、高速向き、高高度向きでない機体に載せるエンジンの場合ターボプロップの方が効率が良いのだそうな。
このエンジンの採用例としては三菱MU-2が日本では知られているかと。その他多数。


反対側。


コンチネンタルIO-470L型。空冷水平対向6気筒、260馬力です。
今見たO-470-11型と同型ですが、これは燃料噴射装置を追加した型式です(型番の"I"は燃料噴射装置付を示す)。燃料噴射装置を付けたのでキャブレターは無くなってるんじゃないかしら・・・見ただけじゃわからないですけど。でもまあ普通のO-470とは見た目が結構変わっています。


ロールスロイス・ダーウェントMk.V型です。遠心圧縮式ターボジェットエンジンです。初期のターボジェットエンジンで、ドイツに数週間の差で世界初の実用ジェット戦闘機の称号を逃したイギリスのミーティアに搭載されていたものです。
遠心圧縮式は、羽根車で取り入れた空気を遠心力で圧縮するもの。この圧縮空気を燃料と混合させて燃焼させれば高温高圧ガスとなって後方へ噴射され推進力となります。さらにガス噴射する際にタービンを回転させてそれを羽根車の回転に再利用しています。


こっちが吸気口。遠心圧縮式のカットモデルは未だ見たことがありません。どこかに置いてありませんかね。

ここまでで気づいた方もいるかもですが、遠心圧縮式はスーパーチャージャーの機構と似ている部分が多いです。初期のジェットエンジンが遠心圧縮式ばかりだったのはスーパーチャージャーの技術が応用できるというのもあったのかも。
ただし圧縮効果を高めるために羽根車の直径をデカくしなければならんという欠点があります。そうすると戦闘機の断面が大きくなってイカンのです。遠心圧縮式を胴体内に載せたF-86やMiG-15なんかは、意外と胴体が太いんです。よって性能向上には限界があり、しばらくすると軸流圧縮式に取って代わられるのでした。


その軸流圧縮式、アリソンJ35型です。アメリカ初の軸流圧縮式ターボジェットエンジンで、主にF-84、F-89、B-47に搭載されていました。特にB-47は1機に付き6発のエンジンを載せるので、B-47の大量生産もあってエンジンもやたら造られました。
遠心圧縮式よりも全長が長いですが前面面積が小さいので機体を小さく出来ます。この点が買われて遠心圧縮式に代わってジェットエンジンの主力になりました。今はターボファンエンジンが主力ですが、ここには展示されていないので今回はそこまで書きません(手抜き)

ちなみになんでこれだけガラス張りになっているかというと、軸流圧縮機の部分が動くような展示になっているからです。でもここでは動かせるような状態ではなかったです。


吸気口は左側。


これが軸流圧縮機。このやたら羽根の付いた羽根車が回転して空気を後ろに押し込めながら圧縮していきます。ただし1段の羽根車はあまり圧縮させないのでいくつもの羽根車を重ねています。J35の場合は11段です。


圧縮された空気は缶型燃焼器に送り込まれて高温高圧ガスになって後方へ噴射されます。
缶型燃焼器は複数の筒状燃焼器を輪形に配置したものです。これは遠心圧縮式でよく見られるものです。J35はアメリカ初の軸流圧縮式ということで、ここらへんの設計はまだ遠心圧縮式のものを引きずっていたように見えます。
ただ缶型燃焼器は、缶同士の間の空間が無駄になるとか製造の手間もかかるとか、欠点もありました。後年のジェットエンジンでは断面がドーナツ型のアニュラ型燃焼室を採用することが主だそうで。
こう見ていくと意外と少しずつ発見があるな。


んで、排気口からガスを噴出する前に軸流タービンで軸流圧縮機を回すエネルギーを回収します。

というところで今日はここまで。



静岡航空資料館に行ってきた話 その1【2018/3/7】

2020-10-08 23:06:48 | バス・航空機撮影記
2018年3月7日。
静岡市の南側、牧之原市内に「静岡航空資料館」という静岡県の私立大の静岡理工科大学が運営する建物があります。その存在や飛行機の機体のような派手なものは少ないですが中々濃密空間らしい・・・という噂は以前から聞いてはいました。
しかし、ここは水曜日と木曜日の昼間だけ開館し、しかも2週間前までに事前の見学申請をしないといけないということでやや敷居の高いところでした。そんなところ、見学に行けそうな日に休みが舞い込んできたので、電話で見学申請してそれが通ったので、この日に行ってきました。
建物は写真のように飾り気のない倉庫然としたもの。左側に掛けられた看板だけがそれを主張しています。この時点でちょっと期待できます。


ちなみに同じ敷地内にはフジドリームエアラインズの訓練センターの建物も入っています。エンブラエルのジェット機のフライトシミュレーターが置いてある建物です。稀に見学ツアーが開かれて一般公開されていたような気がします。


こんにちは~と中へ入るとこんな空間がありにけり。あ、いいですね。

この建物は本来静岡理工科大学の航空工学コースの実習場所なのですが、静岡県内に散らばる航空資料の散逸を危惧してそれの集約を目的に資料館を設立しています。なので、資料館と大学の実習室が同居したような空間になっています。


ひとりでふらっと見ていこうと思っていたんですが、係員の方が説明しながら回ってくれました。ありがたいなぁ。


飛行機模型ですね。これは御存知ボンバルディアQ400。


ボンバルディアCS100・・・またの名をエアバスA220。なんでこれの模型持っているんだろう。


我らがエンブラエルE170フジドリームエアラインズ。これはあれですね、タミヤの完成品ですね。


パネル展示です。やはり学校法人運営だからかよくまとまっていて飲み込みやすいなと思います。


航空博物館には必ずと言っていいほど存在する大量の飛行機模型を展示してある場所。ここにもあるのか。


展示してある模型は全部タミヤの模型でした。タミヤがここに100作品分寄贈したんだそうな。これだけの数はアメリカの下手な博物館よりも多いでしょうから大したもんです。


充実しているのがエンジンの実物の展示です。骨董品と呼べるものまであってよく集めたなと思いましたが、実は大阪弁天町の旧交通科学博物館で展示されていたものです。同館閉館後に鉄道以外の収蔵品は京都鉄道博物館には継承されずに散逸してしまいましたが、航空関連の収蔵品の一部はJR西日本から借用してここで一般公開されています。
米英の本格的な航空博物館の足元には及びませんが、日本国内であれば結構いい方なんじゃないかと思いますよ。


ドイツのマイバッハHSLu型です。水冷直6、240馬力です。製造初年1915年でツェッペリン型飛行船を始めとした飛行船用エンジンでした。


回転軸にフライホイールが付いているのが特徴だそうな。
こんなエンジンどこから持ってきたんだと思いますが、日本でもN-3型飛行船に同じエンジンが使われていたと書かれているんで、それを収蔵したのかもしれませぬ。


フランスのル・ローンC型です。これの製造年は1922年、空冷星型9気筒、80馬力です。9気筒なので正確には9C型だそうです。メーカー名のル・ローンはフランス語なので表記ゆれが激しく、エ・ローンとかル・ローヌとか色々言われています・・・。
ただの星型エンジンに見えますが、これはエンジン自体が愉快に回転してしまうロータリーエンジンです。中心軸は機体に固定してあるので逆にエンジンの方が回るのです。プロペラはエンジンに直結してるのでエンジンと一緒に回転します。ただ馬力と回転数が上がっていくと色々無理が出てきたんで1920年代のうちに廃れてしまった方式です。

このエンジンは大正時代に輸入したフランス製戦闘機から取ってきたのかなと思います。


1910年代製のベンツの水冷直6エンジンですが、型式はよく分からんらしい。日本での採用例は少ないし、第一次世界大戦時の戦利品じゃないかと考えられています。


第一次世界大戦の航空エンジンといえばこれ、というスペインのイスパノ・スイザです。水冷V8、300馬力ですが詳しい型式は不明です。1921年からは三菱でライセンス生産を始めているんですが、この個体はそのライセンス生産品です。
上のベンツエンジンと比べるとシリンダーが文字通り1本ずつの筒状ではなく、4気筒ずつ鋳造ブロックに一体化されたものになっているのが当時では先進的でした。
それと、これの推進軸にはプロペラを固定する金具が残っています。2枚の円状の金属板の間にプロペラの中心孔を挟んで周りについている棒で固定します。この時期のプロペラにはピッチ変更機能は無いので、推進軸に2枚の翅を1本にまとめたプロペラを直付けしていました。プロペラ部品はこの後出てくるのでそれはまたその時に。



プラット&ホイットニーR-1830型ツインワスプです。S1C3型、空冷星型14気筒、1,200馬力です。弊ブログでも何度か登場しているエンジンで、DC-3、TBD、F4Fなどの第二次大戦時の有名な機体に搭載されていました。


カットモデルになっているのがこれの特徴です。
エンジンの後部には空気取入口があってその先にスーパーチャージャー(機械式過給器)が付いています。空気の薄い高高度でもエンジン性能を安定化させるために過給器で空気を圧縮してエンジンに送り込むのです。圧縮方法は色々あるみたいですが、航空機エンジンに用いられたのは遠心式で、説明書きの真下にある銀色の羽根車で空気を圧縮しています。
ツインワスプのスーパーチャージャーは、1段1速式(増速比7.15:1)の単純なものです。つまり羽根車が1段で、高度によって回転数が変わる変速機が付いてない1速ということです。


前方には遊星歯車式減速機が見えるようになっています。エンジンの回転をプロペラと直結させると回転が速すぎてプロペラ先端が音速を超え却って推力が無くなることがあるので、減速機を噛ませて適正な回転数に落としてやる必要があります。同時に歯車のトルクを使って大きな力に変換させる役割もありにけり。
ここらへんはよく知らないので資料館の説明をそのまま拝借すると、ツインワスプの減速比は2:3、遊星歯車式を使うのは入力軸と出力軸を同軸上に配置できるからだそうな。


プロペラスピナー部分もカットモデルになっています。
1930年代では可変ピッチプロペラが一般化しましたので、これもそうなっています。プロペラは1翅ずつ独立していて、速度ごとに適切な迎角に調節することで効率化を図っています。

こういうエンジンのカットモデルは日本の航空博物館ではよく見られる展示でありがたいです。逆に航空機の本場アメリカやカナダではほとんど見ません。スーパーチャージャーや遊星歯車式減速機をまじまじと見たことは無かったので、これはありがたかったです。

というところで今日はここまで。



東南project ~God’s Blessing on This Wonderful Singapore! その16【2018/2/9~13】

2020-10-05 23:10:59 | 海外旅行記
シンガポールエアショーの地上展示区画にやってきました。一番手前にいるのはシンガポール空軍の機体です。これはご存知F-15Eのシンガポール版のF-15SGストライクイーグルです。


F-15Eの韓国向け輸出型F-15Kとだいたい同じ機体なのだそうな。ただし独自仕様もあり、分かりやすいのが垂直尾翼の根本の後ろへ向かって生えているアンテナです。あとは垂直尾翼の先端から生えているアンテナも独自仕様らしいです。
ちょっとした違いですが無視できない違いなのでプラモデル化にはあまり恵まれておらず、ハセガワが1/72縮尺で限定版を一度出しただけになっています。シンガポールから帰った後、そのプラモデルが欲しくなってしまったのですが、今では入手難なので中々手に入りません。今でも地方の模型店に行っては無いか探していますが、手に入る日は来るのか。ていうか再生産して。


F110エンジンの噴流口です。自衛隊の航空祭でF-15Jのエンジンノズルを見た時は絶対にプラモデルでやりたくないやつと思わせる形状をしていたんですが、SG型だとそうでもないですね。ていうかF-16系と同じ形状?


垂直尾翼です。


主翼です。頑張れば下面に手が届くかもしれませんが、航空機なんてどこを触ると壊れるかを知らない奴がおいそれと触るもんじゃないです。


戦争でもする気かよというくらい爆弾とミサイルを積んでますがな。SG型の原型になったF-15Eは戦闘爆撃機なので、こういう爆弾ガン積みが得意。
ミサイルは手前がAIM-9サイドワインダー、奥がAIM-120アムラームで、爆弾は上のがGBU-31ジェイダム、下のがGBU-12ペイブウェイだと思います。しらんけど。
なお装備されているのは全て模擬弾 (Inert; 不活性) なので、そういうことだと思ってみておいてください。ただ、ガワは実弾と同じなのかもしれない、というくらいにはよくできています。


バルカン砲です。


兵装を前から。空いている兵装担架がいくつかあって、まだまだ積めるのよという。


AN/AAQ-13航法ポッド(左)とAN/AAQ-33照準ポッド(右)です。この2つを組み合わせて使います。


正面から。操縦席に座ることもできたんですが、並ぶの嫌だし・・・。


反対側から。


次に黒鉄重工の人気戦闘機のひとつ、F-16D+ファイティングファルコンです。細かいこと言うとBlock 52+だそうな。


F-16やっぱりかっこいいんよ。F-16の操縦席といえばリクライニングの深い座席ですので、これは操縦席に座っておくべきだったかも。


空気取入口の外側には何かの照準ポッドがありにけり。


胴体には追加燃料タンクがあります。既に機内に追加できる場所がないので、機外に無理やり追加しています。


爆弾とミサイルですな。


兵装は今のF-15SGと同じものでしょう。


このD型、戦闘爆撃機としての側面も強くてですね。空気抵抗増の追加燃料タンクとかセンサーの詰まった機外取り付けのドーサルフィンとか。ジョン・ボイドがこの変わり果てたF-16を見たらキレ散らかすんじゃなかろうか。


後ろはまあF-16。


この形態ズバリのプラモデルは確か無かったんですよね。


エンジンノズル内側。プラモデルの参考にと。といってもノズルの内側は成形品の抜けの関係でちゃんとした形状になっているものはほとんど見ないんですけどね。こだわる人はサードパーティのレジンパーツを買ったりするんですが、黒鉄重工のプラモデルは低予算低姿勢低カロリーが流儀なのでそういうのには縁がないです、きっと。


もう1機いるF-16DですがBlock 52D相当のものだと思います。胴体追加燃料タンクが付いていないので、Block 52+よりは古いです。


これも操縦席に座れます。ただ、ハシゴがあると全体をきれいに写せないっていう。


こんな爆弾ばかり積んで戦争でもする気かよ、と思うわけですが、やっぱりマレーシアあたりが仮想的なんですかね。


翼端のミサイル、意外とあんなにおじぎするんだと思いました。よく見ると主翼下兵装担架からぶら下がっている爆弾も同じくらいおじぎしていますね。

ちなみにこのBock 52D仕様のプラモデルはハセガワが出していて、今は私の家に1つ積んであります。いつ作るんでしょうか。

というところで今日はここまで。


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東南project ~God’s Blessing on This Wonderful Singapore! その15【2018/2/9~13】

2020-10-04 21:04:46 | 海外旅行記
2018年2月11日(日)8時3分
ハイ・ロード・マーケット&クック・フードセンター 
3日目の朝です。朝食は昨日の朝と同じ黒鉄重工前線基地のホテル最寄りのホーカーズまで食べに行きます。色々な店が集まっているので昨日とは違う料理を食べてみることにします。


名前は忘れてしまいましたが、マレーシア系の料理です。米飯の上におかずが6種類くらい無造作に乗っかっています。チキンレッグ、豆と死んだ魚のなにか、もやしとほうれん草、肉団子、野菜のなにか、ですね。
どれも美味しかった記憶しかありません。しかも一度に色々なおかずを食べられてお得なのだ。
飲み物はマンゴーラッシーとルートビア。昨晩にルートビアが簡単に手に入ることを知ってしまったので、今まで飲めなかったうっぷんを晴らすように飲むようになってしまいました。


ホテルで荷物を取り出したら出発です。今日は、今回最大の目的、シンガポールエアショーへと向かいます。
まずは昨日と同じようにユーノス駅へ行って、パシール・リス方面のMRTの電車に乗ります。


集合場所のシンガポール・エキスポに着きました。人混みができていましたが、自衛隊の航空祭ほどじゃないかな。
んで、チケット確認と手荷物検査がこの後控えているのですが、この混雑だとだいぶ並んで待つだろうなぁいやだなぁと思っていたんですが、大量の係員と機材の動員と見事な列形成で非常にスムーズな進行で感動しました。しかもこれらは冷房の効いたエキスポ館内で行われたので汗一つ書くこと無く次の段階へと進めたのです。こんなに気持ちの清々しい行列待ちは初めてでした。


ざっと館内にいた数百人の検査をものの15分で片付けられた後は、エキスポから会場までシャトルバスで移動です。こんな台数どっからかき集めてきたの?通常運行の方は大丈夫?と心配になるくらいの動員でした。すげぇ。


なお座れんかった模様。この時点で乗車時間は知らされていません。


シンガポールの僻地みたいなところを走っていきます。ていうか海岸沿いの開発中の地区のようです。シンガポール、新たに開発しようと思うと海を埋め立てていくしか無いので、これもそうなのかな?


あ、飛行機だ。そろそろだね。


なんだかんだ乗ってから降りるまで30分くらいかかったなぁ。もう疲れた。


同日10時14分
シンガポール チャンギ・エキシビションセンター
つーわけでシンガポールエアショー2018の会場に着きました。このタイトルがプラモデルのランナーになっているのがとても良いです。でもプラモデルメーカーの出展はナシ。
シンガポールエアショーは2年に1度、偶数の年に開催される航空展です。本来は軍用/民間航空業者の商談会・見本市で、これは平日に行われます。その後の土日には民間人にも一般公開されます。
ただ、業者の商談が主イベントなので一般公開日には用がないと業者日が終わるとさっさと引き上げてしまう企業もありにけり。エアショーを100%で楽しみたいならどうにかして業者日に入らないとなりませぬ。

ちなみに奇数年には隣のマレーシアでエアショーが開かれます。2021年はこれに行きたいなーと以前から温めていたんですが、COVID-19のせいで開催しないと思います。よってお預け。しくしく(泣)


初めて見る飛行機ばっかだーとウキウキしながら進みます。日本やカナダのエアショーとそう変わらないね。
ちなみに会場はチャンギ国際空港の東にあるチャンギ・エキシビションセンターというところだそうな。


飛行展示もするのでそれ目当ての客が陣取りをしていました。コンクリート大平原で屋根もないので直射日光とその照り返しによる包囲殲滅戦との戦いでもあります。


飛行展示までは時間あるし、地上展示の方へ行ってみます。その途中にあったのがこれ。動けるデブとして私に知られるF-35戦闘機・・・のモックアップです。


ここはロッキード・マーチンの出展区画で、それでこのモックアップを置いてあるということです。モックアップだから運んでくるだけでも大変だろうなあ。
F-35自体は実はこの後実機を見ることになるんで、ここではテキトーに流しましょう。


機密のため一般人は近づくこともかなわないF-35ですが、これはモックアップなのをいいことにコックピットを公開しています。


プラット&ホイットニーF135エンジンのモックアップです。


会場の地上展示機はこんなかんじ。ただし業者日だけ展示していた機体もあって、実際は幾分か少ないです。順番に見ていきましょう。

というところで今日はここまで。


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【1/700】航洋艦晴風 最終形態/初期形態(ハイスクール・フリート)【ギャラリー】

2020-10-03 22:52:00 | 模型ギャラリー
キット:1/700 艦NXハイフリ3 陽炎型 航洋直接教育艦 晴風(最終形態)+陽炎型(浜風or舞風)2隻セット
仕 様:晴風最終形態/初期形態

「ハイスクール・フリート」から1/700晴風を2隻分作りました。アニメ第1話の原型である初期形態と、最終話までの間に改造が加えられた最終形態の2形態で作り分けました。
ただしひとつのキットには晴風1隻分のデカールしか入っていないので、以前護衛艦のプラモデルを作った時に余らせたデカールを流用して対応しました。

晴風って全くの架空艦だと思っていたんですけど、史実では戦艦大和建造予算確保のためでっち上げられた架空の3隻の陽炎型が、劇中世界ではこれらも建造されたものなのだそうな。


まずは初期形態。外観はほぼ史実の陽炎型に近いです。設定上、中身はだいぶ異なっているようですけど。


横。


後ろ。





艦首。スキッパーというモーターボートみたいなものが内火艇の替わりにあるのが特徴か。


中央。
小さい機銃もスナップフィットさせているので大したもんだと思います。


艦尾。


次は最終形態。主砲がMk.39 5inch砲に換装されているのが分かりやすい違いです。名前から読み取れる通り元はアメリカ海軍の砲です。


日本の駆逐艦にアメリカの主砲のアンバランスさが急造感を出していてよさみです。





艦橋上部の射撃管制装置も主砲に合わせたものに交換されています。


中央部は変わりなし。


艦尾。

以上、航洋艦晴風最終形態/初期形態でした。

【フジミ1/700】航洋艦「晴風」 製作(ハイスクール・フリート)

2020-10-01 23:21:36 | 艦船模型製作記
「はいふり」こと「ハイスクール・フリート」に登場する主役メカ、「晴風」を作ります。これを作ったのは今年の冬ですが、当時はもうすぐ劇場版の公開近しという時期で、それまでに作っておかないとな~~~と思って棚に積んでいたいのを叩き起こして製作に取り掛かりました。

キットはフジミ製です。艦船模型ながらスナップフィットの、フジミが言うところの艦NEXT仕様のキットになっています。
中身はフジミが得意とするところの2組セットになっていますが、1つは晴風の最終形態、もう1つは通常の陽炎型(浜風か舞風の選択式)になっていて、少し中身が違います。

晴風最終形態はともかく、浜風/舞風は劇中で特に印象に残るカットがないので(ほぼモブキャラ扱い)作る気が起きませぬ。よってここは、晴風の初期形態を作ることにして、両者の変化を見比べられる趣向にしようと思います。


艦NEXTを手に取るのは初めてです。スナップキットで基本的に接着剤は使えない縛りになるので、船体や甲板には普通の艦船模型では見られない合わせの孔がボコボコ空いていますし、複数の面を貼り合わせて作る船体上の構造物はスライド金型を駆使して1点に落とし込んでいます。よくぞここまで。


フルハルモデルなのも嬉しいところ。船底の部品はやや透け気味だったので、裏側に塗料を塗って透けを無くしました。
塗ったのは紫ですが特に意味は無くて、余っているアクリジョンの消化のためです。


飾り台は金色で塗ります。


スナップキットではつきまとう問題ですが、部品に塗装すると塗膜の厚み分嵌合が渋くなって嵌めづらくなる問題が起きます。
艦NEXTの場合、元々の嵌合の渋みがガンプラの感触とは違っていて、そこでまず苦労するのだ。あとは、スクリューの推進軸のような細い部品も圧着で固定するので折らないように気を使います。
嵌合の部分はピンの塗膜を落とすか、塗装前にマスクするかといった手間は必要になりますがな。


内火艇と魚雷発射管。魚雷の弾頭は実弾の黒と模擬弾の赤で作り分け。黒い方を最終形態に使います。
でも赤い模擬弾は初め1発しか装備していなかったなぁというのをこの後思い出しましたが時既に遅し。


船体の軍艦色は普通の軍艦色(2)です。横須賀所属なのでね。
赤帯はデカールを貼り付けるのが大変です。少し失敗もあります。
船首のハルナンバーは、2隻ともY467です。なおY467のハルナンバーはキットには1隻分しか入っていません。私の場合、以前ピットロードの護衛艦を作った時に余ったハルナンバーのデカールを取っておいたので、それを流用することで2隻とも晴風の番号にすることができました。両者は字体が微妙に違うのですが、遠目から見る分にはおなじに見えるのでヨシ!です。
写真を撮り忘れましたが、船尾の「はれかぜ」の文字もキットには1隻分しかはいっていません。これは、まずキットに入っている「はまかぜ」のデカールと、同じくピットロードから流用した護衛艦から「れ」だけ拝借して、はまかぜの「は」と交換することで「はれかぜ」をでっち上げました。何とかなりました。


艤装してクリアコートを吹いて完成です。


初期形態と最終形態の違いは主に主砲と艦橋上部の射撃管制装置です。史実の陽炎型には無い装備が胸アツです。ただしこれらの武装そのものは実際にあったものです。
これをどうにか作ろうと、はじめはピットロードの武器セットを探していましたが、そのうちにフジミが新しく金型起こしてまでズバリというのを発売してくれたので感謝です。この調子なら劇場版仕様も出してくれるものと思っていましたが、これは叶いませんでしたね・・・。


船体の赤帯は意味不明だったんですが、劇場版でこの赤帯が横須賀女子海洋学校の識別帯であることが分かりました。


晴風2隻を同時に作ることができて楽しかったです。

マスト等本来極細の部品は太くされていて印象が悪くなっていますが、それ以外は通常の艦船模型と変わらぬディテールを持っていて、アリじゃんというふうに思いました。プラモデルを作る時の選択肢が増えるのは良いことですな。甲板が成型色で色分けされているのも、マスキング不要に繋がるので塗装するにも利点が有りにけり。


ちなみに、無事に作品公開前に完成することができまして、完成時の高揚感のまま映画鑑賞に臨めましたぜ。

完成品写真はギャラリーにて。

<使用塗料>
船体:H83軍艦色2
船底:C29艦底色
船底裏透け止め:N39パープル
リノリウム:TS69リノリウム甲板色
スクリュー、飾り台:H9ゴールド
内火艇:XF59デザートイエロー
魚雷(模擬弾):XF7フラットレッド
魚雷(実弾)、煙突:XF1フラットブラック
主砲キャンバス:X2ホワイト
スキッパー上部:N32ジャーマングレー
スキッパー下部:BN3ベースレッド