条文と事例慣れ

2017-07-08 13:25:50 | 司法試験関連

会社法に苦手意識を持つ人は多いですよね。「実はあまり事例慣れしていない」と言うのは私が注意を喚起していることです。

商法は,判例を読む際に,あまり事実関係を読み込んでいない人が多いと思います。民法も似ているところがあると思いますが,百選を読むにしても商法の場合は,論点名と結論が分かればとりあえず良し,的なところがあり,いわゆる「本件事案の特殊性」なり「事実の評価」なりはあまり気にしていない人が多いのではないかと思うのです。

そのため,判例学習において「生の事実関係に触れる機会」が他の科目にくらべて少ないのです。更に短答の問題も,民法や刑法などは,事例にして聞いてくることが多いですが,商法は,抽象的に条文内容の正誤を聞いてくる○×問題パターンが圧倒的なので,ここでも事例に触れる機会がありません。これは結構な盲点です。

また、本試験ではそのような短答すらありません。短答がないため、法科大学院組は予備組に比べて会社法の条文検索能力に劣る可能性があります。この点は注意しましょう。夏の間にせっせと条文と向き合うといいと思います。

おまけに旧司法試験の論文問題は商法は抽象度が高いものが多く(事実上の1行問題的なものが大半),ここでも細かい事実関係に触れる機会が少ないのです。

会社法については、学習環境がそのように特殊である、ということを念頭に置いて、事例慣れする、事実関係に触れる、ということ意識するといいと思います。

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