[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様…日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]
週刊朝日の室井佑月さんのコラム【連載「しがみつく女」/「なにが怖いのか?」】(https://dot.asahi.com/wa/2017122000015.html)。
《だが、飢えている国民がいると聞けば、率直に可哀想にと思ってしまう。それすらも、なんとなく口に出していいづらい。…路地猫みたいに縮こまる。そういうことが積み重なり、同調のハードルも徐々に下がって、気づかずに、自分ではない別の人間、それまで軽蔑していたような人になっていた、自分もまわりも……という展開が、北朝鮮のミサイルよりあたしは恐ろしい》。
『●アベ様による血税4億円のトンチンカン・トンデモ
「ミサイル避難CM広告」によるメディア買収!?』
《この国から倫理観が失われつつある。なにしろ、倫理観ゼロの
安倍さんが総理だしな。…内容はミサイルが飛んで来たら
「屋内に避難」「物陰に隠れる」というトンデモだ。そんなに緊急に
ミサイルの心配をしなくてはならないのなら、まず全国にある原発を
どうにかしなくていいのか? が、そういうことじゃない、きっと。
このCMには4億円もの金をかけている。…そんな中、メディアに
4億円という金が配られる。それはいったい、どういうことを意味するのか?》
『●「「危機が迫っている」とあおり、時の政権の求心力を高める手法」
…メディア買収と国内に向けての圧力』
『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」』
『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」』
「頭を抱えてしゃがむか? その道の真ん中を歩けるか?」…はっ、としたよ。「歩ける」と自信を持って言えるか…。同調圧力の高まりの中、桐生悠々氏の様に「嗤」えるか? 委縮へのアラート。《北朝鮮のミサイルよりあたしは恐ろしい》。《黒猫っぽく、しなやかに動きたい》…もの。
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【https://dot.asahi.com/wa/2017122000015.html】
室井佑月 「なにが怖いのか?」
連載「しがみつく女」
2017.12.22 07:00 週刊朝日 #安倍政権 #室井佑月
今年は核・ミサイル開発、アメリカとの対立など北朝鮮をめぐるニュースが相次いだ。作家・室井佑月氏は経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏との対談でこう感じたという。
【「なにが怖いのか?」イラストはこちら】
((c)小田原ドラゴン)
* * *
12月初旬は、濃くて面白い仕事がつづいた。一昨日は古賀茂明さんと、昨日は共産党の小池晃さんと対談。
お二人と話をしていて、自分が現在、なにに対して仔猫のように怯えているのかわかったと思う。
古賀さんとはメディアのあり方みたいな話をした。古賀さんといえば『I am not ABE』。3年ほど前、報道ステーションでそう書かれたボードを出した。そして、番組を降ろされた。
あたしたちは当時のことを振り返った。
安倍首相がエジプト訪問の際に「ISがもたらす脅威を少しでも食い止めるため、ISと闘う国々に2億ドルを出す」と表明した。日本人の後藤健二さんらが、ISに人質として拘束されているときに。
この発言から日本もISに名指しで敵国扱いされるようになり、後藤さんらの解放は絶望的になった。
当時のテレビでは、安倍さんの決断ってどうなの? そう発言しようものなら、「そういう発言はISを利するだけ」、この非国民が!みたいな感じ。そんな中での古賀さんの『I am not ABE』発言だった。
古賀さんのなにが悪かったのか、今でもそう思う。そう考えている人は多いはずだが、古賀さんが番組を降ろされただけで、なんら世の中は変わらなかった。
今年は、北朝鮮の問題を多く扱った年だった。国民が飢えているのにミサイル実験を繰り返す、金正恩はとんでもない、と思う。
だが、飢えている国民がいると聞けば、率直に可哀想にと思ってしまう。それすらも、なんとなく口に出していいづらい。
アメリカと北朝鮮が衝突するようなことが起これば、大概の一般国民が被害者だ。加害者はどの国っていうよりも、そこまで問題を膨らました国のトップ。だけど、これもなんとなく口に出していいづらい。
古賀さんにそういったら、「とにかく声を出さないと」「一人でも多くの人が声を上げることが大切なんだからさ」といわれた。
おっしゃる通り。
「でもさ、自分の住んでる自治体でJアラート鳴らしてミサイルが飛んできた
場合の避難訓練するとすんじゃん? しゃがみこんで頭を抱えても
仕方ないって思っていても、みんなが道端でしゃがみこんでいるところ、
古賀さんは道の真ん中を歩ける?」
古賀さんは「歩ける」と答えた。あたしはその地域で子育てをしていたら、阿呆らしいと感じていても、そのくらいはと思って、数分間ならお付き合いでしゃがんでしまうんじゃないだろうか? 路地猫みたいに縮こまる。
そういうことが積み重なり、同調のハードルも徐々に下がって、気づかずに、自分ではない別の人間、それまで軽蔑していたような人になっていた、自分もまわりも……という展開が、北朝鮮のミサイルよりあたしは恐ろしい。
黒猫っぽく、しなやかに動きたい。
※週刊朝日 2017年12月29日号
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