Al Cohn's Tones/Al Cohn
(Savoy MG-12048)
(Savoy MG-12048)
今日はズート・シムズとの白人テナーバトルで有名なアル・コーンのサヴォイ盤をアップしてみます。アル・コーンと言うとレスター・ヤンフのスタイルを踏襲したビッグで男性的なトーンのテナーサックス奏者として知られていますが、アレンジャー、コンポーザーとしての仕事も評価されており、そのマルチな才能は何となく知的な雰囲気を与えますよね。また、このRCA盤ではカバーデザインとしても採用されたトレードマークとも言える眼鏡が実にカッコいいアーチストでもあります。人気では、ズートに劣るのでしょうが彼もやはりハーマン楽団生え抜きの白人テナーとして忘れる事が出来ないソンザイですよね。
このサヴォイ盤には2つのセッション、53年と50年の録音が収録されています。前者はAl Cohn(ts), Nick Travis(tp), Horace Silver(p), Curley Russell(b), Max Roach(ds)の五重奏団、後者がAl Cohn(ts), George Wallington(p), Tommy Potter(b), Tiny Kahn(ds)の四重奏団の演奏です。全部で8曲が収録されていますが、うち6曲がアル自身のオリジナルで固められ、彼の非凡な作曲才能が感じられます。特にA-1.2, B-1.2の4曲を演奏するクインテットの演奏は、録音もよくアルの太いテナー、コントロールの利いたトラビスのトランペットが聴きものです。また強烈なコンピングでサポートするシルバーの好演も見逃す事ができませんよね。カルテットの方も当時のバップ時代を代表するピアニストでもあったWallingtonの演奏が貴重だと思います。
所有盤はサヴォイのレッドラベル、シルバーロゴのおそらくオリジナルモノラル盤です。コーティングが利いたモノクロカバーでコーンの眼鏡を捉えたカバーがお気に入りの一枚ですね。