『石原莞爾/その虚飾』、2月に読了。佐高信著。講談社文庫。2003年8月刊。
石原莞爾に対して、市川房枝さん (p.11) や藤沢周平さん (p.144) さえもが甘い評価を・・・。
魯迅との人間性の対比。「「ああ、もはや言うべき言葉はない」/そう思って魯迅は医学の道を捨てる。・・・/・・・同じころ、仙台にいて、魯迅は一大決心をしたのに、石原は自らの逸物を描いていた。・・・あまりに激しいコントラストではないか」(p.51)。
『沈黙のファイル ― 「瀬島龍三」とは何だったのか ―』に同様なことが描かれている。「・・・板垣と石原が・・・満州事変を引き起こした・・・放火行為や軍律違反が罰せられず、むしろ、論功行賞の対象となって栄進するという悪しき前例をつくった・・・「因果は廻る国軍」で、石原が中央の命令に服さぬ武藤らを懲罰する立場に立った時、石原を模範としてやっているといわれて引きさがってしまったことが軍紀を乱す要因となった・・・」(p.60)。