東京電力の社説【九電免震撤回 規制委も問われている】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016032602000175.html)。
《審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい-。そんなのありか。原発に免震施設があるかないかは、住民の命に関わる重大事。このまま見過ごしてしまっては、規制委への信頼も保てまい》。
九州電力川内核発電所、「住民の命に関わる重大事」を「審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい」? とんだ《新規制基準下での再稼働第一号として、約二年の原発ゼロ状態に終止符を打ち、後続の“お手本”》だ。東京電力核発電所人災で《あれがなかったらと思うとぞっとする》施設=免震施設を、平気で九州電力は反故にし、見て見ぬふりの原子力「ムラ寄生」委員会。本領発揮だ。またしても、免震施設というコスト=カネと「命」を天秤にかけたのです。「命」よりも「経済性、経済神話」を優先しました。まだ、神様・仏様にすがろうとしているかのようです。
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
《規制委への信頼》、それが最大の問題! 何一つ「規制」せずに「推進」してばかりで、原子力ムラに「寄生」し、巣食う組織。「安全な」核発電所、「平和な」核利用、同様な形容矛盾が「信頼できる」寄生委。
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●大津地裁山本善彦裁判長、
高浜原発3、4号機の運転を差し止める仮処分決定!』
『●3.11東電人災の5年、王様・アベ様からして
核発電「麻薬」中毒患者という哀しい国ニッポン』
大津地裁の山本善彦裁判長が《原子力規制委員会が、いたずらに早急に、再稼働を容認するとは到底考えがたい》という、ブログ主が見落としていた重要なメッセージだ。その対比として、川内核発電所再稼働差し止め訴訟を却下した鹿児島地裁の前田郁勝(いくまさ)裁判長の名は記憶に留めておくべきです。
『●あの原子力「寄生」委員会にさえ「計画が現実的ではない」
「見通しが甘い」と“ダメ出し”再稼働計画?』
《まさか…(川内原発)/(C)日刊ゲンダイ》
《絶望的な判断が下された。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県
薩摩川内市)は安全性が不十分だとして、住民らが再稼働差し止めを
求めた仮処分申請で、鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は22日午前、
「原発の新規制基準は不合理とまでは言えない」と判断した。
住民側は不服として高裁に抗告する方針を示している》
『●鹿児島地裁に川内原発再稼働差し止めを却下されてしまった・・・
判決に東京新聞も毎日新聞もダメ出し』
『●「怒」、九州電力川内原発再稼働というパンドラの箱:
国破れて、山河も無し・・・となってもいいのか?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016032602000175.html】
【社説】
九電免震撤回 規制委も問われている
2016年3月26日
審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい-。そんなのありか。原発に免震施設があるかないかは、住民の命に関わる重大事。このまま見過ごしてしまっては、規制委への信頼も保てまい。
川内原発は、事故発生時の対策拠点となる免震施設の新設を安全対策のメニューに盛り込んで、再稼働の審査に“合格”した。
しかも、3・11後の新規制基準下での再稼働第一号として、約二年の原発ゼロ状態に終止符を打ち、後続の“お手本”にもされていた。
ところが、免震棟は造らず耐震施設で済ますという。
パスさえすれば態度を翻す。
商売で言えば契約違反、選挙で言うなら公約違反、入試ならカンニングにも相当するような、地域を代表する大企業らしからぬ振る舞いとは言えないか。
免震施設建設の実績がないという理由は、いかにも説得力に欠けている。従来のレベルを超える対策こそが、今必要とされている。
規制委はなぜ、“合格”を取り消すことができないか、非常に素朴な疑問である。
一般に耐震では建物自体を強化する。しかし、地震の揺れを抑えるのは難しい。
免震は地面と建物を切り離し、建物に揺れを伝わりにくくする。従って、建物内での作業性が保たれる。だからこそ、3・11当時の東京電力社長が国会事故調で「あれがなかったらと思うとぞっとする」と、ふり返っているのである。免震施設は、コストがかさむ。もし対策費を考えての変更だとするならば、3・11の教訓を踏みにじり、安全神話を復活に導くことにならないか。
九州電力の瓜生道明社長は林幹雄経済産業相に「地域への説明不足があった」と詫(わ)びた。
地域への説明やコミュニケーション不足以前に、安全への配慮が足りなくないか。
3・11を教訓に生まれたはずの規制基準は、「緊急時対策所」の免震化を求めてはいない。設置にも猶予期間を設け、未整備のままの再稼働を認めている。
巨大地震は明日来るかも分からない。規制基準や規制委に対する信頼性も問われている。
規制委への信頼なしに、原発は動かせない。
再稼働の審査を申請中の原発の約半数が、川内のように免震の撤回や再検討を始めているという。
九電の翻意を、このまま認めてしまってはならない。
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