Watkins At Large/Doug Watkins
(Transition 20, jp.reissue)
(Transition 20, jp.reissue)
凄いマイナーレーベルの希少盤が、1970年代後半以降にいくつか発売されました。自分の記憶では、おそらく自分が手許にあるこの再発盤を購入した時のみしか発売されてないと思われるアルバムがいくつかあります。トランシジョンはボストンのマイナーレーベルですが、SJ誌でこのレーベルが再発されるという情報を得たときには小躍りした記憶があります。発売日に当時、新潟の古町商店街にあった石山レコードでこのアルバムを手にしたときには満足し、レコードを入れた袋を持ってすぐさま昭和新道にあるジャズ喫茶『フラッシュ』に持ち込んでかけていただいた記憶があります。
リーダーは当時のハードバップセッションにはポール・チェンバースと並び書く事が出来なかったベーシスト、ダグ・ワトキンスです。おそらく内容的には彼のベスト、脇を固めるサイドメンもDonald Byrd(tp), Hank Mobley(ts), Kenny Burrell(g), Duke Jordan(p), Arthur Taylor(ds)というそうそうたるメンバーで、気骨のあるハードバップを聴かせてくれます。A-1のブルースからワトキンスの太くうねりを感じるようなウォーキンブベースが現れ、バード、モブレイ、ジョーダン、バレルの好ソロが聴かれます。A-3のモンクの“パノニカ”のバードのブリリアントなオープントランペットが実に気持ちがいいですね。B面にはいってもバードは、ゼ好調!同年にワンホーンアルバムを同じトランシジョンに録音していたバードのプレイはプロデューサー、トム・ウィルソンに相当に評価されていたのも頷けますよね。ジョーダンの一人傑出した落ち着きのあるソロも聴きものです。まあ、このメンバーなら悪い筈がありませんよね。
さて、この再発盤。バックカバーが、茶色のモノトーンで何の記載もありません。前述のバードのワンホーンの再発も、何も記載がない装丁ですよね。おそらく、何も書かれていなかった筈はないと考えるのは自分だけでしょうか。購入した役30年前から持ち続けている疑問です。やはりオリジナルは何か書いてあるんでしょうね。どうせ再発するのなら、ここまではきちんとして欲しかったなぁ・・・。