
『沈黙のファイル ― 「瀬島龍三」とは何だったのか ―』、2月に読了。共同通信社社会部 編 (田中章・魚住昭・保坂渉・光益みゆき)。新潮文庫。1999年8月刊。
「第一章 戦後賠償のからくり」、「第二章 参謀本部作戦課」、「第三章 天皇の軍隊」、「第四章 スターリンの虜囚たち」、「第五章 よみがえる参謀たち」。資料編として、崔英沢・井本熊男・イワン=コワレンコのインタビュー、『沈黙のファイル』年表。
プロローグ (pp.10-11) にて、1995年6月の自衛隊幹部学校での軍事史学会で瀬島龍三は「・・・大東亜戦争を侵略戦争とする論議には絶対に同意できません」と発言しているが・・・、「瀬島は旧陸軍参謀本部作戦課のエリート参謀・・・三十歳で事実上、対米英戦の作戦主任となり、・・・四百万人の軍隊の生死を左右した。/戦後、・・・中曽根康弘、竹下登ら「歴代首相の指南役」「政界の影のキーマン」と呼ばれるまで出世階段を上り詰めた。/・・・華麗な経歴。・・・大きな謎がつきまとう。無謀で愚かな戦争の核心にかかわった瀬島が、なぜ不死鳥のようによみがえったのか。敗戦、シベリア抑留、対韓賠償、防衛庁商戦、中曽根政権誕生・・・その軌跡をたどれば、戦後日本の暗部に潜む沈黙の歴史が見えてくる」。
