~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

絵本・素語り・わらべうた
ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

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★7月21日(日)15時開演 愛依の風クラシックお話コンサート♪『アラベスク~魅惑の冒険物語』立川チャボヒバホール★nonowa国立ペーパーウォール「やえちゃんのたのしいよみきかせ」7月28日(日)11:00~(参加無料)★わらべうたの会『わらべの会』第1金曜日家庭支援センターひかり11:15~・第2木曜日恋ヶ窪市民プール11:00*無料どの地域からも参加できます。★愛依の風・たのしい語り塾新規開講!毎月月木金4~6日。★2018年、おはなし会・保育士研修・わらべうた・絵本・素話講座、ご依頼お待ちしております。 全国どこへでも参ります!プログラムや形式などお気軽にご相談ください。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

文学サロン 火曜の会 vol.2

2010年02月23日 | おはなし会・語りの会
今日は、とても暖かでしたね。
第4火曜日午後2時からは、文学サロン火曜の会です。
火曜の会は、読書会と朗読会が一緒になった会なので、
最初の30分ほどは、作品についての解説になります。
レジュメを作り、私の考えや特に好きな場面などもはじめにお話ししてから作品の朗読をします。


今日のプログラムは、
★芥川龍之介作 『おぎん』
★梶井基次郎作 『檸檬』

今回の選書は、先月、太宰の作品を読み、切支丹物の話題になり、芥川の切支丹を題材にした作品を取り上げました。
もうひとつ、志賀直哉作品も読みましたが、その影響を大きく受けていると思われる
梶井基次郎の代表作にしました。

『おぎん』は、隠れ切支丹の親子三人が捕らえられ、磔の刑にされる場面で、棄教するという、胸が打ち拉がれるような苦しい話です。
火曜の会のみなさんも、それぞれの信仰や宗教についてのざっくばらんな感想を言い合いました。

私は、やはり、殉教の里天草での、隠れ切支丹の史跡やたくさんの殉教の話を聞いた取材旅行をしていますので、自然とおぎんの言葉が、様々な話と重なり合います。
役人が、文字の命令だけでわけも分らず、狩のような捉え方で、尊い命を奪う無茶苦茶な弾圧。
それに立ち向かう方法は、ただ殉教するばかりか!
殉教を貫くこと、それが本当の信仰なのだろうかと考えてしまいます。
棄教した、おぎんの心は、天にとどく、太く、力強い、高い塔のようだと思っています。
神のみぞ知るでは、本当に惨いことです。

さて、『檸檬』。
私にとって抽象的な絵画のようだった作品が、読むたびに具体的に活き活きと形作られ、鮮やかに色づけされ、文章に息が吹きかけられるような想いがします。
南京玉の質感、果物屋の店先の香り、丸善の画本の重さ、人の掌の温度、そして、檸檬の色。
なんて、分りやすく瑞々しいのでしょう。
憂鬱という文字がところどころに躍っていますが、この作品を憂鬱だと感じたのは、高校生の時に読んだ時だけです。
檸檬は掌にしっくりきます。いい形です。
適度な固さ、重さで冷たくて気持ちいい。
『檸檬』誰も真似できないなぁ。


次回は3月23日(火)14:00~です。
文学でちょっと楽しいひと時をいかがですか?
参加お待ちしております。