Jazz In Japan/Toshiko Mariano and Her Big Band
(VeeJay VJS-2505)
日本のジャズの牽引者は今も昔もこの人「秋吉敏子」以外にないと言っても過言ではないですよね。敏子のアルバムは結構所有していますが、アメリカから見た60年代日本ジャズを捉えた”Jazz In Japan"をアップします。日本コロンビアのproduceで64年にTBSスタジオで録音されたアルバムでレナード・フェザーの監修というのも興味深いですね。金閣寺がジャケット写真に掲げられ 当時のアメリカ人から見た日本のイメージなのだろうと容易に想像がつきます。
基本的にはビッグバンドで全メンバーの記載は割愛しますが、トランペットに日野皓正、伏見哲夫、アルトに鈴木重夫、テナーに宮沢昭、松本英彦、バリトンに原田忠幸のクレジットがあります。リズムは敏子、Paul Chambers Jimmy Cobbのトリオです。A-1は古くからのレパートリー「木更津甚句」です。鈴木(as)とJimmy Cobb(ds)がfeatureされます。カラフルなエキゾチックな楽想がアメリカでもうけたのでしょうね?。続く"Lament"はJ.J.Johnsonの有名なナンバーで敏子/Chambers/Cobbのトリオで演奏されます。ピア二スティックな敏子と重厚なチェンバースがすばらしい。自分が最も好きなのがAラスの"The Shout"です。夫チャーリーのアレンジによる12小節ブルースです。無伴奏で出る原田のバリトンサックスが印象的で敏子のソロもブルージーで最高ですね。B面は"Israel"で始まりますが、敏子の唸りを伴ったソロはまさに「女パウエル」のおもむきです。鈴木のアルトのソロもよいですね。続く"Land Of Peace"はレナード・フェザーの曲ですが、ここでは宮沢とスリーピー松本のテナーがfeatureされます。続く"Walkin"ではスリーピーはソプラノに持ち替えますがコルトレーンの影響を感じますね。最後の"Santa Barara"はチャーリーのオリジナルで伏見のトランペットのソロが聴かれます。確証は得ていませんが64年でChambers, Cobbがともに来日していたとなるとウィントン・ケリー・トリオが来日したときに合わせて録音されたものでしょうか???
所有盤はVeeJayのステレオ盤、レインボウラベルです。ジャケは金閣寺をあしらったgatefoldカバーです。おそらく日本でも発売されているのだろうと思いますが情報がありません。ご存知の方がいればコメントいただければ幸いです。