Romance/Osacar Peterson
(Verve MV2688, jp.reissue)
(Verve MV2688, jp.reissue)
ジャズメンのボーカルって言うのは上手い下手は別としていずれも味わい深くまさに「粋」という言葉がふさわしい。いずれもセカンドインストルメント言うべき肉声を聴けるのもいいし、自分で伴奏をつけるので伴奏者とぶつかることもないですよね。ピアニストのボーカルというと、真っ先に思い出すのがナット・キング・コール(以下NKC)ですがOPのボーカルはこれを踏襲したものであり、ちょっと聴いただけではナットのボーカルと思ってしまう曲もありますね。今日は、OPの肉声を存分に楽しめるVerveの一枚、"Romannce"をアップしますね。
メンバーはNKCのトリオと同じ構成のピアノ、ギター、ベースのトリオです。当時のレギュラートリオとも言えるOP(p, vo), Barney Kessel(g), Ray Brown(b)でB面の2曲でケッセルとHerb Ellis(g)が交代します。録音は52-54年です。OPの若々しい声はNKCそっくりだし、ピアノも快調ですよね。Kesselのギターのイントロで始まる"I'm Glad There Is You"から始まるNKCライクなボーカルにグッと惹き込まれますね。選曲もすばらしく渋く、A面では"Polka Dots And Moonbeams", "I Hear A Music", "Autumn In New York", "I Can't Give You Anything But Love", "Spring is Here", B面の"These Foolish Things", "From This Moment On", "Too Marvelous For Words" , "But Not For Me"などが収録されています。特に素晴らしいのが A面では"I Hear A Music"のNKCさながらのボーカルです。そっくりです。"I Can't Give You Anything But Love"のピアノソロが快調で好きですね。B面冒頭の適度にハスキーに迫るバラード"These Foolish Things"の情感もいいし、続く"From This Moment On"のスウィンギーなボーカルも捨てがたいですね。
ちょっと変わったOPですが、ボーカル好きにははずせない一枚と思います。所有盤は国内盤再発ですが、女性の顔のアップのカバーも忘れられないですよね。