Facing You/Keith Jarrett
(ECM 1017 ST US. reissue)
(ECM 1017 ST US. reissue)
ECMレーベルはドイツ/ミュンヘンで1969年、Manfred Eicherの手で設立されたレーベルで、クリアな透明感溢れるサウンドには定評がありますよね。所謂、バップ的な作品群を作って来たアメリカ的なものとはほど遠くジャズの領域にはとどまらない現代音楽的な要素も垣間見える作風を感じます。ソロピアノというのもこのレーベルを代表する1ジャンルと言えると思います。キース・ジャレット、チック・コリア、ポール・ブレイは代表的御三家と言えるでしょう。本日は、ECMのソロピアノの金字塔的作品ともいえるキースの第一弾"Facing You"をアップいたします。
この作品はマイルスバンドがヨーロッパ公演をしたときに、録音されたものです。ソロですから、勿論キース1人の演奏です。ECMのキースのソロと言うと最も印象に残っているのが1975年録音のケルンコンサートで、大学に入ったばかりの自分はジャズ喫茶と友人の部屋でフレーズ、その展開を覚えるほど聴いた事を思い出します。それからさかのぼる格好で聴いたのがこのFacing Youです。In Frontから始まり全編を支配する牧歌的叙情性がクリアなサウンドで貫かれており、妙に気持ちがいい。これは当時ジャズという認識では捉えられにくかったのではないかと想像しますよね。でも時々無性に聴きたくなってしまうのがこのLPですね。
所有盤は米ポリドールから出されたアメリカ盤です。学生時代に買ったものですからECMオリジナルなんて考えなかったよなぁ・・・。