Elis &Tom/Elis Regina &Antonio Carlos Jobim
(Philips 6349 112)
(Philips 6349 112)
万人が認める女性ボッサシンガーのスタイルはアストラッド・ジルベルトに代表されるささやきスタイルだろうと思います。最近人気の小野リサさんのスタイルもそうですよね。一方、ボッサというには?って感じのビート感、エレクトリックサウンドにもぴたりと嵌ったスタイルで主流のアストラッドとは両極端とも思えるシンガーがエリス・レジーナです。本日アップのこのエリスと巨匠ACジョビンとの共演盤は、2005年刊の”ボサノバCD100選”で「ボサ史上、もっともよく知られたアルバムの一枚」と紹介された名盤です。
なんと言ってもA-1の"3月の水”の存在が大きいですよね。ブラジル音楽の中でも最も知られたバージョンと言われています。“3月の水”というとジョアンのポリドール盤が知られていますが、これと双璧とも言うべきボーカルを聴けます。ジョビンとのデュエットは掛け合いの妙、笑い声まで聞こえる楽しいボーカルが印象的です。全曲ジョビンの作曲ですが、アレンジがエリスの夫セザール・カマルゴ・マリアーノの主導権で行われているところがポイントです。ジョビンの美しいメロディはどんなアレンジが入っても不滅であり、"So Tinha De Ser Com Voce", Triste", "Corcovado(Duo) "や"Chovendo Na Roseira"等のエリスのボーカルもすばらしいですよね。
所有盤はブラジル、Philips盤のオリジナルでgatefold coverです。1973というやや新しめの録音ですが、ボッサ史上に燦然と輝く必聴盤です。