もう10年近く前のこと。
欧州出張でロンドンの街を「視察(観光ともいう)」をしていると、セントポール寺院の近くで、古色蒼然とした、しかし立派
な建物の前を通りかかりました。
玄関の上に刻まれた文字は、
COLLEGE OF ARMS
直訳すれば「武器大学」となりましょうか? でも、それではさっぱり意味が判りません
さっそく調べてみると、「College of Arms」は、「紋章院」というお役所で、Wikiediaの記述を引用すれば、
紋章院は、新たな紋章をデザインし、授与することに加え、紋章保持者(紋章を使用する資格のある者)からの出自を示そうとする人々からの多くの要請を処理する。
のだそうな。
この欧州出張に数年先立って、私は森護さんの「シェイクスピアの紋章学」という本を読んで、欧州の紋章に興味を持っていたはずなのですが、「College of Arms」と「紋章院」とを結びつけることはできませんでした。
この話は、既に5年半前のこちらの記事で書いているんですが、なんで蒸し返しているのかといいますと、こちらについて語ってみたい
と思ったからなんです。
先週末に開幕した「MISIA星空のライヴVIII -MOON JOUNEY-」のシンボルマークです。
これを欧州の伝統的な「紋章」としてみた場合どうなのか? というのが、この記事のテーマでございます。
まず、左のような様式の紋章は「大紋章(Achievement)」と呼ばれる「飾り付き」のもので、狭義の紋章は、大紋章の中央部に位置する盾型の部分で、「小紋章(Escutcheon)」と呼ばれます。
そうそう、日本の「家紋」が、その名のとおり、「家」を象徴するものであるのに対して、欧州の「紋章」は「個人」を表すものだそうな。
そして、「小紋章(Escutcheon)」は、複数の意匠が組み合わされたものが多いのだとか。
例えば、畏れ多くも英国国王の大紋章から小紋章をクローズアップすると、
「盾」が四分割され、左上と右下にはサッカー
のイングランド代表のユニフォームでも見ることができるイングランドの象徴「3頭のライオン」、右上にはスコットランドの象徴のライオンの立ち姿、そして左下にはアイルランドの象徴「ハープ(ギネスビール
を連想
)」が描かれています。
つまり、英国の国旗(こちらの記事をご参照方)と同様に、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」を意味しているんですな。
そうした観点から「MISIA★VIII」のシンボルマークを見ると、「満月」「月とウサギ(「THE TOUR OF MISIA 2004 MARS and ROSES」のルーサーを思い出す・・・
)」「三日月
」「VIII」で構成されています。
ちょっと意外性に欠けるかな・・・
ところで、「大紋章(Achievement)」は、核心
の「小紋章(Escutcheon)」の他、、ヘルメット(Helmet、兜)、クレスト(Crest、兜飾り)、マント (Mantling)、リース (Wreath)、モットー(Motto)、そして、サポーター(Supporter、盾持ち)で構成されます。
「MISIA★VIII」のシンボルマークには、ヘルメット(Helmet、兜)があり、クレスト(Crest、兜飾り)(8つの星が描かれた旗
を持つウサギ)があり、ねじりハチマキのようなリース (Wreath)があり、ヨモギの葉っぱのようなマント (Mantling)あり、と、ここまでは紋章のお約束に沿っているわけですが、、、、、あれ、サポーター(Supporter、盾持ち)が無い
なぜ????
よりによってサポーターがいないなんて・・・
と、、、、もしかして、ライヴ会場に集まったサポーター
がこのシンボルマークを完成
させるという意味ですか?
もしそうならば、「小紋章(Escutcheon)」はちぃと安易ながら、練りに練った「大紋章(Achievement)」と言えるかもしれません。
最後にネタバレギリギリなんですけど、「MISIA★VIII」ではマント (Mantling)が視覚的に活躍しておりました