新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

埼玉県立近代美術館の企画展は今回も当たり(前編)

2016-02-29 20:46:34 | 美術館・博物館・アート/タウンウォッチング

原田直次郎展昨日、「原田直次郎展-西洋画は益々奨励すべし」を観に埼玉県立近代美術館(MOMAS)に行ってきました。

北浦和駅を出て、MOMASのある北浦和公園前の交差点まで行きますと、なんだか風景がさっぱりしています。

埼大通り「日本一長いけやき並木」が剪定されたようです。

私、埼大通りの沿道で暮らしていた時期がありまして、このけやき並木にも馴染みがあります。
初夏の若葉の頃はホントにキレイ気持ちよいのですが、になると、早くも落葉が始まって、沿道の人は掃除が大変になります。
また、けやきの根の勢いのせいで、歩道凸凹していて、歩くのが大変です。自転車にはもっと辛いぞ、きっと

それはともかく、MOMASを見物する前に、「半年前の信州旅行記(その22)松本編④」

「原田直次郎展-西洋画は益々奨励すべし」(2/11-3/27)を観に行くときに拝見してくることにします。

と書いた「旧制浦和高等学校門柱」を拝見しました。

たまたま作業用のトラックが入門した直後だったため、門が開いていますが、普段は閉じています

公園内から見た旧制浦和高等学校正門

って、この内側からの眺めは何度も見たことがありました

門柱には銘板が取り付けられていまして、曰く、

旧制浦和高等学校正門

旧制浦和高等学校ハ大正10年11月8日第20番目ノ官立高等学校トシテ創設サレ、昭和22年4月ノ学制改革ニヨリ昭和25年3月最後ノ卒業生(第26回生)ヲ送リ出シテ閉校ソノ光輝アル28年間ノ歴史ノ幕ヲ降ロシタ
ソノ間5,418名ノ卒業生ヲ世ニ送ッタガソレラ有為ノ青年ハ学術 文化 政治経済等ノ各分野ノリーダートシテ活躍シ戦後日本ノ復興ト繁栄ニ貢献シテキタ
埼玉県ナラビニ浦和市ハ同校ノ跡地ヲ公園トシテ整備シ県民ノ憩ノ場トシテ提供シタ コノ門ハ旧制浦和高等学校ノ正門デ同校ノ姿ヲ今ニ伝エル唯一ノ構造物デアル

昭和62年11月15日

旧制浦和高等学校同窓会

だそうです。
カナ遣いの文章は打ちづらい…

さて、「原田直次郎展-西洋画は益々奨励すべし」を観ましょうか、、と思ったら、音楽噴水の時刻になったので、噴水池前のベンチで一服

音楽噴水と虹

ちょうど良いの向きで、きれいにが出現しておりました

さてさて、MOMASに入館

いつもながら、MOMASエントランスのこの眺め、ごにょごにょした感じが好きだなぁ~

   

展示室入り口のタイトル看板を見ると、モダンデザインの展覧会かと思ってしまいますが、 この「原田直次郎展-西洋画は益々奨励すべし」「100年ぶりの回顧展」という触れ込みです。

図録から神奈川県立近代美術館の水沢館長による文章を引用させていただけば、

原田直次郎(1863-1899)の最初のまとまった展覧会は、没後10年の際に、画家の甥・熊雄の発案により、畏友・森鴎外(1862-1922)を中心に企画され東京美術学校(現在の東京藝術大学大学)を会場に開催されている。1909年11月28日、「原田直次郎氏記念会」による一種の「偲ぶ会」ともいうべきものであった。この初個展は、わずか一日だけの公開であった。(中略)
本展は、その日以来、じつに106年ぶりの個展である。21世紀に生きるわたしたちが19世紀の画家・原田直次郎の画集に「個展」として対峙する貴重な機会となる。

とのこと。

明治維新直前に生まれ、わずか36歳明治32年に亡くなった、まさしく日本の西洋画の先駆者の一人です。
私が初めて原田直次郎という名前を意識したのは、3年前に東京国立近代美術館(MOMAT)で開催された「美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年」(展覧会の記事はこちら)で巨大(272×181cm)「騎龍観音」(桐生観音ではない)を観たときでした。

「騎龍観音」「お持ち帰りしたい作品」ではありませんでしたので、記事には書きませんでしたが(お持ち帰りしたい作品目白押し凄い展覧会でしたし)、インパクトは大きかった…

宗教画(と言っていいでしょ)がこれほどリアルで良いのか

と思ったわけなんですが、この作品の寄託を受けているMOMATの解説によれば、

ドイツに留学した原田直次郎は、ヨーロッパの宗教画や日本の観音図の図像等を参考に、この作品を制作しました。油彩のもつ迫真的な描写を日本の伝統的な画題に適用しようと描いた意欲作です。その主題や生々しい描写をめぐって、発表当時、大きな議論を巻き起こしました

だそうで、そりゃそうだなと思います。

この作品に加えて、この展覧会のポスターにも使われている「靴屋の親爺」(タイトルも最高)、

これまた凄まじいインパクトです

では、このオヤヂが何といっているのか吹き出しをつけてみよう というなかなか気の利いた企画が行われていたのですが、ホント、何を言おうとしているのか気になります

それはそうと、「騎龍観音」「靴屋の親爺」の印象から、原田直次郎って、ゴツいイメージを持ってしまいます。

実際どうだったのか、、、、。

その話は「後編」で書くことにしましょう。
まだ原田直次郎の代表作2点しか紹介していないのに、済みませぬ

ところで、「このオヤヂが何といっているのか」、私も考えてみました。

どんな歩き方をしたら俺の作った靴がこんな風になるんだ?
スマホ見ながら歩いてんじゃねぇぞ、コラ

って感じでしょうか

つづき:2016/03/05 埼玉県立近代美術館の企画展は今回も当たり(中編)

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