[※ 三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]
沖縄タイムスの阿部岳さんによるコラム【[大弦小弦]選択肢の間で、ペンは揺れ続けた…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/204906)。
《▼「辺野古移設には賛成ですか」。5秒以上迷って、ペンを投げ出す人がいた。20年以上翻弄されてきた名護では単なるアンケートではない。それは時に生き方の選択になり、呼び起こされる痛みがある》。
『●トンだ「負担軽減」!…稲嶺進さんは《異常事態だ。
日本政府はわれわれを国民として見ているのか》と批判』
『●稲嶺進名護市長「やり方が普通じゃない。
地方分権の無視だ。法治国家としてやることか」』
『●映画タイトルは、稲嶺進さんが「我々は、
また命を救う《風かたか》になれなかった」という嘆きの言葉」から』
『●アベ様は「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、
基地負担の軽減に全力を尽くす」…って、はぁ?』
非常に残念だ…。最近、最も落胆したこと。名護市長選の結果はあまりにも残念。だって、あまりに自公や癒党のやり方が、汚すぎるから。
琉球新報の記事【国、辺野古推進と歓迎 名護市長選・渡具知氏初当選】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-659275.html)によると、《移設を推進する政府与党に支援を受けた…》とあり、そのタイトル《辺野古推進と歓迎》ってどういうこと? 辺野古破壊を争点にもせず、討論もせず、当選したとたんに「辺野古推進と歓迎」…バカにし過ぎでしょ?
琉球新報の【<社説>名護市長に渡具知氏 新基地容認は早計だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-659247.html)によると、《米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題が最大の争点となった名護市長選は、建設を推進する政府が推す…当選によって市民が新基地建設を容認したと受け止めるのは早計である。渡具知氏は、建設容認を明言せず、問題を解決するために国と対話する姿勢を示しただけだからだ》。
それでも、アベ様にスキを与える結果になったことがとても残念で仕方ない。
目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/逆境の中でこそ真価が問われる。敗因を真摯に反省し、現場での闘いを強めましょう!】(http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/1ba8beeb8141184fcf5cf155d7b5e912)によると、長い引用ですいませんが、《その反省から稲嶺進さんを立てて当選した時は、辺野古の事務所でお年寄りたちが感激に涙していた。それから8年、今回の名護市長選挙は残念な結果になった。一番つらい思いをしている稲嶺さんのことをねぎらいたい。稲嶺さんのこの8年の実績と誠実な姿勢は、多くの市民が認めている。政府と正面から対峙して、海にも山にも新しい基地は造らせない、という信念を貫いてきた稲嶺さんに、名護市民はどれだけ励まされたか。選挙の敗北はこれから厳しい状況をもたらすが、10年前、20年前も厳しい状況だった。それを耐えてはね返してきたから今がある。この8年の成果をこれからに生かさなければならない…この島で生きていく限り、この島の現実から逃げることはできない。沖縄に米軍基地を集中させている日本政府の沖縄差別に屈服したら、沖縄県民・名護市民の苦しみはさらに深くなる。祝杯をあげている政府の政治家・役人は、沖縄県民・名護市民のことを腹の底では嘲笑っているだろう。米軍に奉仕することしかできないそういう連中によって、沖縄県民・名護市民が犠牲になることを許してはならない》。
リテラの記事【名護市長選で卑劣すぎる基地問題隠し! 自民党が「辺野古の『へ』の字も言わない」と指示した内部文書が発覚】(http://lite-ra.com/2018/02/post-3781.html)によると、《早速、安倍首相が「市民の理解をいただきながら、最高裁判決に従って進めていきたい」と述べ、辺野古移設推進の民意が得られたという見解の発言をおこなった。まったくふざけるなと言いたい。この名護市長選において、渡具知氏は辺野古移設の是非について一切あきらかにしておらず、選挙の争点にしてこなかった。しかも、その「争点隠し」を指示していたのは、自民党だ》。
ねっ? 選挙さへ終われば、《市民の理解をいただきながら、最高裁判決に従って進めていきたい》ですってょ。《安倍政権のままでは沖縄県民は永遠に報われない》。
『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を
唱えることしか能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?』
「普天間の運用停止について、「アベ様らは《まともに対米交渉を
したこともな》く、《政府自らの責任を棚に上げ》し、《実現できないのは
辺野古新基地建設に反対している知事のせいだと責任を転嫁》している
のです」。さて、米国側は《▽マティス 普天間の移設先の施設を整備する
努力を続けることに合意いたしました。これは現在の海兵隊の
普天間飛行場をアメリカが日本に返還する唯一の解決策であります》とあり、
そこには、辺野古の「へ」の字もない。
《安倍政権のままでは沖縄県民は永遠に報われない》、
日刊ゲンダイの記事の言う通り」
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/204906】
[大弦小弦]選択肢の間で、ペンは揺れ続けた…
2018年2月5日 07:30 名護市長選2018 阿部岳
選択肢の間で、ペンは揺れ続けた。名護市長選の投票を終えた人にお願いした出口調査。調査票の候補者名にすんなり丸を付けた後、考え込んでしまう姿が目立った
▼「辺野古移設には賛成ですか」。5秒以上迷って、ペンを投げ出す人がいた。20年以上翻弄(ほんろう)されてきた名護では単なるアンケートではない。それは時に生き方の選択になり、呼び起こされる痛みがある
▼新基地に反対でも渡具知武豊氏に投票した人、自民党支持でも稲嶺進氏に入れた人、一緒に来て違う選択をした夫婦。担当した3時間で書いてもらったのは103枚。ほぼ同数が回答自体を避けた
▼出口調査の一番の目的は当確を速報すること。ただ、合同調査した共同通信のベテラン担当記者は「名護は予測が非常に難しい」と話す。市民の決意と迷いが入り組み、地層のように折り重なって、安易な分析を許さない
▼名護の地名は和やかな湾に面していることが由来だとされる。古謡集「おもろさうし」にも日本語の和やかに対応する琉球古語「なごやけて」がある
▼単に状態を指す和やかとは少し違う、と故外間守善氏は著書「南島の神歌」で解説した。「和やかであってほしいという海への切実な願望」「乞い願い」が込められている、と。市長選は終わった。市民の祈りは届くか。波が静まるのはいつだろうか。(阿部岳)
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