~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

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ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

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スリッパの教え

2010年02月08日 | 日々徒然
今朝は、穏やかな朝ですね。
子どもたちを送り出し、その足で、ぐるっと家の周りを歩いてみると、白梅が随分開いていました。

戻って、ハの字型になっているスリッパを見て、自分に喝!
「いけない、いけない。真っ直ぐ真っ直ぐ。」と一度スリッパを真っ直ぐ揃えてから、履き直しました。

実家の父は、この、スリッパに対してとても厳しいのです。
真っ直ぐ、履く向きに揃えていないと、怖い顔で、怒りました。
もちろん、トイレ履きも、土間や縁側に置いてある下駄や草履もそうでした。
ぴちっと置くためには、後ろ向きに脱ぐよりも、手で揃えた方がもちろんきれいです。
小さい頃から言われていても、こう、大人になると、厳しく言われたところが、どうも緩んでいます。
娘たちも(孫たち全員)実家では、そこだけはしっかりしようと、結構気をつけているのですが、やはり、ここでは緩みます。
きっと、私に習うのでしょうね。

「真っ直ぐ置けないのは、心が曲がっている。」

こう、父に言われると、すごくいや~な感じになったものですが、
心の中で、「お父さんは、うるさすぎる」と思っていたことも確かでした。
妹と一緒に怒られた時には、「お父さんは、掃除ばかりして、やだね」なんて言ってた時もありました。
寺に育ち、比叡山で修行した父。今は、僧侶ではなく造園と主には、畑仕事と庭仕事ばかりしていますが、とにかく、片付ける、ぴちっと置くということ、道具を大切に使うことには厳しいのです。
未だに、母も、娘たちも孫たちも時々怒られてしまいます。

でも私自身、今、色々なことが山積みになって、心を磨くために何をすべきだろうと考えた時、やはり、父がいつも言っていた、日々の生活の中での、身の回りに対して、心遣いをすることからだと立ち返るのです。

朝の5分ほどの坐禅も、背筋を伸ばし、首筋を伸ばし、真っ直ぐ座り、そして、立ち、大きく上に手を引き伸ばし、深呼吸というのも、小さい頃に習って始めるようにしました。
さすがに、「般若心経」は唱えませんが。


先日、おととし、106歳で永眠された、永平寺の宮崎 奕保禅師の言葉をNHKアーカイブで聞くことが出来ました。

そこで、スリッパの話が出てきたのです。
ちょっとびっくりしました。
父が言っていた時には、耳を通り抜けていた言葉も、ぐっと深く胸に入ってきました。


「スリッパをそろえるのが 当たり前のこっちゃ

例えばスリッパがいがんでおったら

ほうっておけないんだ

スリッパがいがんでおるということは 

自分がいがんでおるんだ

自分がいがんでおるから いがんだやつが

直せないんだよ

だから 物を置いても 

ちぐはぐに置くのと まっすぐに置くのと

すべて心が表れておるんだから

心がまっすぐであったら すべての物を 

まっすぐにする必要がある

修行をしておるんじゃなくて

当たり前のことをやっておるんや

それよりやることないんだ」


私にとって、正に「スリッパの教え」でした。
納得です。
父は、日常の日々の大切さをずっと教えてくれていたのです。
「禅に始まり、禅に終わる。ひとつひとつの動作全ての行いが禅である」
これは、修行僧だから成しえる事なのでしょうか。
私は、修行僧ではないですが、自分で心を磨くと、課題を持つ限りは、このことを大事に
日々当たり前のことを、澄んだ気持ちでただ実行していくことしかないのだと、考えました。

娘たちには、日頃の私の言葉は、きっと小言に聞こえているでしょう。
でも、私がすぐに眼に浮かぶ、父の背中が思い浮かぶ場面は、ここぞ要所と思い、
自分に対しての言葉としても、そこは、厳しく心して実行していきたいと思います。
日々を大切に生きることのひとつが、きっとこれだ!と思うからです。