asahi.comの記事二つ(http://www.asahi.com/national/update/0426/TKY201304260220.html、http://www.asahi.com/national/update/0428/OSK201304270133.html)。
おぞましい言論状況。例外なく何人にも「言論の自由」は認められるべきであろう。
『●「日本の恥と呼ぶべき存在」』
でも、石川真澄さんの言葉を思い出した。
『●『別丁 石川真澄 という人がいた』読了(3/3)』
「本多さんによる最後の電話インタビューでは、
「やはり一番問題なのは「表現の自由」」とし、
『週刊文春』によるある政治家の娘の離婚問題掲載記事販売差し止めの
件について。「あのとき僕はつくづく思ったんだけど、
みんな表現の自由を問題にし、応援したくもないクソッタレ文春を
弁護しなけりゃならないことにウンザリしながらやってました」
一方、もはや「言論の暴力」の域である。差別や(子供までが)殺人教唆することまで、人権を侵害することまでが「言論の自由」なのか?
二番目の記事の彼らの言葉のおぞましさを見てみてください。「会員は公称1万2千人」だそうです。「歴史的な経緯を初めて知った」ということに驚く、慄く。この国の教育は「とても上手くいっている」ことを実感。
ハシズム=「「敵」を見つけ、暴力的な言葉を浴びせる人々がいる。それを容認し、駆り立てる空気がある」、である。
そして、すでに、「言論の暴力」をも超える行為が・・・。
『●「言論の暴力」の一線を超えた暴力を行使する〝とある暴力集団〟』
東京弁護士会は、「とある暴力集団」等の「言論の自由」が侵害され、人権侵害があったかどうか、当然、調査すべきである。「デモに抗議する人たちから暴行・妨害を受けたこと」は本当なのかどうか、を明らかにしてほしい。でっ、同時に、「とある暴力集団」等が「言論の自由」を超えた「言論の暴力」を為していないかを明らかにすべきだし、暴力行為を告発すべきだ。
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【http://www.asahi.com/national/update/0426/TKY201304260220.html】
2013年4月26日18時52分
在特会、人権救済申し立て「デモで抗議側から妨害受け」
東京・新大久保で、「朝鮮人を殺せ」などと連呼するヘイトスピーチ(憎悪表現)のデモが繰り返されている問題で、デモを主催する「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠会長らが26日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。
許可を得たデモであるにもかかわらず、デモに抗議する人たちから暴行・妨害を受けたこと、「ヘイト」「レイシスト(人種差別主義者)」などと決めつけられたことが、人権侵害に当たると主張している。
新大久保のデモを巡っては、宇都宮健児・前日弁連会長ら有志弁護士が3月、差別や暴力をあおる言動が在日外国人に恐怖を感じさせ、周辺店舗の業務にも影響を与えているとして、東京弁護士会に人権救済を申し立てている。
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【http://www.asahi.com/national/update/0428/OSK201304270133.html】
2013年4月28日5時4分
在日攻撃 牙をむく言葉(敵がいる:1)
■「みる・きく・はなす」はいま
【石橋英昭】3月の日曜、昼下がり、東京・新大久保。
「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠会長(41)が、先導車から拡声機でコールする。
「新大久保のゴキブリの皆さんこんにちは!
こちらは『全日本・社会の害虫を駆除しよう清掃委員会』のデモ隊です」
「変態民族を撲滅しましょう!」
「在日韓国人をテポドンにくくりつけ、韓国に撃ち込みましょう!」
なぜ、こうも激しい言葉を投げつけるのか。桜井会長はこう言う。
「韓国や北朝鮮の振る舞いに本気で怒ってるから、
殺せとまで言うんです。単に排外主義と決めつけないでほしい。
怒りを間違えないでほしい」
「在日韓国・朝鮮人が不当な特権を得ている」と主張する市民団体だ。外国人への参政権付与や生活保護の受給、朝鮮学校生の授業料無償化。次々と抗議の的を見つけては、過激なシュプレヒコールで練り歩く。2006年末の結成で、会員は公称1万2千人。
□
反対側の歩道には、デモへの抗議に集まった人たちのプラカードが並ぶ。指を突き立て「ザイトク帰れ」と叫ぶ一団も。韓流の街・新大久保で2月以降、繰り返されている光景だ。
雑踏に隠れるようにして見ている眼鏡の男性(39)がいた。仮に生主(なまぬし)さん、と呼んでおく。
在特会や同種の右派系市民団体のデモや街宣に、過去65回参加した。外から見るのは初めて。涙が出そうだった。
在特会を知ったのは、数年前のこと。
メーカー勤めのころ、海外との取引で日本が不当におとしめられている、と思うことが多かった。歴史問題でも領土でも外国に責められてばかりではないか。
そんな時、ネットで在特会の動画を見つけた。自宅でパソコンに向かっては、興奮で机をバンバンたたいていた。後に妻から、そう聞かされた。
生主さんが初めて参加したデモは11年8月、フジテレビへの抗議。韓流ドラマが多いのは偏向と訴えた。10月、民主党本部前の座り込みに加わった。政府が中国や韓国に弱腰なのが、許せなかった。
デモの後の居酒屋では、気の合う仲間が何人もできた。会社員もいれば、主婦もいる。生主さんも脱サラして事業を起こし、小学生の子が2人いる。
やがて、ニコニコ生放送の「生(なま)放送主(ぬし)」を引き受けるようになる。パソコンとカメラを手にデモを追いかけ、ネットで動画を中継する。頼まれれば全国どこへでも車を駆った。
中継画面はいつも視聴者のコメントで埋まる。「そうだあああああああ」。多くの人が机を鳴らし、そして路上に出た。
□
「日本を、取り戻す」
昨年12月の総選挙結果は地方のデモの帰り道、車中で知った。安倍政権誕生に「高揚感がありました」。日の丸持参で街頭演説に出かけた仲間もいる。
生主さんはその後、目標を見失った気がした。仲間うちのツイッターのつぶやきも急に減る。デモでより激しい言葉が使われるようになるのは、それからだ。
中継のとき、デモ参加者と通行人との温度差は、前から気になっていた。飲み会で主張と少しでも違うことを言うと、みなすぐに激高した。
でもその「怒り」の根拠って何だろう。
「ネットで都合よい情報ばかり集めては、
身内でそうだそうだと盛り上がっていただけではないか」
立場の異なる人が書いた本を読んでみた。在日韓国・朝鮮人がなぜこの国にいるのか。歴史的な経緯を初めて知った。
2月。自分は行かなかった大阪のデモで「朝鮮人を殺せ」と連呼するのを、動画で見た。
ビールをあおった。
3月、新大久保でのデモの前夜。迷いに迷った末、「決別宣言」を、自宅からニコ生で放送した。
「殺せ、ゴキブリと言いながらのデモには、もう賛同できない。
スタンスの違う人からは、モンスターに見えるのではないか」
灰皿には吸い殻の山。
「怒りを伝えるためにタブーを破るんだという。
でも、あんな言葉を使わないとできないのか」
1時間で5471件のコメントが殺到。「お前は在日認定」「氏(し)ね~~」
言葉が今度は自分に刺さってきた。
ただただ、怖かった。
◇
「敵」を見つけ、暴力的な言葉を浴びせる人々がいる。それを容認し、駆り立てる空気がある。朝日新聞阪神支局で記者2人が殺傷された事件を機に、時代の言論状況を見つめてきた企画の第38部。不寛容な社会の危うさを追う。
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