[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]
鶴丸哲雄記者による、西日本新聞のコラム【風向計/「情」で書く新聞記事 鶴丸哲雄】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/628526/)。
《筆者が憧れたのはそこではない。読者からの手紙を基につづられた「窓」というコラムである。黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ。でも大上段で主張を振りかざしても共感は得づらい。そこで「『論』ではなく『情』で新聞記事が書けないか、という気持ちで『窓』という欄を作った」と記している。…あす23日が命日である》。
『●『だまされることの責任』読了(3/3)』
「【佐高信×魚住昭著、『だまされることの責任』】
内橋克人さん…、斎藤貴男さん…、本田靖春さんと「黒田軍団」の
黒田清さん…、久野収さん…。解説は森達也さん。「…実際には、
少年事件は凶悪化もしていないし増加もしていなかった。…戦争の
大義が捏造されたものであることがわかった…侵攻を支持せよ
と主張した多くの人たちは今も何食わぬ顔をして、テレビの
コメンテーター席に座っている。…NHKのETV番組改変問題…
圧力をかけた…すなわち現状は公正ではないとのバイアスをかけた」」
『●『本田靖春/「戦後」を追い続けたジャーナリスト』読了』
「随所に黒田清さん…。筑紫哲也さん…。「黒田さんは2000年、
本田さんは2004年に、そして筑紫哲也さんは2008年に、
まるで五輪開催の年に合わせたように他界されてしまった」…。
鎌田慧さん…。本多勝一さん…」
「斎藤貴男さんの、少し悲壮感漂うエッセイ「囚われだらけの時代に」…
「…文春にはっきりと距離を置かれ始めた。靖国問題や中国脅威論で
勢いづいていた時期の『諸君!』には、ネット右翼もかくやの罵言雑言を
浴びせかけられた。組織も時代も恐ろしいものだと、つくづく思い知った」。
「二〇一〇年五月下旬現在、日本のジャーナリズムはほとんど荒野と化した。
辛うじて生き長らえている雑誌も新聞も、反骨精神とは対極の世界を
志向している」」
《「東京」や「政治部」が幅を利かす全国紙》に負けない、《「現場主義」と「読者目線」を貫いた、昭和のモーレツ新聞人》は、最早、居ないのか…。《人々の幸福実現が新聞の最大の使命》でもなくなってしまったのか…。COVID19人災に至るまでの終始、アベ様の独裁・悪政な8年…凋落したマスメディアやジャーナリズムの《荒野》が果たした役割、犯した罪は如何ほどだろうか…。
『●斎藤貴男さん、大新聞社は「自分たちだけは例外。
権力にオネダリして、そうしていただいたのである」』
『●斎藤貴男さん《私は新聞を愛している。
だから言わずにはいられない。誇張でも何でもなく、正念場…》』
《権力にオネダリして消費税の軽減税率をゲットした経緯もあり、
読者の信頼は地に落ちた…ただ今のまま、ヒトラーのベルリン五輪もどき
の東京五輪でプロパガンダ役を担い、アベ政権が夢見る
“米国とともにある戦争大国”に向けた国威発揚の片棒を担ぎ続ける
のであれば、もはや新聞には存在意義など皆無だと覚悟しておいてほしい》
『●軽減税率というお零れと「ジャーナリズムの義務」:
「権力の犯罪を暴くためなら、権力に対しては…」』
『●《権力にとって、これほど便利で御しやすい低能メディアも、
国民も珍しい…一刻も早く立て直さなければ、本当に危険》』
『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》』
『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、国民を政権の
意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》』
『●柴田鉄治さん「キナ臭さが一段と増した年」、
マスコミから失われる「ジャーナリズムの義務」…な1年』
『●阿部岳さん《菅氏の会見でも食い下がる記者…。問い続けることが、
あらがうこと。…対話という血管が詰まれば、民主主義が死ぬ》』
『●小池百合子「ト」知事が《圧勝の裏で露骨にメディア選別、批判的な
記者は“排除”》…居ても〝居ないことにされてしまった記者〟ら』
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【https://www.nishinippon.co.jp/item/n/628526/】
風向計
「情」で書く新聞記事 鶴丸哲雄
2020/7/22 11:07
西日本新聞 オピニオン面 鶴丸哲雄
本紙で連載した志布志事件の被害者川畑幸夫(さちお)さんの聞き書き「一歩も退(ひ)かんど」が福岡市の「集広舎」より8月、出版されることになった。寄稿文を誰に頼むか。川畑さんは「ぜひジャーナリストの大谷昭宏さんに」と希望した。
で、大谷さんの事務所に電話すると、女性の優しい声で「大谷の秘書のクロダと申します」。こちらの一方的な依頼を懇切丁寧に聞いてくださった。電話を切る間際、思い切って尋ねてみた。
「ひょっとして、黒田清さんのご縁戚の方ですか」
「はい。黒田清の息子の妻でした。由美子と申します」
やっぱり。大谷さんは読売新聞大阪社会部の記者時代、部長だった黒田さんの一番弟子であった。筆者も記者志望の学生時代、黒田さんの記事にどれほど憧れたか熱く語ると、由美子さんが漏らした。
「黒田が69歳で亡くなって今年でもう20年です。黒田の仕事が人々の記憶から薄れていく中、そう言ってくださり本当にうれしいです」
確かに今の二、三十代の記者に「泣く子も黙る黒田軍団」と言っても「刑事ドラマの話ですか」と返されそうだ。
黒田清さんについて記したい。ざっくり言えば「現場主義」と「読者目線」を貫いた、昭和のモーレツ新聞人だった。「東京」や「政治部」が幅を利かす全国紙という組織の中で、「地方」の大阪で社会部を率いた。旺盛な特ダネ掲載に加え、取材記者が主役のごとく登場する斬新なドキュメント報道でいつしか「軍団」と呼ばれた。
筆者が憧れたのはそこではない。読者からの手紙を基につづられた「窓」というコラムである。黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ。でも大上段で主張を振りかざしても共感は得づらい。そこで「『論』ではなく『情』で新聞記事が書けないか、という気持ちで『窓』という欄を作った」と記している。
さまざまな人が手紙を寄せた。地区の出自を恋人に告げられず苦しむ女性。地区に住む男の子の誕生会には約束した友人が誰も来てくれず、母は「一緒に楽しみにお子様ランチの旗を作ったのに」と嘆いた。そんな手紙の紹介に続けて黒田さんは「強くなってください」「負けるなよ」と、励ましを記した。
黒田さんが涙をにじませ歯がみしつつ、語り掛ける筆致で書いた「情」の記事。たくさん文庫本になっているのでぜひ若い人に読んでほしい。
あす23日が命日である。 (くらし文化部編集委員)
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