Buddy's Best/The Buddy Collette Quintet
(Dooto DTL245)
(Dooto DTL245)
ここに興味をお持ちのジャズファンの皆さんはもうご存知かも知れませんが、今日はDootoneレーベルの話をしましょう。Dootoneといえばジャズファンの方は真っ先に思い出すのが、デクスター・ゴードン(DTL207)とカール・パーキンス(DTL211)の両アルバムだろうと思います。いずれもオリジナルはものすごい価格で取引されている今でもコレクタ垂涎のアルバムですよね。このレーベルは元々、トランペット奏者のWalter (Dootsie) WilliamsがLAに設立したマイナーレーベルでR&B、ゴスペル、スピリチュアル、R&R、コメディなどが大半を占めますが、ジャズアルバムが4枚あります。前述の2枚と本日アップのBuddy Collette, そして未だ手にすることができないCurtis Counceの4枚です。もっとも、57年1月にDootoneからDootoにレーベル名を変更します。この変更のいきさつが名前がにてていたDuo-Tone Recordsとの訴訟回避が目的だったと言います。結局DTL224からはDootoラベルに変わります。コレット(DTL245)とカウンス(DTL247)盤はDootoが原盤となる訳です。ラベルもDootoneではマルーンラベル、Dootoではイエローラベルとなります。もちろんゴードン盤、パーキンス盤のオリジのラベルはみたこともないのですがおそらくマルーンラベルと思います。
本日は最も人気薄と思われるコレット盤のアップです。これが録音もさることながら、分厚い盤のオリジナルで、当時LAでコレットがチコ・ハミルトンでのプレイを経て、マルチリード奏者として、さらにはコンポーザー、ディレクターとして相当に知られた存在であることを示しており、タイトル通りの彼のベスト盤と言えると思います。メンバーはBuddy Collette(fl, cl, as, ts), Gerald Wilson(tp), Al Viola(g), Wilfred Middlebrook(b), Earl PAlmer(ds)のクインテットです。A-1の"Soft Touch"は牧歌的なフルートからコレットらしい渋み溢れるプレイが聴かれます。スタンダードのA-3"My Funny Valentine"やB-1"Orland Blues"の艶やかなクラリネットもいいですね。Wilsonのドーハムばりの美しいトーンのトランペットも聞き物です。そして白眉はチコのバンドでも有名なB-2"Blue Sands"です。こんなクールな名演はそうないですよね。コレットのフルート、チコを凌駕するようなパーマーのドラミングに唸るはずです。
所有盤はDootoのイエローラベル、両溝のオリジで、素晴らしく芯のあるある音で録音されていて、コレットのベストにあげたいですね。