名古屋旅行記を再開することにしまして、「名古屋旅行記(その3)」のつづきです。
名古屋ボストン美術館の次に向かったのは、「MISIA星空のライヴIII」遠征の時ですから2006年8月以来、9年振りとなる「トヨタ産業技術記念館」でした。
前回は名古屋駅から路線バスで行き、近くのノリタケの森にハシゴしたのですが、今回はどうするか迷いました。
この日、私は地下鉄・名古屋駅で「一日乗車券・ドニチエコきっぷ」を買っておりまして、こいつを活用するならば、
1) 金山駅⇒地下鉄・名城線⇒栄駅⇒地下鉄・東山線
⇒名古屋駅⇒路線バス
⇒…
2) 金山駅⇒地下鉄・名城線⇒久屋大通駅⇒地下鉄・桜通線⇒名古屋駅⇒路線バス
⇒…
3) 金山駅⇒地下鉄・名城線⇒栄駅⇒地下鉄・東山線
⇒亀島駅⇒徒歩(10分
)⇒…
というルートが考えられるわけですが、「一日乗車券・ドニチエコきっぷ」を無視すればもっと早く楽なルートがありまして、
4) 金山駅⇒JR東海道線⇒名古屋駅⇒路線バス
⇒…
5) 金山駅⇒名鉄・名古屋本線⇒栄生駅⇒徒歩(3分)⇒…
こちらの方がずっと楽ちんです。
結局、230円の出費を伴うものの、早くかつ歩く距離も短い「5」ルートを採用しました。
この時乗った名鉄の電車は、こちらで書いたように、乗客も広告もガラガラで、ちょいと寂しい思いをしたのですが、それもまた一興
そうこうするうち、金山駅から10分も経たずに栄生駅に到着
さらに、ほんのちょっと歩いて、「トヨタ産業技術記念館」に到着です
今回の遠征では2日目にレンタカーを利用する予定だったことからJAFの会員証
も持ってきていたもので、その優待を使って入場
「トヨタ産業技術記念館」は、その名からお察しのとおり、トヨタ(グループ)が設置・運営する博物館でして、リーフレットから引用しますと、
トヨタ産業技術記念館は、トヨタグループの共同事業としてグループ発祥の地である旧トヨタ紡織株式会社本社工場跡に設立されました。
建築史的にも貴重な赤レンガの建物を産業遺産として保存・活用し、近代日本の発展を支えた基幹産業のひとつである繊維機械と、現代を開拓し続ける自動車の技術の変遷を紹介。「研究と創造の精神」と「モノづくり」の大切さを本物の機械の動体展示と多彩な実演を通じて伝えています。
というもの。
大きく、「繊維機械館」と「自動車館」に分かれていまして、共に現物が持つ迫力と、人間の創意工夫と情熱がひしひしと伝わる傑出した博物館
なのですが、私にとっては、意外にも「繊維機械館」が響いてきます
どうしてなんでしょ?
「繊維機械館」に入ると、まず展示されていたのは、、、
綿花(レプリカ)です。
ポップコーンのように萼(がく)の上に広がった綿の固まり(コットンボール)、これが、日頃身につけている下着や服になるなんて、どういう仕組みなんでしょうか?
こんなことは、前回、「トヨタ産業技術記念館」に来るまでは、考えたことはありませんでした。
絹糸ならば、繭から細く長い糸をほどきだして、それを数本より合わせてつくっていることは知っていますけれど、綿の固まりから糸をつくり出して、それを布に織る工程というものは、なかなか判らない、というか、考えたこともない人がほとんどではないでしょうか?
綿糸は綿糸として初めからあるし、綿布は綿布として初めからあるような感じ、、、みたいな…。
トヨタの「繊維機械」とくれば、豊田佐吉が発明したというこちらの織機を連想するところですが、
ここの展示は、コットンボールから糸を紡ぐところから始まるのですよ
綿糸は、コットンボールから綿糸の固まりを均一の太さに引っ張りだして、それに撚りをかけて巻き取ることで作られます。
上の「装置」は、「チャルカ」というインドの「紡車」です(だそうです)。
説明板によれば、
紡車による糸つむぎは2段階で行なう。
まず、右手で紡錘をまわし、左手で綿の塊をもって、斜めに引っ張りながら撚りをかける。
次に、左手を紡錘の軸と直角の方向に動かし、先端の糸をくりだしたのち、ふたたび紡錘をまわして、撚りのかかった糸を紡錘に巻き取る。
だそうですが、ほとんど判らない中でも、チャルカを操る人の技能に依存していることが察せられます。
それよりも、チャルカから連想するのは、こちらの偉人の肖像でしょう。
インド独立の父、ガンジーさんです。
「イギリス製品の綿製品を着用せず、伝統的な手法によるインドの綿製品を着用することを呼びかける」運動の象徴となったのが、このチャルカでした。
チャルカは14世紀頃にインドからヨーロッパに伝わったのだそうで、ヨーロッパの紡車がこちら。
これを見て「眠れる森の美女」を連想するのは私だけでしょうか?
「眠れる森の美女」のヒロイン・オーロラ姫は、糸車で指を刺して長い眠りにつくわけですが、糸車に指を刺すところなんてあるかなぁ~
と、かなり中途半端ではありますが、きょうはここまで
平日はどうしてもやらなきゃならないこと(眠ることも含めて)いろいろありますので…