「紀伊半島旅行記(その30:奈良⑥)」のつづきです。
私が奈良の街を歩き回ったのは5月2日でした。
この日の朝の散歩で見かけた市の広報板には、
5月2日 東大寺 聖武祭
というポスターが貼られていて、「聖武祭って何だろな?」と思っていました。
正式には「聖武天皇祭」というもので、聖武天皇のご命日に合わせて、その遺徳を偲ぶ法要のようです。
もっとも、東大寺のHPには、聖武天皇のご命日云々の直接的な話は書かれていません。恐らく、「5月2日」が旧暦の「天平勝宝8年5月2日」だからなのでしょう。
聖武天皇祭では練り行列なんぞも行われたようですが、私はそんなことをつゆ知らず、マイペースで東大寺の境内を散策しました
その東大寺の境内は、幡(ばん)が掲げられて、なんだか華やいだ雰囲気。
でも鹿ちゃんは、「我関せず」とばかりにまどろんでいらっしゃいました。
私、この日が「聖武天皇祭」だと奈良に来て知ったくらいですから、まったく期待も何もしていなかったのですが、「聖武天皇祭」の特典として、通常は非公開
の「天皇殿」を拝観することができました
こりゃLucky
天皇殿は、南大門を入ってすぐ右手、寺務所の区域内にあるのですが、こんなところに聖武天皇をお奉りする建物があるとは知りませんでした
普段はしっかりと扉が閉められて目立たない存在
なんでしょうけれど(気にしたこともなかった…
)、この日は菊の紋章が染め抜かれた紫の幕で目立ちまくり
門を入ると、すぐ右手にあるのが、国宝「本坊経庫」。
正倉院正倉でもおなじみ(?)の校倉造の「倉庫」です。
東大寺が創建された際に、大仏殿の裏手に油の貯蔵庫として建てられ、江戸時代に現在の場所に移築されたものらしい。
これで、私は東大寺の国宝建造物をコンプ
です
さて、この日のメイン、天皇殿は五色幕でおめかししていました。
この五色幕、遠目だと「染められたただの布」ですが、よくよく見ると
牡丹唐草文様が織り込まれていてかなり美しい
んでもって、天皇殿の内部は、寝殿造りっぽいっつうか、神社みたいでした。「拝殿」の奥から廊下で「本殿」に繋がっているみたいで…
横から見ると、ホント、神社みたいでしょ?
「拝殿」は三方が蔀戸(しとみど)になっていて、夏には心地良い風
が吹き抜けそうです。
というわけで、天皇殿は、東大寺の境内ではかなり異色の存在だと思った次第です。
結構満足
して、そして、南大門を通って、次の目的地へと向かいました。
何度観てもデカいなぁ、金剛力士像
そういえば、今秋から20年振りに金剛力士像の修理
が行われるとか。こちらの記事によれば、修理期間中は拝観できない
そうですから、お出かけにあたっては注意
が必要ですゾ。
【追記】天皇殿は、そもそも東照宮として建てられたものらしいです。神社っぽいのも宜(むべ)なるかな… (2014/07/21 22:23)
つづき:2014/07/21 紀伊半島旅行記(その32:奈良⑧)
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