asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201304050526.html)、東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013040802000117.html)。同様に2紙の社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013040902000140.html)。
地下水汚染の問題は、いま始まったことですか? 2011年3月11日直後から懸念されていたのではないのですか? 小出裕章さんは地下水の遮蔽壁の設置を当初から提案されていました。
ネズミやタコで停電したり、(それだけ大変な場所での作業であることは想像できますが)ショートさせたりするぐらいですから、計画的にやっているとは思えません。その後、イタチ(ごっこ)まで・・・・・・。
安全神話に基づく、いつもの机上の空論だった訳です。3.11以前と何の変りもなく。自公政権が出来て、原子力ムラ内に、ますます「“従前どおり”で行きましょうや」の雰囲気が充満しています。
『●所詮机上の空論、原発など動かさないことが最良の道』
『●こんな国に大飯原発を再稼働させて大丈夫か?』
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【http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201304050526.html】
2013年4月6日4時2分
汚染水、漏出か 福島第一 地下貯水槽から
東京電力は5日夜、福島第一原発の敷地内にある放射能汚染水をためる地下貯水槽から汚染水が漏れた可能性が高いと発表した。東電は漏水量や漏れた原因を調べている。貯水槽の周囲の地盤や地下水に汚染水がしみ出ている可能性があるという。
東電が5日、地下を掘って造った貯水槽(縦60メートル、横53メートル、深さ6メートル)の内側に設けられた三重の防水シートのうち、2枚目と3枚目の間の水を採取して調べたところ、1立方センチメートルあたり6千ベクレルの放射能を検出した。
地下貯水槽は事故で溶けた燃料を冷やして出る放射能汚染水から放射性セシウムなどを除去した後の水をためる水槽。ストロンチウムなど多くの放射性物質が残っている。3日、三重シートの外側の水たまりで同10ベクレル程度の放射能が検出されていたため、東電が水質を調べていた。貯水槽の外に汚染水が漏れている可能性があるため、原子力規制委員会は5日夜、貯水槽の水を他に移すよう指示した。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013040802000117.html】
福島第一 貯蔵危機 やっと認識
2013年4月8日 朝刊
高濃度汚染水を処理した後の水をためる、東京電力福島第一原発の地下貯水池で、水漏れの可能性が相次いでいる。処理水の貯蔵について東電は、地上タンクと合わせ十分に「余裕」があると強調してきたが、ようやく危機的な状況にあることを認めた。
「(地上の)鋼製タンクに処理水を移せる状況ではない。
机上の計算では空きはあるが、一万トンを超える水を
小さなタンクに移すには時間もかかる」
七日の記者会見で、東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は、苦しい表情でこう話した。東電は五日夜に水漏れを公表した貯水池の処理水の移送作業を行っているが、移送先となる隣の貯水池も水漏れの危険性がある。その是非についての記者の質問への答えだ。
六日までは、七つの貯水池(容量計五万八千トン)のうち四つは未使用で、残り容量が計五万トンあることに加え、地上タンクも今後、増設すると説明。汚染水処理が直ちに破綻する心配はないとしてきた。
だが、また水漏れ問題が起き、貯水池が使えなくなる可能性が浮上。地上タンクに換算すると六十基近くの残り容量が一気に失われる恐れもある。
尾野氏は、とにかく問題の貯水池から処理水を抜くことが重要と強調し、地上タンクを温存したい考えのようだが、危機は現実。東電はもっと急ピッチで汚染水発生を減らす手だてを講じる必要がある。 (山川剛史、桐山純平)
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【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup】
2013年 4月 9 日(火)付
汚染水漏れ―福島原発の態勢見直せ
福島第一原発で、放射能汚染水が地下貯水槽から漏れていたことがわかった。
同原発では、急造の設備で原子炉に水を注ぎ、冷やし続けている。汚染された水は海に流せず保管するしかない。その汚染水の一部が漏れた。
先月起きた長時間の停電を含め、原発事故がなお継続していることを物語る。
核燃料を取り出すまで、抜本的な解決策は見あたらない。電源確保や汚染水タンクの増設など、リスクに先手を打つしかないが、後手に回っている。
今回も3月中旬から水漏れをうかがわせるデータがありながら、対応が遅れた。
現状は、東京電力の管理能力を超えているのではないか。
汚染水について、そもそもの誤算は冷却水をループ状に使い回して原子炉を冷やす「循環冷却」ができなかったことだ。
地震や水素爆発で原子炉建屋にひび割れができたらしく、1~4号機の建屋内には1日400トンもの地下水が流れ込む。炉心を冷やした水は一部を再び冷却用に循環させるものの、流入分だけ汚染水が増える。
福島第一は、いわば原子炉冷却を通じた「汚染水生産工場」と化している。
地下水をくみ上げて流入量を減らしたり、放射性物質をできるだけ除去した汚染水を海に流したりする計画はあるが、実効性や早期の実現性は疑問だ。
東電は当面、大量の漏れが見つかった2号地下貯水槽からだけ汚染水を移し、ほかは水位を少し下げて使い続ける。不足する分は、地上タンクの増設を前倒しし乗り切る考えだ。
しかし、地上タンクも盤石ではない。接合部が経年劣化して水漏れを起こす危険が指摘されているうえ、原発敷地内にはタンクを設置する場所もなくなりつつある。
遅まきながら東電は「福島第一信頼度向上緊急対策本部」を設けた。汚染水、機械設備、電気設備、土木・建築設備の四つの対策チームをつくり、リスクを洗い出す。外部に助言を求める方針も明記した。
国はもっと積極的に関わる必要がある。海外を含め、様々な分野から知恵や人材を集めるため、原子力規制委員会とともに指導力を発揮すべきだ。
茂木敏充経済産業相は東電の社長に「会社一丸となって取り組んでほしい」と求めたが、汚染水タンクの設置場所がなくなった場合の対応ひとつとっても、東電任せでは限界がある。政府と東電が一丸となった態勢をつくらなければならない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013040902000140.html】
【社説】
福島・汚染水 事故はまだ続いている
2013年4月9日
停電の次は放射能のある汚染水漏れ。東京電力福島第一原発で深刻な事故が続いている。ところが事故の当事者たちから危機感が伝わらない。東電は被害者の視点に立って現実を見直すべきである。
穴を掘り、遮水シートを敷いて、浸出水を防ぐという構造は、普通のごみを埋め立てる最終処分場の構造と基本的には同じである。遮水シートが破れやすいのも、継ぎ目部分が弱いのも、ごみ処理の世界では基本知識と言っていい。
一九九〇年代、東京・日の出処分場など、全国で有害物質を含んだ浸出水が問題になった。だから家庭ごみの処分場でも、漏水には細心の注意を払う。
のり面を鋼矢板で遮水したり、漏水を検知すると自動的に修復されるシステムを備える施設も、今や珍しくはないという。
相手は放射能である。家庭ごみ並み、あるいはそれ以下の扱いとは、あまりに危機感が見えなさ過ぎる。
東電はすでに先月半ばには、遮水シートの近くで微量の放射能を検知するなど、汚染水漏れの兆候をつかんでいたという。それなのに対策は講じられなかった。
今回の汚染水漏れも「事故」とは言わず「事象」と呼んだ。専門用語はともあれ、普通の人が聞いたらどう感じるか。
前政権が「冷温停止状態」と言ってから約一年四カ月。原子炉を冷やすため、現場では毎日約三百七十トンの水を注いでいる。その上一日四百トンもの地下水が流れ込む。一部を循環させたり、汚染される前の地下水をポンプでくみ上げたりしても、汚染水は増えていく。このままでは、タンクをいくら増設してもきりがないだろう。
つまり、「事故」はまだ終わっていない。
東電には被害者の視点に立って、事故処理や情報発信のあり方を考え直してもらいたい。
地中に簡易なプールを掘って汚染水をためるというのは、あくまでも一時しのぎ、事業者本位の応急措置にほかならない。
放射能汚染水の漏出が、住民にどれだけ不安を与えるか、事実を知らされないことが、どれほどの不信を呼ぶか。海の汚染を漁民がどんなに恐れ、苦しんでいることか。
これを機に、あらためて「事故」の現実を直視して、住民の気持ちになって対策を練り直すべきではないか。対策を明確に語り、その中身が専門家らの検証に耐えなければならない。
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