『こぐまくんのハーモニカ』
ジョン・セバスチャン作/ガース・ウィリアムズ絵
2000年 リブリオ出版
表紙のこぐまくんの、一生懸命にハーモニカをふいている顔がとっても好きです。
どんなメロディがなっているのでしょう。
こぐまくんのお父さんは、ハーモニカの演奏家です。こぐまくんはお父さんのハーモニカが大好きです。子守唄もお父さんのハーモニカ。
ある日、こぐまくんはお父さんから新しいハーモニカをもらいます。はじめは、へんてこな音でした。けれど、どんどん練習していくと、ふと、少しだけメロディがなりだしました。
お父さんは言いました。「そうやって、きみがずーっとふいていけば、きみのなかにある音楽が、ますますなりだすようになる」
こぐまくんのハーモニカが「ぼくのぼくだけのうた」になる日まで、ゆっくり温かく見守っている、お父さんお母さんの眼差しがとっても優しいです。
白黒の絵もじっくり見つめてしまうもので、ゆっくりページをめくり、余韻が残ります。
「わたしたちは、だれでも、自分だけの歌をもっている・・・」
それにしても、小学校でハーモニカを教えなくなったのは残念なことです。今は鍵盤ハーモニカだけ。何でも一番の理由は「衛生的でないから」。これは、おかしいことです。楽器でも道具でも、安全にきれいに使うことは学びのなかで身につけること、また教えていくことだと思います。はじめが肝心ですから、最初に衛生的に使える手入れの仕方を丁寧にしっかり教えればいいと思うのですが・・・。
ポケットに入り、どこにでももって行け、好きなメロディを歌える小さな楽器、ハーモニカ。
吹けば必ず楽しくなる。
ハーモニカ少年、今は、なかなか見ませんね。
教育ハーモニカは簡単にふけます。健康にもよさそうだけれど・・・。
チューリップ、キラキラ星、考えずとも何曲か勝手にメロディがでてきちゃいますよ、きっと。
親子でハーモニカ、明るい音でいいですね。
楽しさ倍増!