採点実感の分析修得が合格のために必須作業であることは周知のとおりですが、実際に正しい形で実践できているかどうかはまた別の話です。読み物として読んだだけでは無意味なのはもちろんですが、単に「今年の問題では、こういう答え方はダメで、ああならいいのか」でもまだ50点です。
大事なことは、毎年の問題と受験生の解答を例に、試験委員が受験生に教えよう、伝えよう、としていることは何なのかを突き詰めることです。汎用性のあるかたちでメッセージを受け取らなければ、その「アドバイス」を今後に活かせないからです。
つまり、採点実感で述べられている具体的な記述部分は、試験委員が「あること」を受験生に教えるための「例題」なのだ、と思えばいいのです。通常は、「抽象的な命題」→「その具体例」という「上流から下流へ」の思考となりますが、「具体例」から「抽象的な命題」を導く、という本試験同様の「下流から上流」への思考が要求されています。この点を留意して貰えればと思います。
しかし「下流から上流へ」って、久しぶりに用いた表現だな 笑