露ながら 折りてかざさむ 菊の花
老いせぬ秋の 久しかるべく
=紀 友則=
通釈は・・・
「露が置いたまま手折って冠に挿しましょう菊の花を。老いることのない秋が
長く続くように・・・」
菊は、中国原産。
菊は、ヨーロッパに入って墓に供える花となり。
近年この思想が日本に入り、特に白菊は「葬儀」の花となりつつある、とか。
中国では「菊」に宿った露だけを摂って、千年を生き延びたと言う。
「菊慈童」のお話が残っています。「謡曲」にもあるようです。
このように長寿を寿ぐ花も時代と共に、変わる行くのですね。
人の世も然り
・・・巡る、巡るよ、時代は巡る 喜び悲し繰り返し・・・
遠い山から吹いてくる
こ寒い風に揺れながら
気高く清く匂う花
きれいな野菊
薄紫よ
小学校唱歌を思いだして、ちょっとしんみりした秋の一日でした。