東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012090490070327.html)と社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012090402000113.html)。
閣僚を含んでいるそうだが、エネルギー・環境会議は一体どんな根拠で、原発を止めると、電気代が倍増などと言っているのだろうか。原発以外の電力を志向する世界の国々は電気代はそんなに高騰しているのか? それぞれいろんな事情は異なるだろうが、例えば、日本がお手本にすべきではないかと思うデンマークなどではどうなのか?
「エネルギー・環境会議」と謳うのならば、原発は「エネルギー」源として破綻しているし、爆発しようがしまいが、運転しようがしまいが、「環境」を汚し続ける最悪の電源であるのだから、原発に未練ありげな議論などチャンチャラおかしい。電気代が上がるぞ、なんて市民を脅し、騙すようなことをするべきではない。
第一、(脅し、騙しに過ぎないと、私は、思うが)電気代が上がろうがどうしようが、それでもどうしても、原発など止めるべきである。東京電力原発人災以降、もう御免だ、と多くの人が思ったと信じる。むしろ、チェルノブイリの時点で気づいていれば、東京電力原発人災を防げたのかもしれない。
こういう挑発や脅しに乗ってはならない。
国民生活に影響を及ぼさないよう、そういうことを考えるのが、国会議員や官僚のお仕事でしょうが。
何度も引用したけれども、『●『松下竜一未刊行著作集4/環境権の過程』読了(4/8)』の松下竜一さんの言葉から。
「「俺たちは電力を要求する。されど俺んちのそばにゃ発電所は
真っぴらごめんだ。―――さあ、あとどうするかはお国の方で考えろちゃ。
国っちゅうもんな、そんなこつ考えるためにあるんと違うんけ?」
と開き直ってうそぶけばいいのである。それが現状況で、みずからの命と
健康を守りわが里を守る住民側のしたたかな論理である。しかり、
開き直ること以外に、虫ケラ住民われらに抵抗の論理があられようか」。
そう、開き直ろう。原発だけは御免だ。大飯原発を再稼働し、不必要であったことが分かった今でも再稼働し続け、まだ稼働し続けたい、他も稼働したいとヌケヌケと言い放つ関西電力や関電社長だけに開き直らせてはいけない!
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012090401001611.html】
原発ゼロで再生エネ投資50兆円 家庭の光熱費は倍増
2012年9月4日 10時25分
政府は4日、閣僚で構成するエネルギー・環境会議を開き、将来的に原発をゼロにする目標を決める上での課題と克服策を議論した。原発の代替となる太陽光など再生可能エネルギーの拡大には、2030年までの累積で50兆円の投資が必要と試算した。30年に原発ゼロにする案では、電気代を含む家庭の光熱費がほぼ倍増するとした。
政府は策定中の新たなエネルギー・環境戦略に原発ゼロ目標を盛り込むことを検討している。課題を議論して10日までに戦略を決定したい考えだ。野田佳彦首相は実現に向けた課題をまとめるよう枝野幸男経済産業相らに指示していた。
(共同)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012090402000113.html】
【社説】
原発ゼロ社会 電気代高騰は本当か
2012年9月4日
二〇三〇年の原発比率を決める議論が大詰めだ。国民の多くが「原発ゼロ」を望む一方、政府内には電気代高騰や電力不足を招くとの慎重論がなお残る。だが、その主張にまやかしはないのか。
「原発ゼロ」でも電力不足が生じないのは、今夏が証明した。東京電力管内は猛暑日が連日続いたが供給力は勝り、西日本でも関西電力大飯原発の再稼働なしで電力が足りたのは周知の通りである。
では、電力料金高騰の方はどうか。政府は家庭の電気代について三〇年に原発ゼロとした場合、一〇年を月一万円とすると一万四千~二万一千円に跳ね上がる試算を示した。しかし、これは省エネ技術や節電行動を無視した、いわば“非現実的な数字”である。
省エネ対策を研究する独立行政法人、科学技術振興機構によると、例えば消費電力が多い家電を一九九五年製と〇五年製で比較すると、消費電力はエアコンで43%減、冷蔵庫は実に72%減だった。
こうした省エネ性能の向上や節電の広がり、さらに次世代自動車や省エネ住宅などの普及予測から、年間の総電力消費量は現行の一・一兆キロワット時から〇・八兆キロワット時に約27%下がるとみている(政府予測は一兆キロワット時)。
発電単価が高くなっても家庭の電力消費が大きく減るので、電気代は今より半減も可能と主張する。家電などの買い替えを前提としているが、省エネ技術を無視したり、逆に消費電力の大きい粗鋼生産量をかさ上げするような政府試算よりはよほど信頼できよう。
大阪府市エネルギー戦略会議に提出された自然エネルギー財団の試算も、家庭で約三割節電すれば、電気代は一〇年と変わらないとの結果だった。
こうした試算以外にも、電力会社の地域独占など非効率を改めれば電気代は下げられる。再生可能エネルギーも、市場参入を促し、技術革新や量産化で発電コストの引き下げを目指すべきだ。
何より原発は「安全神話」が崩壊した瞬間に、政府が最安としてきた「経済性神話」も崩れ去った。同財団は福島事故の損害賠償や除染が二十兆~七十五兆円に上り、立地対策費などを適切に反映させれば、原子力の発電コストが最も高くなると指摘した。
国民の過半が原発ゼロを望む重い覚悟を受け止めるべきだ。政府が方針を決めれば、民間や国民は知恵を絞り、工夫を重ねよう。それが日本の国民性である。
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