Lucky Is Back!/Lucky Thompson
(Rivoli LPR-40)
(Rivoli LPR-40)
マイルスのウォーキンのテナーと言えば、本日の主役ラッキー・トンプソンですよね。年代的には古いプレイヤーですが、ヨーロッパから帰って来て1967年NYCで吹き込みをしたアルバムが本アルバムです。とにかくこのカバーが好きなんですよ。船でヨーロッパから帰って来たぞ!みたいな出で立ちで、コート、マフラーを抱えて波止場に佇むトンプソンを捉えたカバーが最高にクールですよね。
メンバーはLucky Thompson(ts, ss)とTommy Flanagan(p), Willie Ruff(b), Walter Perkins(ds)のワンホーンカルテットです。67年と言うと、フリージャズ全盛で、モード、ジャズロック、ボッサと多様性を極めた時代ですが、トンプソンにトミフラのトリオと言うメインストリームジャズが展開されているのがいいですよね。A-1の"LOVE"の哀愁に満ちたテーマを聴くと、やはりいつの時代でもこのスタイルに勝るものはないと感じてしまうのは自分だけでしょうか。欧州から帰国し「やってやる」という気概に満ちたトンプソンのプレイは言うに及ばず、この時代仕事に恵まれていたとは言えないフラナガンのリリカルなピアノはさすがです。B面では、ソプラノを駆使した"WILLOW WEEP FOR ME"が聴けますし、最後を飾る"MY OLD FLAME"のプレイも捨てがたい魅力がありますよね。
このRivoliというレーベルについても浅学で解説できないですが、このカバー一発といい意味でのノスタルジックスタイルは是非聴いてみたいと思わせる一枚です。なかなか手に入れることができなかった一枚ですが、Rivoliのステレオオリジナルと思います。時代を反映したクリアな録音はさすがですよね。